そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

戦争の犠牲者はいつも弱者である

2022-06-13 | 戦争

力学で動く社会は必ず弱者を犠牲にする。それが最も顕著になるのが戦争である。住居を追われ母親とともに異国で生活をする子どもたちは新たな環境に慣れるわけではない。心を傷つけロシア軍に追われ爆撃の悪夢に怯え、笑顔をなくす子どもたち。国外に逃げたウクライナ国民は700万人を越えた。ロシア支援の馬鹿ジャーナリストは、ありえない数字だと主張する。
生きている子どもはまだましである。判明しているだけで262人が死亡しているが、楽観的数字である。ロシア兵にレイプされ人身売買される少女たち。戦争の傷は際限なく子どもたちに広がり深く深刻である。(NNNドキュメンント22)
子どもが描いたプーチンとロシアへの精いっぱいの怒りの絵

ノーベル平和賞作家、スベトーラーナ・アレクシェーヴィチ氏はNNKのインタビューに自らの体験から、ロシアの侵略を怯える記憶の中から語っている。
傍受された電話交信のやり取りに次のようなものがあった。「まま僕、ハリキュウ攻撃して瓦礫にしてしまった。」「何言っているの、ハリキュウは彼方のお婆さんの故郷だよ。プーチンがそんな馬鹿なこと命じるわけないでしょ。あなた嘘ついているの。」というのである。
ロシアはまともな情報を持っていない。ロシアは昏睡状態の中にある。
このロシアの侵略は21世紀のもっと恐ろしい記憶として語られることになすだろう。プーチンは大ロシア主義に取りつかれている。自国民の優位性を誇ることはファシズムの兆候である。
プーチンはワイマールコンプレックスの中にある。即ち、第一次次世界大戦で戦勝国がドイツに課した膨大な賠償金は、復讐を熱望する国民によってナチズムを支持するようになったが、これにプーチンを重ねることができるというのである。
人々は自由を求めるが、自由はやってくるものではない。得られた自由の使い道を知らない。
権力を握ったプーチンは、ダークな人たちと手を結んだ。周辺の哲学者や経済学者や宗教者やエリートたちをプーチン支持者で固めるようになった。私たち民主派を攻撃し始めた。
戦争をした人たちも傷ついている。ロシア兵は戦争の理由を知らない。このことは、彼女の、「戦争は女の顔をしていない」(岩波書店)は証言文学という新たな、一般人から見た戦争の恐ろしさの中で語られている。22年前の彼女のNHKドキュメントに、アフガニスタン帰還兵の精神を病む兵士の哀れな末路が登場する。
戦争は権力者と豊かな資本家のものでしかなく、犠牲になるのは敗戦国も勝利国も、最も弱い一般庶民である。

政治はいつも戦争の理由を理由を探している。政治は愛国心を煽りいつも相手が悪いと言い続ける。軍事予算を欠かさないために敵国を罵倒する、敵国がなければ作り上げる。戦争は最も金が動く公共事業である。
戦争理由を政治に語らせてはならない。戦争は人殺しであるからである。
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