そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

豊芦原瑞穂の国日本はコメを捨て、輸入穀物で搾る牛乳は大騒ぎ

2021-12-19 | 農業と食

お米の価格が下落している。今年は700万トンを切るようで(前年比10%減)あるし、価格も下がっている。コメの消費動向が下降気味だとではあるが、新型コロナのせいと説明されるが、その理由は良く判らない。
更に、特に高給米は25%も値下がりしている。60キロ当たり1万円が最低ラインと言われる価格も切っている。
稲作は日本の環境、特に水に係わる環境保全に大きく寄与して、2000年も作付けされてきた。この水の保全と配分こそが、地域の村社会を支えてきた。お米は人の必須アミノ酸を最も多く含んでいて、加工しなくても食べられる殆ど唯一の穀物である。単位面積当たりのカロリーは圧倒的に高く、東南アジアの人々の命と文化を育んできた。
稲作は日本文化の礎であり、主食で貨幣流通前の富の基軸であった。これからも日本という国が、あらゆる意味で守っていかなければならないのが、稲作である。
その一方で牛乳が余っているから飲んでくれの、農協中央会のキャンペーンが、何となく支持されている。北海道はまだしも東京都知事も記者会見で、牛乳を飲むパフォーマンスである。牛乳飲みましょう掛け声があちこちから聞こえる。牛乳は生鮮食品で貯蔵がきかないからというのであろう。
需要を上回れば、バターなりチーズにすることで十分貯蔵がきいたし、そのようにしていた。事実5千トン程度のバターの貯蔵、製造は可能な状況であるとは関係者の話である。
農家の受けとる乳価は目的別に異なっていて、その量の案分で決まる。バター向けは安いので、高い飲用乳の比率を多くしたいのが人情である。
酪農の大型化を推進する国の政策は、大量の輸入穀物に依存することを意味する。輸入する外国とは、アメリカである。輸入穀物は2千万トン少々食べている。乳牛にとって泌乳を強制される大量の穀物、遺伝子組み換えの肥培管理の不明な穀物を減らせば、乳牛は健康になり乳量も減ってくれる。
何より輸入穀物を減らせば減乳になる。国の政策で巨大化したから、国策に反することができないのである。
主食のコメ同様に余剰が生じたのなら、乳価も下げればいいのである。国策で巨大化した経営は耐えられないからやらにだろうが。

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