北海道新幹線は函館まで来ているが、札幌まで延伸予定である。距離は約170キロとなるが、ほぼ80%がトンネルである。地下鉄新幹線と揶揄されているほどである。鉄道・運輸機構の上図は作為的で、トンネルはほんの僅かで5%以下に見える。北海道の雄大な景色はほとんど見ることの出来ない、真っ暗な風景しか見ることができない。環境客は失望するだろう。
新幹線が完成すると、在来線は廃線にすることになっている。新幹線の通過地区はかえって過疎化が進行することになる。
このトンネルの掘削とその膨大な残土の処理が問題となっている。ほぼ全部が火山帯といえ、人間にとって有害な重金属がたんまり含まれている。
工事側は膨大な残土の処理に加えて、重金属の処理が極めてずさんであることが、地域の活動家たちの調査によって明らかいなっている。
稗田さんたちの、地域の自然を考えるネットワークの、長年の地道な取り組みによって様々なことが明らかになっている。
重金属、ヒ素・鉛・フッ素・セレンなどが含まれていて、余りにも多く残土をあちこちの沢に積み重ねている。熱海であったような沢に積み上げられた残土の土石流は、何時でも起きる状態である。
長いトンネルは一気に掘られるのではなく、斜坑と言われるいくつかの補助坑を設けてつなげる工法をとっている。残土は更に多くなる。陥没も起きているようであるが、山地が多く実態は公表されておらず不明である。
在来線を廃止するなら、過疎化が進む地域に膨大な資金を投入して、相当無理がある新幹線などを作るのではなく、そうした資金を赤字路線につぎ込んで、地域の過疎化の多少とでも歯止めにするべきである。
政府は国鉄民営化でローカル線はなくなりませんし、ブルートレインもなくしません、と嘘をついて赤字切り捨てをどんどんやった。民営化はともかく分割によって、地方は負担を余儀なくされた。その一方で東海のように超黒字r戦を抱えるところでは、金余りで実現不可能なリニアー新幹線に手を出した。
トンネルには耐震基準がない。地震国日本で数十キロのトンネル内で地震が起きたら、対応不可能である。高速の新幹線となれば尚更である。
溶出基準が国の環境基準を遙かに超えるヒ素などを含有した掘削土の捨て場について、機構と取り交わした町所蔵の協定書に関する文書を、町役場に開示請求したところ、機構の指示で黒塗り開示された。
日本何時からこんな国になってしまったのか、やましいことがあると、いつもこのような不誠実な対応をする。
北海道新幹線は、環境破壊であり、膨大な赤字を生むことになり、地方を疲弊させることになるため、即刻中止すべきである。