そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

日本はWTOの判断をとやかく言う立場にない

2019-04-14 | 原発と再生可能エネルギー
WTOの上級委員会が11日の韓国の福島県ら8県産の水産物輸入禁止措置について、一審の判断を破棄して、禁輸措置を容認する逆転を下した。これは日本の敗訴である。各報道も敗訴に対する無念の報道である。
これに対して菅官房長官は「敗訴には当たらない」と、かなり強気の発言である。現在の日韓関係を背景にした強気発言ととれる。韓国紙は一斉にWTOの判断を好意的に報道している。日本では、福島の漁師たちの苦悩の言葉を伝えている。漁師や漁業関連産業には痛手になるだろうし、大きな不満があることはよくわかるが、この間の政府の対応など見ると当然ともいえる。
何よりオリンピック誘致のために、放射能は外海に出ていない。コントロール下にあると嘘ついたことが大きい。原発事故後の汚染物質は海洋の方に多く流れている。これには、お友達作戦で急遽韓国から返してきた、艦船ドナルドレーガンの乗務員に被爆の影響が出ていて、情報を把握しながら公開しなかった日本の姿勢が問われ、訴訟問題が起きている。
飯館村には濃厚に放射性物質が降り注いでいたホットスポットとなっていたのを、政府はかなり遅れて公開た。飯館村の被害は甚大である。その穴埋めであろうか、42億円の小学校を建設している。
放射性物質が拡散する事実を、言葉と金でしのごうというのである。さらには海外に原発を輸出しようという姿勢、国内では再稼働を促す姿勢は、安心を海外の人々とに十分提供しているとは思えない。汚染の基準もかなり甘く、国内で核兵器や原発事故を無数に経験しているアメリカが、事故直後なら東京も避難地域に指定していた。いつの間にやら200キロの避難命令が取り下げられた。根拠は不明である。
下図の汚染地図を見て国外の人達に安心感を抱かせるには、検査結果を示すだけでは不十分である。
福島の水産関係の人達には気の毒ではあるが、いつまでも日本が言葉をごまかしながら、原発容認姿勢を貫く姿に対するWTOの示した当然の判断といえる。

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