どの世論調査を見ても、憲法改正を望んでいる人たちが国民の過半数を超えることがな い。ほとんどがせいぜい30%台である。こと、九条に限ると10%に満たないほどである。
それなのに、改憲への道が着々と進められるのは、与党の議席としての数である。この与党、自民党の数は「郵政民営化」賛成で得た議席である。簡単に言えば、郵政民営化に賛成はしたけれども、憲法のことなど考えても見なかった人 たちが大多数と思われる。
こうした手続きになんら違法性はないが、この構図はどう考えてもおかしい。この衆議院選挙で、東京では菅直人以外は全敗したが、北海道では圧倒的に民主党が勝利していたのである。北海道は面積や環境では、100倍以上の差があっても、議員数では10倍も少ない。
それまでの発言などや、党の考え方から自民党が何をやりたいかは推し量ることが出来たとは思うが、表面上は争点は一つに絞られた選挙であった。僻地や少数の意見が抹殺される構図である。
国民投票法案の審議方法を見ても判るが、論議を重ねるとをすると与党は、押されるのが判っているためにやらないのである。憲法論議を重ねると、不利になるから数で押そうとしているのである。
自民党の本質は、国家経済利潤の追求であって、そのための手段としての国防であり、国際競争力のある企業の擁護である。地域的な営利や福祉や平和などは、政権維持のため表面上取り繕わなければならない手段としか捉えていないのである。本来、審議を尽 くすことは極めて苦手なのである。
ところで、平和憲法を維持するとしている公明党は何処に行ったのだろう。矛盾を抱えたまま、国民投票法案が可決された。恐ろしい国家である。