そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

本質を外れた論議は止めるべき

2009-09-13 | 政治と金

民主党がマニフェストに沿った方針を打ち出している。国会が始まってもないし、政権交代が終わったわけではないが、大きな転換時期である。大いにこのようなパフォーマンスはさしあたりでもやっておく必要がある。そして、あちこちから反論が噴出している。

反論の多くは従来の思考方法から脱却していないものばかりである。高速道路が無料化されると、都市間バスを使わなくなるから反対と、どこかのバス会社の連盟が早速民主党に陳情に行っていたようである。マスコミを集めて反対との態度を表明していた。

これはおかしくはないか。明らかな構造転換を図ろうとしているのに、それからはじき出されるからその補償を要求するのである。早くに打ち出しておけば、多少は面倒見てくれようと思うのは従来の自民党政権下での発想である。この種の陳情に民主党が応じるかどうか、見極めな55 ければならない。

あるいは、せっかく買ったETCが使えなくなるので無料化は困る、などという論議は払い下げ願いたいものである。高速道路の無料化は、国が建設当時から打ち出している実行されていない規定方針である。政府は方針転換を打ち出したこともない。無料化による企業側や道路運営上の混乱もあるだろうが、それは高速道路無料化の本質ではない。自民党政権下で、無料化による経済効果の試算を秘匿したのを見れば解る。次々と無用でも道路をつくりたいお抱え国会議員様がいるのである。

CO2削減についても、明確な試算がない。車によるCO2排出の問題の多くは、渋滞によるものである。大型連休で高速度道路の渋滞がしばしば放映されるが、一般道路の方が圧倒的に渋滞が多い。ブレーキと発信の繰り返しが格段に多いことも、CO2排出に貢献している。高速道路の利用が多くなり、CO2の排出量が増えるかどうかも良く解っていない。

それより何よりも、高速道路に料金所があることによる非効率の方が目につく。一般道路へのアクセスも極端に制限されている。利用度を下げる要因にもなっている。決してエコにならない商品への転換を奨励する、一時的消費喚起政策に比べるとよっぽど解り易く現実的である。

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世界貿易を真剣に考えて

2009-09-12 | 緊急事態法

民主党がFTAについて深く考えていなかったことが、選挙期間中に発覚した。国際貿易の犠牲になるのはいつも農業である。少なくとも我が国では、商工業優先政策を享受しているために、農業はいつも犠牲になる。そのために、FTAは言われるままで構わない、農家には金を出しておけばそれでチョン、とは小沢一郎の考え方である。

農業は国際貿易に晒すと、どの国も年によっては大変なことになる。それを実感しているのが、現在日本に2国間交渉を強く迫っているオーストラリアである。http://www.theaustralian.news.com.au/business/story/0,28124,26004280-5018010,00.html

彼らは、中国の攻勢にあって追い詰められている。農業大国オーストラリアは、中国からのエビ、カリフラワー、リンゴ、ナシ、ニンニク、エンドウ、ピーナッツなそ08年は07年比35%も増加している。ニンニクの90%が中国産である。価格は国内の4分の1である。今や「食糧安全を憂慮する事態になっている」と野菜生産団体は発言している。どこかで聞いた台詞である。

中国輸入品の安全性や、環境問題も取りざたされている。特にエビは国内ないウイルスをのまん延を恐れている。養殖基準も問題があると訴えている。そんなことは解り切った話である。オーストラリアに、日本の車を売り込みたい人たちが懸命にFTA交渉の妥結を促す。オPhotoーストラリアから鉄や石炭を無関税で輸入してもバランスが取れない。肉や乳製品を買わなければならないというのである。

自らが中国の脅威にさらされておきながら、日本には同じ台詞を吐かせないのは勝手な話Photoである。農産物を価格だけで捉えるから、交渉自体がおかしくなるのである。WTOの理念は、27年前のウルグアイラウンドに根拠を置く。この間に、東欧諸国は崩壊し環境問題、食糧問題、地球温暖化がより一層激しくなってきた。

効率ばかりを求める生産体系が、様々な問題を引き起こしている。民主党も自民党もこの点には変わりない。多くの報道機関も同じである。世界貿易にあっても同じである。貿易に当たっての効率とは価格である。価格だけであると断言してもかまわない。

日本は、食糧を遠い海外から大量に輸入している。それらに係わる温暖化への問題や価格の吊り上げ作用など全く考慮されることはない。フードマイレージが日本は断トツに高いが、木材はさらに深刻な状況にある。

世界貿易の在り方を真剣に考え直し時期に来ている。FTAといえば、交渉内容にばかりが取りざたされる。その交渉も騙しあいばかりである。アメリカなどは補助金支出を良いように隠していたりして農家をしっかり保護している。正直者の日本は明けっ曝しのままである。食糧や環境について考慮する時期になっている。

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戦没画学生の作品展

2009-09-10 | 政治と金

戦没画学生の作品展が札幌で開催される。長野県上田市の山の上に、戦没した画学生の遺品を展示する美術館がある。館長の窪島誠一郎氏が日本中を駆け回って集めた、戦没した画学生たちの作品を展示する美術館である。

ここの作品が札幌JRタワーで「無言館・祈りの絵」と題されて、今月12日~10月18日まで開Photo_2 催される。最初に彼らの作品を見たのは、東京駅のギャラリーであった。その後一度無言館へ兄と訪れた。無言館は館名通り静寂の中にあった。

戦場に散った画学生たちの遺作は、声高な反戦平和を訴えるのではなく、悲しみの静寂の中で心に沁みるものである。私の父も南方で戦死している。父とほとんど同じ経緯で戦死した、画学生の作品もあり感慨深いものがある。

作品展に象徴的な興梠武氏の上記の作品は、病弱な妹が編み物をする姿を描いたものである。戦地で興梠は妹の病死を知り半狂乱になたと、戦友は後に語る。その興梠も帰ることはなかった。南方から届いた白木の箱には貝殻が一つ入っていただけである。母は奥の部屋で箱を抱え嗚咽した。

出征直前まで、「あと5分、後10分この絵を描かせておくれ・・・・・小生は生きて帰らねばなりません。絵を描くために・・・」といった日高安典は、南方で戦死した。白木の箱には名前の入った紙切れが一枚入っていただけだった。気丈夫な母はただ泣くだけだった。

金子信孝は将来を宿望された日本画家である。大作を多く残している。夭折の画家たちとして、早くから紹介されていた。出征の間際まで懸命に描き続けていたと妹は語る。こうしたほとんど無名の作家たちの作品は、心に重くのしかかる。時代に流されて無念の思いを残した作品はただひたすら哀しい。

画学生の多くは身内の人たちや故郷の風景を、数多く描いている。遺族にとっては手放したくないものばかりである。それぞれの家庭に仕舞われていた作品を、窪島は家族を説得し集めて回った。作品の巧拙とは無関係に、ここには狂乱の時代に流され帰ることのなかった画学生たちの静かな吐息がある。

フォトアルバム<キュウキュウの日の根室平野>をアップしました。

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鳩山氏の90年比25%削減を高く評価したい

2009-09-09 | 政治と金

090907 次期首相になる、鳩山由紀夫民主党代表が「地球温暖化フォーラム」で7日、日本は90年比で25%の温室効果ガスを減らすことを目標にすると明言した。選挙マニュアルで当然のことと、鳩山氏は発言している。

ただこれはとても高い目標になる。今まで、自民党に守られてきた産業界は、一斉に反発している。電力総連の南雲弘会長は、とても無理な話でそんなにたくさん原発はできないと、ちょっとおかしな発言をしている。支持団体である連合も、」高すぎる目標といっている。

比例区で復活した二階産業大臣や河村官房長官など古株の自民党閣僚は、とても無理との批判をした。が、斉藤環境大臣は「積極的で高く評価する。野心的な目標を掲げることで世界をリードしてほしい」とエールを送った。公明党は早くも民主党に擦りよるのかと、政治的な視点をこさい、持たないことにしたい。

IPCCのラジェンンドラ・バチウリ議長は勇気づけられたと発言し、化石賞を何度もらっている日本の変化を評価した。今年初めに、麻生が05年比で15%削減を掲げていたが、これを大きくい超える設定である。今回の演説は、内外に政権交代を印象付ける内容となっている。002_2

鳩山氏は「炭素に依存しない社会の構築は日本にとって大きなチャンスである。クリーンエネルギーは、日本の技術に新しいフロンティアと雇用を創出することになる」と、発言している。工学 博士でもある鳩山の発言の一部を、従来の思考回路で読み解くから、経済にダメージが生じるだの社会的なにも個人的にも、大きな負担になると思うのである。

こうした大きな産業構造の転換には、政府の大きな後押しが求められる。目先の判断と収益と、自国の国益ばかりを論じている間にも、地球は人類にとって困難な居場所になってしまうのである。鳩山代表の発言を高く評価し、経済成長ばかりを指標にする社会からの脱却になればと思う。

<キュウキュウの日の根室平野>アップしました。

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自民党は再生困難

2009-09-08 | 政治と金

自民党の議員総会が開催されたが、首班指名でもめにもめた。選挙大敗の責任者の麻生現総裁の記名を拒否し白票を投じるべきとする議員と、総裁を書くのが当然とする連中の対立がまとまらなかった。そこで、議員総会の議長の若林を記名することになった。自らの総裁ではなく、Photo 全く総裁どころか党務とは無関係を記名するそうである。

麻生は「皆でまとまったからこれでよい」と、選挙直後には「当然総裁である私の名前を書いてもらう」といったことなど忘れてしまったような発言である。記者会見で、若い女性の記者に毒づいてみたりと、全く無神経な人物である。

自民党の衆議院議員は、民主党議員より8歳も平均年齢が高い。119名のうち女性が僅か8名しかいない。平均当選回数は5回以上と、143名の新人を抱える民主党の倍以上である。要するに、年寄りのおじさんばかりで構成された党になったのである。未来を志向するには相当の努力がいるだろう。

日本の民主主義が2大政党体制になることは良くないことだと思うが、巨大化した民主党の暴走をチェックするためにも、自民党は健全な形で甦らなければならない。議員が激減し派閥力学も通用しなくなったのに、相変わらず派閥の領袖や閣僚経験者たちが暗躍している。

いっそう彼らの多くは比例区で当選したのだから、退いて若手に譲るだけの度量を見せて、後進に譲るべきなのである。アメリカ頼りの無策の政策を連綿と続けてきた人物には、民主党の打ち出す政策をまともな論理で崩すこともできはしない。地位協定などはそのよい例である。民主党が公約通りの動きをやれば、裏取引の実態がそのうち明らかになる。

野党としての経験がない閣僚経験者たちに未来はない。古株たちがどのように若手を引き出すかが、今後の自民党の行方を決定することになる。

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民主党に期待するもう一つのもの

2009-09-07 | 死刑

歴史気的大勝利をした民主党のマニフェストに、死刑制度の国民的議論と終身刑の検討という項目がある。更に民主党は、死刑廃止を政策に挙げる国民新党と社民党と連立を組むこと、鳩山代表は明言している。

国連の人権委員会は、昨年日本に死刑制度の廃止の検討を勧告している。与党である自民党081120の日本政府は、全く取り組み気がないようであった。国内世論を盾にしているが、これは明らかにマスコミの煽動が背景にある。近頃事件があると、マスコミは面白おかしく扇情的な報道をやる。極悪非道の犯人像をいとも簡単に作り上げる

国連加盟国で見ると、89年には100カ国を超す国が、死刑制度を導入していた。それが、昨年の段階では僅か24カ国に減少している。逆に死刑制度のない国は、141カ国になっている。先進国といわれる国では日本とアメリカぐらいである。イスラエルは先進国かどうか解らないが、紛争を抱えている事情がある。

人は行為においても判断においても過ちを犯す存在である。それが人間性でもある。先ごろ、DNAによる判断で、無実になるであろう人物が科学の発達で再審が始まるようである。彼に死刑を執行していれば、釈放も再審もないのである。

何よりも死刑は法律の名を借りた、非人道的な殺人行為である。日本にはかたき討ちを文化として認める風潮がある。かたき討ちは芝居になったりして文化の風潮もある。底に来て、非情な殺人事件があると、報道がこれを被害者側に立って煽りたてる。

法律は報復のためにあるのではない。応報感情は理解できるが、法律は被害者意識の清算のためにあるのではない。更にこの国には、終身刑がない。どんなに長い懲役も、減刑されて出所する。死刑廃止と併せて、減刑のない終身刑を導入することも必要である。

犯罪者に償ってもらうには、死なれては困る。できるだけ長く生きて自ら犯した犯罪を償う労働奉仕や宗教者の教訓などを、生涯かけて行うべきなのである。

死刑を軽々と行っている、中国やイランや北朝鮮と日本は同じレベルの、非人道的国家から脱却するべきである。民主党に死刑廃止を期待したい。

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食肉偽装事件の顛末

2009-09-06 | 農業と食

ミートホープによる、食肉偽装事件を覚えていますか。苫小牧の食肉業者が、牛肉100%のコロッケと表示したもの中に、豚の脳みそやニワトリの肉を混ぜていたのが内部告発で発覚したPhoto事件であった。2007年6月のことです。もう2年以上前になる。

ミートホープ社はその2年ほど前に、肉をまんべんなく混ぜる機械で農水省から表彰されてる。挽き肉の技術が優れていた。田中社長は、一審判決を上告せずに結審している。忘れやすい日本人は、田中社長の思惑通りもうすっかり忘れてしまったように見える。

被害者が一人もいない田中社長はこの事件で、食肉の偽装で摘発されたのではない。「不正競争防止違反」という罪名である。日本の法律はよく解らない。庶民の感覚ではない罪名である。主婦がたくさん見るワイドショウは大騒ぎしたが、今はその面影は何処にもない。

しかし、確実に酪農家にはこの事件は恩典をもたらした。搾乳できなくなった乳牛は牛舎から出てゆく。病気や治療中でなければ、屠場に行き消費者の口に入る。足などが悪かったり老齢牛は痩せてしまって、以前は食肉にはほとんど不向きとされた。ミートホープ事件以前は、こうしたやっと立っていられる牛などは、ドッグフード用になるなどして、ほとんど金にならなかった。

ミートホープ以後、こうした筋だらけの牛の肉が必要になったそうである。具体的な食品例は解らないが、先のコロッケで言うならば、上物の牛肉だけだと歯ごたえがないのである。そこで、老廃牛の肉を混ぜると、消費者に喜ばれるといった具合である。これなら、偽装食品にはならない。なにしろ100%牛肉のコロッケである。

お陰様で、酪農家はほとんど金にならなかった老廃牛を、10万程度で販売できるようになった。偽装された、牛肉100%のコロッケの方が、多分美味いと個人的に思うが法律は許さない。消費者も望まないだろう。お陰で酪農家にはおこぼれが来るようになった。現実の話である。

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自民党は再生するか

2009-09-05 | 政治と金

北海道大学の山口二郎教授が、「日本政治の体制転換(上)(下)」という論文を、北海道新聞に2日にわたり(9月2日、3日)発表した。政権交代は山口氏のかねてからの持論である。自民党の敗北も民主党の大勝利の分析など、正鵠を得た論文であったと思われる。

この論文で最も気になったのが、2大政党、あるいは政権交代は必要とする山口氏の主張からすると、ここで自民党がどのような形にしても、立ち直らなければならないのである。一見矛盾するように見えても、自民党が胡散霧消するようであってはならないと私も思う。

山口氏は、自民党の再生に次の3つを挙げている。 ●右派ナショナリズム政党になる道 ●穏健改革路線を選択する ●小泉的新自由主義集団になる。おおむねこのような主張であった。今自民党は総裁選に混乱している。派閥の領袖を失い人が極端に減少して、かつての手法で選出はできなくなっている。この乗り切る方法も、一つの方向性を見ることができるだろう。注目したい。

自民党が選ぶ総裁で、上記の3つの選択が見て取れる。安倍晋三やその周辺が選出されるようだと、右派ナショナリズム政党色を濃くすることになる。国粋主義者たちは消えることはないが、支持者を失い、政党としての体を失くすことになるだろう。

中川秀直や小池百合子たちが総裁になると、新自由主義を懐に隠して、改革を主張する集団になるだろう。小泉改革に懲りた、国民は彼らを推すこともなくなるであろう。

最も現実的なのは、穏健な改革路線の選択であろう。この場合加藤紘一の出番になるだろう。中垣禎一などの旧宏池会のメンバーが中心になるだろう。しかしこのグループの主張や行動なら、民主党の旧自民党出身者たちと何ら変わることがない。政界再編が起きることが考えられる。

どの道を選択するにしても、当面は世代交代を待たなければ勢力の回復は見込めないだろう。旧態依然とした政党内のもめ事を繰り返す政党に、未来を見ることができないからである。やっと当選した森喜朗や落選した中川昭一やの敗北が理解できないような言動からは、自民党の再生は望むべきもない。来年の参議院選を乗り切らないと、30年は政権を取ることはないだろう。

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公明党の言論弾圧

2009-09-04 | 政治と金

一昨日(9月2日)の北海道新聞の夕刊の片隅に「手帳持ち去り訴訟、矢野氏の勝訴が確定」とする、小さな記事があった。一般の人は、この記事を見ても内容が良く理解でいないと思われる。

090903 数日前に、私のところに酪農家の友人が本を置いて行った。『「黒い手帖」裁判全記録』矢野絢也著、講談社刊、という本である。この本を見ていなければ、私も見落としたかも知れない。

元公明党の委員長である、矢野絢也氏が公明党の国会議員3名に長年書きためた、手帳を持ち去られた事件で、最高裁は矢野氏の訴えを認め、手帖の返却と300万円の支払いを命じたのである。事件は極めて陰湿で、公明党と創価学会の幹部が次々と何度も訪れて、手帖の提出を強要したのであった。

問題の発端は、この事件の約10年前に評論家として矢野絢也氏が、文藝春秋に書かれた記事の内容訂正と、説明にある。矢野氏はかなりのメモ魔らしく、手帖は100冊以上に及んでいる。公明党は、その謝罪として住宅を売って数億の金の提出と評論家活動の停止、それと手帳の提出を迫った。身の危険を感じて、矢野氏は手帳を提出したとのことである。この事実を最高裁判所が認めたということである。

これは明らかに言論弾圧である。創価学会はこれまで何度もこうした事件を起こしてきた。藤原公達への言論弾圧事件。池田大作の女性スキャンダルの月間ペン事件、ルノアール絵画事件、捨て金庫事件など枚挙見いとまがない。

元公明党委員長の矢野氏は著書の中で、公明党は実質的には創価学会の下働きをしてるにすぎないと暴露している。結党当時は、東西対立を反映した55年体制の中で、中道を志し健全であったとしている。今や、池田大作を守りするためなら何でもやる政党になってしまった。

公明党は、自民党などと組むことで政権与党になって、本来持っていた崇高な理念を失い、政教一体の哀れな権力志向の政党に堕したのである。小選挙区全員落選は当然の結果である。ネガティブキャンペーンを繰り返し、比例区でも自民党支持者からも支援を失ってしまった。

中道とは、穏健な野党のことである。党の政策を検証することなく、創価学会員は本能的に支持する。自浄作用もなくなった政党は大きな転機に立っていると言える。

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工場式畜産の危険性

2009-09-03 | 政治と金

家畜を診療する獣医師として、かなりの場面を見慣れていると自負しているが、それが映像となってテレビで見ると、ドキッとする。深夜のNHKのBs放送で時々素晴らしい番組を放送していPhotoる。海外ドキュメンタリーで、日本が制作したものではない。

この不況下にあっても、多国籍企業として世界の食料価格を牛耳っている、アグリビジネスが軒並み好調である。モンサントやカーギルは大儲けの現状にある。

ポーランドに進出した養豚業の世界最大のスミスフィールド社が、現地で大きなトラブルを起こしている。BIGビジネスをもじって、PIGビジネスと題されたイギリスの会社が制 作したレポ1 ートであった。スミスフィールドの養豚は、1棟1000頭規模のものばかりである。

周辺には糞尿を撒き散らし、汚臭で環境問題を引き起こしている。平坦なポーランドでは、川や池の汚染も深刻である。何よりも、ポーランドの豚肉価格を一気に下げてしまった。そのために、農家はこれまでの価格で豚肉を売れなくなってしまっ2た。

工場式養豚では豚は狭いところに閉じ込められて、飼養される。家畜をいたわるべきとする、 家畜福祉もあったものではない。地元農民は、豚を幸せに飼わなければ、美味しいに気にならないと、放牧などをやって自由に飼養管理している。その人たちの豚肉が売れないのである。農民の抗議を受けて、工場式養豚を禁止すると約束した大臣は、ほどなく解任された。工場式養豚を支援しているのは、ポーランドの銀行である。国債を購入しポPhoto_4ーランドの財政を支えているのは銀行である。

今流行の兆しを見せている、豚インフルエンザの初発は、メキシコの山村のスミスフィールドの養豚場であったことは、とても偶然とは思えない。

スミスフィールドの豚の餌を支えているのが、カーギル社である。カーギルはブラジルの熱帯雨林を開発し、原住民を追い出し地元の伝統的農家を圧迫し、猛烈な抗議を受けている。

スミスフィールドはポーランド国内最大の食肉業者、アニメックスを買収した。生産から流通まで牛耳ったのである。ポーランドの農民は、自給食料を前提にする農家が多く、零細農家がほとんどである。彼ら場英の運危機に陥っている。

レポーターは、地元の肉地元の農産物を買うことで、消費者のメッセージを届けるべきと結んでいる。 しかし、スミスフィールドは次はルーマニアに進出するとのことである。

翻って日本の畜産を見たときに、もう少し飼養形態はましだと思うが、基本的には変わりない。資金的な援助、制度的な保護は、国がやっていてそれを支えているのが、農協である。

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八ツ場ダムの中止を

2009-09-02 | 政治と金

01 群馬県の八ツ場(やんば)ダムの建設中止を掲げていた、民主党が総選挙で圧勝した。当然八ツ場ダムの建設見直しが持ち上がった。

このダムは、1967年(昭和42年)に決定されこの年が着工年度されている。総事業費は、4600億円とされているが、ご多分にもれず一度認可された公共事業は、どんどん事業量が膨らんでくるのである。現地での反対運動は、1974年に反対を掲げた町長の当選に始まる。実に、35年に及ぶ反対運動である。

工事は着工されて、すでに多くの構造物が立ち並び道路が改修されている。住民の移転も始まっている。ここまで来たのだから工事は中止すべきでないとの、地元感情も解る。移転や賠償金協議を済ませた人たちにとっては、反対の意思はあったとしても、今更工事の中止には違和感が残るであろう。

元々無意味な公共事業である。土木関係者だけが潤う、環境破壊を伴う公共事業である。全国至るところにある、土建業者と官僚と政治家のトライアングルの典型である。国家予算をふんだんに使い、利権を漁り事業を請け負い甘い汁を相互に吸い合う構図である。ここは典型的な世襲議員である、小渕優子の地盤である。

ここで事業を中止することで、1000億円から2000億円は浮くと予測される。国土交通省も、民主党政権の成立を目の前にして、入札を中止しした。県知事や小渕など、一部の土建屋とつながる政治屋は異論を唱えるだろう。土建関係者を地元住民と偽り、陳情もあることであろう。しかし、もうこうした環境破壊の無駄なダム建設は止めるべき時期に来ている。

巨大な構造物はそのまま残し、愚かな工事を手掛けたことを忘れないための、モニュメント(記念物)として残せばよい。北海道には、旧国鉄が走れなかった鉄橋やトンネル、採算が合わなくなって放棄された坑道や農家の廃屋など、人々の愚かさを物語るモニュメントがいくらでもある。八ツ場ダム建設の愚かさを後世に残すには、格好のモニュメントとなるであろう。

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せっかく落選したのに

2009-09-01 | 民主主義

090831 今回の総選挙で、せっかく小選挙区で落選させてもらったのに、比例で当選した人たちがいる。いずれもが自民党の、大物といわれる、自民党が下野する原因となった議員ばかりである。

小泉の偉大なるイエスマン武部勤、自民党最大派閥の領袖元官房長官町村信孝、小泉改革の推進する最大の司令塔元官房長官中川秀直、郵政民営化反対を唱えて当選後翻意して自民党に戻った元郵政大臣野田聖子、現職の閣僚与謝野馨財務・金融担当大臣、女性極右翼の高市早苗、小池百合子ほかに額賀福志郎甘利明伊吹文明鴨下一郎などいずれも自民党の中枢にいた古株である。

彼らの続けてきた手法が誤りだったことに気が付いていない。一年ごとに政権を投げ出し総理を12カ月で入れ替えてみたり、総裁下ろしに明け暮れたり、民意を問うことなく翻意したり、あっさりそれを受け入れたりとやり放題だった。そのための、小選挙区での落選である。

従来の政権運営手法に辟易とした国民の解答といえる。それは、残念ながら当選してしまった、森喜郎の言葉に見ることができる。彼は最終日に声をからしながらほとんど涙声で「私は皆様方に良い政治を長年続けてきた。小娘(とは言っていないが)をぶつけられたこの選挙はおかしい。」と自分を評価しない選挙民への当てつけや小沢への怨みを言っていた。

GDPがプラスになったから、国民は評価してくれるだろうと解散総選挙に打って出たが、その直後に最悪の失業率の発表があった。このギャップこそが、小泉・竹中の構造改革の本質である。良い政治は大企業に行われて、一般国民には無縁のものだったのである。選挙後半は、小泉構造改革の行きすぎもあったと、麻生は修正したが言葉でしかないことは見抜かれていた。

小選挙区比例代表制は、小選挙区落選の受け皿になって、小選挙区でせっかく落選してもらった国民の声を裏切ることになる。何とも理解できないこの矛盾を解決しなければならない。

それにしても、民主党の当選者308名のうち、初当選が実に143名もいるのが気にかかる。ほとんど半数に近い。この人たちが、官僚の巧みな言葉や文章を見抜くことができるであろうか。民主党の大きなエネルギー源でもあり、最大の弱点でもある。

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羅臼港

春誓い羅臼港