ドイツでは肉に付加価値税を通常商品並みにする案が超党派議員の提案されている。ドイツでは肉は食料に分類され、付加価値税(似てはいるが消費税ではない)が7%掛けられているが、これを一般的な商品の19%にするというものである。
一つは国民の健康のために、もう一つは環境問題のためである。
多くの人は、牛も豚も鶏も家畜は人の食べることのないようなものを与えられて、肉や卵や乳を生産していると思っている。先進国の近代化された大型化の農場ではそんな飼育はやっていない。大量生産は生産コストは高くつくものの、流通とブランド化と国の補助などで利潤を上げる。大量の穀物を給与され短期間に肥育の仕上げをされ、発病寸前に市場の出される。卵や牛乳を生産する鶏や乳牛の個体は短命に終わる。アメリカなどは日本やEUで禁止されている、抗生物質やホルモンなどを投与され、極めて不良な環境の中でストレスを受けて飼養管理されている。
近代の畜産業は、生産・輸送における大量の二酸化炭素・メタンガスの排出、放牧のための伐採による森林破壊、大量の水使用などにより、気候変動に大きな影響を与えている。大量の穀物を給与される使用形態は、大量の水を消費し遺伝子組み換え作物が栽培される。
肉の消費は人々の健康にも悪栄養を与えている。上の表は水に特化した考え方から肉声さんに用する水の量を示したものである。
ドイツの人々の食文化の中で、肉は大きな役割を果たしてきた。それでも、気候変動への危機意識やアニマルウエルフェア(動物福祉)の観点から、食料としての肉の税率の見直しには政党を越えて支持が集まっている。
増税によって得られる税収を国内の動物福祉をサポートすることに使うことを提案している。
同様の議論はデンマークやスウェーデンの議会でもなされている。ドイツの肉の税率引き上げは実現するか、その効果などを周辺国の動きも含めて注目したい。