ペシャワール会の医師中村哲さんが銃撃されて亡くなったのは、3年前の今日である。中村さんの講演を聞き、ペシャワール会会員になって微力ながら支援していた身にとって、極めて衝撃的な事件であった。外国の勢力、異教徒の勢力を排除を主張する、現政権のタリバンの蛮行と思われる。
中村さんは少数のガードを連れてはいたが、ほぼ無防備と言って良い警備であった。現地の人々を信用して、距離を置くようなことはしたくなかったのだと思われる。
中村さんの行ったことは、一般の支援と一線を画すものである。自立をしてもらうためのインフラの整備と、それを自ら継続的にやってもらうための、いわば思想改造のような取り組みである。
中村さんは医師として診療を行っていたが、赤痢患者の急増で清潔で十分な水の確保が治療にも予防にも勝ると気が付き、灌漑事業を寄付で行う。現地の人が自らの手で土木工事をし、管理維持させるのである。この作業中にアメリカ軍の飛行機から空爆を受けている。
中村哲さんは、日本人が受け入れられるのは軍隊を持っていないからだという。日本の国会で、武力で平和は作れないと強く訴えている。
世界情勢が変わったとばかりに、防衛費を倍額にしろ高性能のミサイルが必要だ、敵地攻撃能力が求められると、軍事的国防論議の偏重に落ちいりっている。
それでは、なぜ世界情勢が変わってしまったのかとか、世界情勢を正常に戻すことなどの論議は一切なく、コストがかかる軍事偏重の論議、しかも予算の調達論議ばかりである。
こんなバカな政権に従うつもりはないが、金を出すのは我々であり、犠牲になるのも我々である。軍事予算の増高に反対する。