そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

嘘を出鱈目で言いくるめた、「新しい資本主義」は格差増大を生むことになる

2022-06-08 | 岸田文雄

岸田文雄は首相就任でぶち上げたのが、「令和の所得倍増計画」である。宏池会の創始者で同郷の池田勇人総理の「所得倍増計画」を多分に意識した経済政策を打ち出した。その上で、分配の好循環と格差是正であった。特に分配好循環を強調、一見アベノミクスや新自由主義からの脱却のようにも思えた。
ところが、岸田は「新しい資本主義」なるものを立ち上げた。投資をしろというのである。所得倍増を資産倍増と言い換えた。貯金など止めて、投資をして資産運用して資産を倍にしようというのである。分配の好循環や格差是正がなくなったのが、新しい資本主義のようである。
そこで誰が貯蓄を投資に回すかであるが、上図を見れば一目瞭然である。そもそも若者には貯蓄などない。高齢者は収入がなくなって、生活にあてるしかない。
そこで30~60までの現役世代となるが、下の表見ればわかるように、借入金が多くて実質貯蓄は無いに等しく身動きなどとることができない。資産倍増などない袖など振ることができない。

安倍晋三から日銀総裁を依頼されて11年目になるクロトンこと黒田東彦は、岸田の支援を念頭に置いたのだろう。「家計は物価上昇を受け入れる状況にある。」と、述べた。日銀総裁になって、ずうーっと「2%のインフレ」を言い続けている。言い続けているのは達成できないからである。
これからコロナとウクライナ問題で、物価は天井知らずの勢いで上がっている。クロトンは大喜びになるはずであるが、そうした苛立ちで出た本音であろう。
いずれにしても、資産倍増できるのは、預貯金が膨大にある富裕層ということになる。好循環など起きないのである。
つまり富裕層が資産を倍増するというのが、岸田の新しい資本主義である。



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