日本の司法が自衛隊は憲法違反であると判断した、唯一の裁判である長沼ナイキ訴訟から、今日で40年になる。この判決は、自衛隊の違憲が大きく取り上げられるが、司法の独立性がこの国にないことも、後に明らかになっていくのである。
この判決以降、司法は自衛隊について判断はすることがなくなった。唯一名古屋高裁で、イラク派兵は違憲であるとしただけである。この時の裁判長は、定年直前であった。先のある判事にはできないことである。
長沼ナイキ訴訟で自衛隊違憲判決を出した福島重雄裁判長は、直属の上司である平賀健太札幌裁判所長から、「国の判断を尊重すべきだ」という主旨の書簡を受け取っていた。自衛隊違憲判決を恐れた上司の判断である。
憲法は「裁判官は独立して職権を行い、憲法と法律にのみ拘束される」と規定している。上司の行為は明らかに憲法違反でもある。
福島氏はこれ以降、地方の裁判所を転々と移動させられることになる。このの意向に反する裁判官は冷遇を受けるだけである。司法の独立などこの国にはない。
その後、自衛隊は専守防衛としながらも、集団的自衛権の容認へと、解釈を変えることによる、いわば解釈改憲によって、自衛隊の軍事力を拡大してきた。
福島氏は、当時の判決は間違っていないとしながらも、現在の動きを解釈改憲による限界を感じるようになり、今度は憲法を変えようとしているのだと話している。
司法が国の意向に逆らうことのない判決は、これ以上常態となっている。
“健太郎”ではなく“健太”です。
大阪教育大学に誤字と同姓同名の学者がいますので誤解の元になります、訂正お願いします。
ありがとうございます。