今回の参議院選挙は自民党は停滞したままで、野党がボロボロ化してきたに過ぎない。自民党の得票率は34.4%と前回のとほとんど変わらないが、議席は8議席も増やしている。これは特に一人区で野党が乱立し票が分散し、議席の獲得につながっていることが大きい。
日本維新の会は、地盤の強い地域で獲得した票を議席につなげた結果が議席に繋がっている。確かに、立憲民主党も共産党も1%程度得票率を減らしているが、議席は立憲は6、共産は2も議席を減らしている。立憲は国民民主王党との動きも加えれば8議席も減らしていることになる。野党分散の結果である。上の表は茨城県の参議院選挙の動向である。都会に近い田舎県であるが、日本全体の動向がほぼ反映されていると思われるので、転載した。
結果として、乱立した小さな党が既成の野党を互いを食い合って、全く支持が増えていない自民党が利を得て議席を増やしたのである。
そのボロボロ化した野党であるが、れいわ新選組や社会民主党は党としての主張があるものの、正体不明のNHK党や参政党やごぼうの党や幸福実現党や新党くにもりや維新政党・新風が思いのほか票が流れている。ほとんどこれらの無名の政党に、支持政党を持たない人たち、特に若者が投票したと思われる。
特に参政党は得票率が3.3%と政党要件を満たし、古参の社民党をも上回った。政党としての方針が不明なNHK党は、政党助成金を獲得するため。2%の支持を獲得するのが目的で、あらゆる選挙区に複数の候補を立てた。落選が見込まれても、党の方針を国民に訴えるため、全ての選挙区に候補を立てた共産党とは全く異なり、NHK党は政治を語る資格があるのが疑われる政党である。
こうした少数の正体不明の野党は、身近な言葉、平易な言い回し、単一の公約などの呼びかけで、かつての維新の会を彷彿とさせる。大きくなれば全国展開するような技量はあるとは思えない。若者たちや無党派層は政治理念を求めてはいない、そうした人の共感げられたのだろう。
連合の動きが象徴的である。連合離脱の組合も個人も多いし、かつてでは考えることができない組合として自民党を支持する所も出てきている。維新や国民やN党のように、自民党に対して是々非々とする、自民党を結果として支持することになることすら意識もしていない。
今後も金を持った人たちが、ボロボロ政党を次々と作ることになり、自民党を利することになるだろう。政治が利権の中で暴走する。