岡田克也副総理が、衆議院社会保障・税一体改革特別委員会で、平成12年の総選挙で民主党はマニフェストを掲げて勝ったのではないと発言した。国民が政権交代を望んだからだというのである。
国民が投票した一票を民主党は評価しなかったことになる。事実評価していはいないが、この発言はいかにも国民・選挙民を愚弄したものであると言える。
自民党の、民主党が掲げたマニフェストが間違いだったことを認め撤回しろという攻撃に、思わず出た本音の言葉であろう。
かつては、マニフェスト原理主義者であった、岡田氏の言葉とは思えない。民主党内からも当然反論が出ることであろう。民主党の政策を否定して、自民党の意向を取り入れ協議するのである。
かたや自民党は、子ども手当や埋蔵金を充てにした予算組は攻撃するが、自らの主張する方向へと舵を切ったことには黙っている。ダム建設がいい例である。ダム建設の再開を認めたことは、マニフェスト違反であるが、だんまりである。
当選さえしてしまえば何をやっても許されるのは、民主主義の成熟していないこの国の象徴的出来事と言える。国民には選択肢がなくなってしまった。