ブラジル大統領選挙の決選投票は、左派政権を率いたルーラ元大統領が当選した。ブラジルの選挙管理委員会の集計で、開票率99.9%時点での得票率が、ルーラ・ダシルバ元大統領が50.9%、現職のジャイル・ボルソナロ大統領が49.1%の大接戦である。ルーラは2003年から2期8年にわたって左派政権を率いたが、マネーロンダリングで有罪になったが後に覆されて、今回の出馬が可能になった。刑務所から復帰したルーラにたいし極右翼のボルソナロに僅差で勝利した。
ドラマのような復帰劇で庶民に支えられるルーラと、アマゾンの開発を優先し富裕層を優遇した極右の現職の選挙は、現在のブラジルの象徴的戦いであったといえる。
コロナ対策でも大きな禍根を残した現職に、一期しか与えなかったブラジルは懸命な選択をしたといえる。
大統領に返り咲くルラは、民主主義を守りアマゾンの熱帯雨林を救い、ラテンアメリカ最大の国に社会正義をもたらすことを誓約している。来年一月に就任する。ブラジルの経済発展よりアマゾンの熱帯雨林の保護、大企業優先よりかつて在任時代に行った、貧困層への保護をぜひとも進めていただきたいものである。