オバマ大統領が2009年11月に初来日する2か月前に、当時の薮中が意味時間が、ルース駐日大使に対して、大統領が被爆地を訪問するのは時期総称との考えを伝えていたことが解った。ウィキリークスが入手した、アメリカ外交光電に記載されていたのである。
当時は政権交代の真っ最中である。オバマは、世界に対して「核なき世界」を目指すと演説していた。
初来日での広島訪問は政権交代直後の民主党にとっても、大きな意義をもったはずである。それを一介の政務次官が、私見で見送らせたのである。
何とも図々しい官僚である。これが官僚主導でなくて、何だというのであろうか。民主党はこうした、官僚が主導する政治からの脱却を目指していたはずである。政権交代のゴタゴタの時期であったとしても、これは極めて重要なことである。
しかも、現在政権についてる民主党はこのことに対して「元々オバマ大統領の広島訪問は検討もしたことがない」と、回答しているのである。この回答にしても、官僚の作ったものと思われる。
多少は、鳩山・菅内閣では脱官僚を謳ってはいたものの、野田内閣になって「官僚の経験を大切にしたい」と言い出す始末である。脱官僚の旗すら降ろしてしまった。
民主党のマニフェストの多くは実現困難な状況にある。その中でも、脱官僚は最も重要な、基本的政策であったはずである。今しも、せっかく都会で残された森を切り倒して、公務員住宅が建設されようとしている。
事業仕分けで、一旦切られて事業である。今の日本の最も大きな課題である財政赤字は、官僚政治のもたらしたものである。民主党はマニフェストが瓦解する音を聞いているのだろうか。