そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

危険なアメリカ産牛肉の輸入禁止を

2020-01-03 | 農業と食

日米貿易協定でアメリカ産牛肉の関税を38.5%から9%まで引き下げられることになっている。日本での牛肉のシェアは、国産が約40%、オーストラリア産が約30%、アメリカ産が約20%である。アメリカからの輸入牛肉の関税がゼロになれば、外国産のシェアが75%までに上昇し、国産は25%までに落ち込むと予測されている。

アメリカでは90%以上の肉牛に、ホルモン剤が投与されている。主に用いられているのはエストロージェンとプロジェステロンとソマトロピンでそれぞれ発情ホルモン、黄体ホルモンと呼ばれるものである。肥育ホルモンとも呼ばれているらしい。これ等は経口的には与えることができない。いろんな形の注射で投与されている。肉質を柔らかくし成功を早める作用がある。
日本では肥育目的の使用は禁止されている。EUでも、1099年から使用を禁止し、翌年からこれらを使用した牛肉の輸入を禁止している。
多くの学者が危険性を指摘し、「肥育ホルモン剤が牛肉に微量でも残留したまま体内に取り込まれると、内分泌系がかく乱されて、さまざまな健康被害が起きやすくなる危険性があります。自律神経系や免疫系にも影響を及ぼす。とくに危険性が指摘されているのが、乳がんです」といわれている。「これらのホルモンが、牛肉に残留していた場合、発がん性が懸念されるのです。とくにエストロゲンの一種、エストラジオールの発がん性については、乳がん、子宮内膜がん、卵巣がんのリスクを上昇させることが、疫学的に証明されているといわれている。
今週号の週刊誌、「女性自身」はこのことを裏付ける記事を出している。アメリカ産牛肉の輸入を禁止した7年間で、乳がんが劇的に減少しているというのである。
アイスランドが44.5%、イングランド・スコットランドが34.9%、スペインが26.8%、ノールウェイが24。3%減少したというのである。
2009年、日本癌治療学会で「牛肉中のエストロゲン濃度とホルモン依存性癌発生増加の関連」という研究が発表されている。市販の和牛と米国産牛のエストロゲン残留濃度を計測して比較したのであるが、赤身部分で米国産牛肉は和牛の600倍、脂身では140倍のエストロージェンンの残留が確認されたというのである。
アメリカ産牛肉にはこの他よくわかっていないホルモンの投与もなされているというが、今回の貿易交渉は自動車のために、それらの歯止めが外されている。日本アEUを見倣ってアメリカ産牛肉を全面的に停止すべきである。意識のある人たちが不買運動を展開しても、いずれ安価なアメリカ産牛肉が日本市場を席巻することになる。食料を量や価格で問う時代は終わっている。質の評価を置き去りにしてはならない。
日本は安倍晋三の目指す、アメリカの隷属国家の道を歩んでいる。



コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本経済はすでに回復する能... | トップ | テロ大国アメリカの本領発揮... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
宗純様 (そりゃないよ獣医さん)
2020-01-12 13:43:31
ご指摘ありがとう。
女性自身は北大の准教授の店頭発売の牛肉の解析など、3年前から取り組んでいます。今回の記事は下記の引用ですが、豚飼いでもあるの山田前農水大臣の指摘からのものです。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191002-00010001-jisin-soci
返信する
一生懸命探したが、 (宗純)
2020-01-12 11:14:41
記事には、
「今週号の週刊誌、「女性自身」はこのことを裏付ける記事を出している。」
とあるが、
「女性自身」は今までもこの問題を追求する記事を書いているが、なぜか今年は一切宣伝していない。
書店で確認したが、2020年度の「女性自身」合併号では、ご指摘の記事が見つかりません。(去年の記事なのか?)
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

農業と食」カテゴリの最新記事