そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ドイツが肉に増税を検討しているが日本も検討に値する

2019-09-12 | 環境保護と循環

ドイツでは肉に付加価値税を通常商品並みにする案が超党派議員の提案されている。ドイツでは肉は食料に分類され、付加価値税(似てはいるが消費税ではない)が7%掛けられているが、これを一般的な商品の19%にするというものである。
一つは国民の健康のために、もう一つは環境問題のためである。

多くの人は、牛も豚も鶏も家畜は人の食べることのないようなものを与えられて、肉や卵や乳を生産していると思っている。先進国の近代化された大型化の農場ではそんな飼育はやっていない。大量生産は生産コストは高くつくものの、流通とブランド化と国の補助などで利潤を上げる。大量の穀物を給与され短期間に肥育の仕上げをされ、発病寸前に市場の出される。卵や牛乳を生産する鶏や乳牛の個体は短命に終わる。アメリカなどは日本やEUで禁止されている、抗生物質やホルモンなどを投与され、極めて不良な環境の中でストレスを受けて飼養管理されている。
近代の畜産業は、生産・輸送における大量の二酸化炭素・メタンガスの排出、放牧のための伐採による森林破壊、大量の水使用などにより、気候変動に大きな影響を与えている。大量の穀物を給与される使用形態は、大量の水を消費し遺伝子組み換え作物が栽培される。
肉の消費は人々の健康にも悪栄養を与えている。上の表は水に特化した考え方から肉声さんに用する水の量を示したものである。

ドイツの人々の食文化の中で、肉は大きな役割を果たしてきた。それでも、気候変動への危機意識やアニマルウエルフェア(動物福祉)の観点から、食料としての肉の税率の見直しには政党を越えて支持が集まっている。
増税によって得られる税収を国内の動物福祉をサポートすることに使うことを提案している。
同様の議論はデンマークやスウェーデンの議会でもなされている。ドイツの肉の税率引き上げは実現するか、その効果などを周辺国の動きも含めて注目したい。



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9.11同時多発事件から18年経ったが、なお複雑混迷化する世界へ

2019-09-11 | テロ

アメリカで9.11同時多発事故が起きて、早やいもので18年になる。21世紀が始まった年の歴史的事件である。これ以降痛切に思うのは、これからの時代は国家間の戦争は消えてしまうか、宣戦布告などない戦いがあるのかと思われ、新世紀への明るい未来の扉が閉ざされた感があった。
21世紀は科学の進歩によって平和な世界が訪れる、戦争の20世紀は終了したと思っていたが、9.11はそれを真っ向から切り崩したのである。ブッシュはこれを暴力的に解決を試みたが、絶望的な殺戮と憎悪を生んで今日至っている。
前例のない3.11同時多発テロは、18年経って腑に落ちないことばかりが残る。まずはあのアメリカを象徴する2棟の巨大なワールドトレイドセンターの見事は崩落である。ジェット燃料だけであれほど見事に内部に向かって崩壊するのだろうか。建築の専門家は全支柱の同時崩壊など準備しなければ起こりえないという。そういえばビルの爆破処理と同じ崩壊をしている。
テロリストからみればこの9.11テロは大成功である。テロの目的を大々的に宣伝してアメリカを非難する、そうした実行声明が全くない。ビンラディンが本当に指示したのかはよくわかっていない。アルカイダも組織的なものではなく、跳ね上がりが実行するにしても相当綿密な計画を立て、資金も時間も掛けている。首謀犯は尋常な人物ではないと思われえる。少なくとも中東からの支持ではできるはずなどない。
ビンラディンはアメリカ政府に起訴されたわけではないが、アメリカ特殊部隊に殺害されている。パキスタン政府に何の断りもなく殺害した行為は、テロそのものである。オバマをはじめとするアメリカは誇らしげに殺害を喜んでいる。イスラムが最も嫌う水葬している。
同時テロは4つ計画されたが、なぜ最も込み入っているワールドトレイドセンターだけが、しかも2本とも成功し見事に崩壊したかがよくわからない。

ブッシュは報復にうって出たが、なぜテロ実行者19人の誰の国でもない、アフガニスタンとイラクに攻め入ったかつじつまが合わない。ビンラディンがいるのではないかという理由が、かろうじてアフガニスタンにはあったとしても、イラクに攻め入ってフセインを殺害する理由など微塵もないはずである。
そういえばトランプが就任早々テロ対策として、中東のイスラム諸国からの入国を禁止した。9.11テロの実行犯19名の出身国は外すという妙ちくりんな対応も裏に何かを感じる。最も多いのが15名のサウジアラビア出身であるが、中東ではイスラエルと共にアメリカと最も友好関係にある。
アルカイダに犯行声明がない以上当時多発事故の目的がよくわからない。何時までもくすぶり続けるアメリカ陰謀説も捨てがたい。
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極右翼活動評価に偏重する入閣人事

2019-09-10 | 安倍晋三

極右翼活動への論功行賞を内閣改造で行う。なぜ日本はこんな低俗な国家に堕したのか。年を追って、安倍が内閣改造をするたびに酷くなる。
萩生田光一などは公私にわた安倍晋三にぴったりくっついて、落選浪人中は加計孝太郎のお世話になっている。安倍の影武者のように蠢き活動して功績で、党の副幹事長になってからは、ワイルドな改憲をするとか言いたい放題である。当選回数の浅い議員で作った極右翼団体で安倍支援する、「文化芸術懇話会」に参画し、辺野古基地建設を巡って新聞廃刊せよなどと暴力的な言動を繰り返していた。
同じように落選中に、安倍晋三に衛藤晟一はお世話になっている。毀誉褒貶の激しい衛藤であるが、日本国軍の必要を唱える衛藤を安倍は支持しこまめに利用し使ってきている。
親の七光りで議員になれた加藤勝信や江藤拓などは、安倍の意向に沿う日本会議や神道議員連盟などの極右翼団体に加入して、重用されるのを待つだけの資質しかない。
その他にも下村博文や高市早苗など安倍のお友達をずらりと並べ、当選を重ね入閣待機組をの70代を数人拾って、人寄せパンダの小泉純一郎の息子をも入閣させている。
国家の中枢にいてそれぞれのお役所を統括しなければならない人物を、資質や専門性や人格などではなく、安倍にいかに従順であるか思想が近いかで大臣は任命される。
そして何年もの間政権を担ってきた、安倍・麻生・菅は主要ポストに居座ったままである。何度も失言を繰り返し謝罪はしない、周辺が辞任してゆく、悠然と構える麻生、記者会見で事前に質問者を限定し、在りもしないことをことさら強調したり、「問題ない」を繰り替える菅、森友加計学園問題も無数の嘘でその場を乗り切り、外交は悉く失政を重ねてきた安倍晋三。
彼らこそが責任を取らなければならない立場にある。経済政策の失敗、年金を含む社会保障の削減、それに代わる国防費の際限ない拡大、金をばら撒いたに過ぎない外交は何一つ成功していない。原子力政策は輸出の失敗も国内稼働も何一つとして軌道に乗っていない。天文学的金額にまで高まる東京オリンピック。この三人がしでかした失政である。
いよいよ安倍晋三は、8年前に地方の党員から圧倒的に支持された石破茂派からの登用を今回初めて切った。
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国際人権条約を無視したままの日本

2019-09-10 | 朝鮮半島

韓国はれっきとした三権分立国家である。かつて日本も三権は分立してはいたが、現在は安倍晋三が政権についてからは、司法は行政に従属はしている。司法の独立は日本では危うくなっている。
昨年10月に韓国の大法院は徴用工に、戦犯企業への賠償を命じたのである。日本政府は1965年の日韓請求権協定で解消していることだと、文政権に異議を呈した。文在寅はこれを、行政は司法に介入できないと突っぱねた。ここはどう見ても韓国側に一理ある。
韓国の大法院が何に基づいた判断であるかである。基づいたものは示されてはいないが、1967年に発効した国際人権規約(日本加盟:1978年。韓国加盟:1990年)は、国家による人権侵害に対して「効果的な救済措置を受けることを確保」することを定めている。同法に基ずく先住民への謝罪や賠償がこのところ行われている。三年前に台湾政府が先住民の謝罪したのは記憶に新しい。今年不十分ながら、日本政府もアイヌ人を先住民と認めたいる。謝罪はないが。
同じく植民地時代の責任を認め、2008年にイタリア政府はリビアに謝罪している。ドイツも戦時中の強制労働に対する謝罪のための基金を2000年に設けている。つまり人権問題に関しては法律上の「不遡及原則」の適用は認められないということです。
日本は慰安婦も徴用工に対しても謝罪はしていない。請求権協定は政府間の問題であって、個人の請求権は消滅はいていない
韓国の大法院は戦犯企業に対して徴用工に未払い賃金の支払いを求めているのではない。謝罪に基づく保証を求めているのである。
日韓請求権協定は、日本式の公共事業を韓国に持ち込んで、日本企業が潤ったに過ぎない。朴正煕はかつての日本軍人の上司の言いなりになったともいえるが、韓国企業も国内への還元を協定に従って実施することもなかったことは問われるべきでもある。
日本の報道は、韓国嫌いの一辺倒である。韓国は国際法を守っていないというのは、日本が国際人権条約を無視していることと併記して論じるべきである。
それにしてもつくづく、日韓請求権協定は日本の侵略戦争を隠すツールでしかなかったことは極めて残念である。その事業推進委員会の委員長が岸信介とは恐れ入った。安倍晋三が譲らないわけだ。
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平和を嫌う人たち

2019-09-08 | 安倍晋三

戦争は国家最大の公共事業である。平和と戦争は対語であろうが、全く異次元のことである。戦争は大いなる経済振興であり、大儲けする企業や個人が必ず存在する。彼らにとって人を殺すための口実さえ見つかれば、戦争はこの上ないビジネスチャンスになる。倫理観を排除するために用意されているのが、愛国心であり国益である。そしてお金である。
相手国を悪者に仕立て上げ、いかに自国は正義を貫いているかを国民に訴えるのが戦争へと歩を進める政治家である。それを煽るのが官僚でありマスコミである。戦争への下準備は、お金を設けることになる企業が受け持つことになる。政治家や政党への献金で支えることになり、政権与党がこれに応える。お金は幅広く税金を国民に掛ければよい。邪魔な法律はなくすか解釈を変えればよい。
近隣国とは友好関係を保っていれば、武器を購入したり基地の建設が出来ない。兵器や戦闘機や戦艦は、「防衛整備品」と言い換えれば、人殺しの道具のように思えない。ミサイルが発射されれば、巨大な施設を作って備えなければならない。そんな金があればかの国へ援助もできようが、そんなことしていれば、戦争が出来なくなる。
まるで現在の安倍政権の推進する政策そのものである。

平和はそれ自体では誰も儲けることはない。センセーショナルなお題目もない。経済振興にもならない。激しい論議が始まれば金と政治力に勝る戦争推進派に負けてしまう。戦争には理屈がなければならないが、平和には理屈などない。
しかし平和こそが文化を育み芸術を生み人権を擁護する背景を作ってくれるのである。平和はいつも戦争に押されっぱなしである。
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安倍晋三は何も考えず二つ返事でトウモロコシの購入を引き受けた

2019-09-06 | トランプ

中国との貿易戦争の結果売れなくなった飼料用トウモロコシを、275万トン輸入することになった。トランプの失政を安倍晋三が引き受けて、日本に尻拭いさせようというのである。なんとま、日本はアメリカの隷属国家になった。
日本の畜産はアメリカのトウモロコシによて支えられている。日本の牛肉も牛乳も豚肉も鶏卵・鶏肉もとモロコシによって作られている。日本の畜産は、農業ではなく単なる畜産加工業でしかない。
不健全な多頭飼育も高生産も、輸入トウモロコシによって支えられている。家畜は発病限界まで高生産を強いられる。

飼料用トウモロコシは年間、約1100万トン輸入している。それをこともあろうか、275万トンも輸入してやると二つ返事で引き受ける安倍晋三は、日本農業形態を全く理解していない。飼料用トウモロコシ国内生産量は450万トンであるから、6割を超える量にもなる。
後付けの理由として、病害虫が発生していると菅官房長官に言わせている。農水省には病害虫の発生など確認されていない。ましてやその代替えに、遺伝子組み換えトウモロコシを驚愕するような量を二つ返事で安倍は引き受けた。
トランプは大喜びで、G7の最中に急遽記者会見をしたほどである。トランプは会見で、「中国が約束を守らないから、米国ではトウモロコシが余っている。その全てを日本が買ってくれ、農家はとても幸せだ」と、言ってのけた。
トランプが喜ぶのには理由がある。中国に売れなかった飼料用トウモロコシは、ウイスコン、ミシガン、オハオ、ペンシルバニア州が主産地である。喜ぶ農家は来年の大統領選挙でトランプの支持基盤となる。本当に喜んでいるのはトランプである。
輸入されたトウモロコシは余剰になるが、そのために多額の補助金が投入されることになり、国民の負担になる。
欠陥戦闘機F35を147機も輸入し、欠陥輸送機オスプレイを他国の倍の価格で輸入する。もう慣れっこになってしまった、日本の税金はアメリカトランプの選挙のために使われるのである。
まずは食料でということであろうが、次には戦闘の尻拭いををも日本に任せるからということになるだろう。
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北方領土はすでに解決済み案件となっている

2019-09-05 | ロシア

安倍晋三はプーチンとの首脳会談を27回を重ねて、何も日本は得るものもなく一方的な譲歩を重ねている。2年前の山口の会談では、マスコミを煽って今にでも北方領土が帰ってくるような大騒ぎであった。会談にプーチンは遅れてくるし安倍晋三が用意した風呂にも入らない。クリミヤ侵攻決断の時であったからであったことなど安倍は知る由もない。
今回プーチンは二国間で領土問題は語れないといいって来た。日本はアメリカのミサイル基地化すると、ミサイル迎撃基地イージスショア設置を念頭に発言した。
安倍晋三は、「あれは北朝鮮用で・・・」と言い出した。兵器にそんな区別などあるはずもない。馬鹿げた回答であるが、プーチンが領土問題に触れようとしない理由は十分である。しかも同じ日にプーチンは、歯舞島での新たな水産加工場の解説を祝う式典に、ライブでテレビ出演している。8月にはメドベージェフ首相が択捉の基地を訪問し、ロシア領土を強調している。
安倍はバカの一つ覚えのように、官僚作成のペパーを読み上げし、「平和条約の締結を我々でしましょう」というばかりである。ロシア側にとって、領土問題は解決済みになった。今更平和条約締結などどうでもいいことである。
日本からは3000万円もの援助を頂いている。プーチンが公衆の面前で唐突に安倍にカマかけた、「無条件で平和条約結ぼう」と言った言葉に、安倍は捕らわれたままである。
その一方で日本の主張する領土では、着々と実績を積み重ねていて、政権もこれを支持している。支持率が凋落傾向にあるプーチンが、対外的に弱腰し姿勢を見せるわけなどない。プーチンは安倍に付き合っているだけである。もっと援助の金を安倍が持ってくる可能性が残っている限り、プーチンは付き合うであろう。
どこからどう見ても、北方領土問題はすでに終決している。安倍晋三が放棄したのである。
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元外交官、浅井基文氏の近隣外交のあり方の指摘

2019-09-04 | 安倍晋三
以下は、8月31日に自身のブログに書かれた、日韓問題の根本に触れる浅井基文氏の主張である。安倍に忖度しなくても良い元外交官の正鵠を得た醜聞である。少々長いが部分を切るわけもいかず、そのまま掲載する。
国際人権条約によって個人の尊厳・基本的人権を国内法の狭い意識の中で、政治判断を繰り返す日本の誤りをしっかりと指摘している。

<安倍政権の責任>
 まず、今日の日韓関係の悪化を招いた責任は全的に安倍政権にあることについての私の理解をお話しします。  私は1966年から1988年まで外務省で勤務し、アジア局及び条約局にそれぞれ通算4年間、合計8年間在職し、「日韓間の過去の問題は1965年協定で決着済み」とする日本政府の主張の一部始終を理解しています。その理解に基づく結論を申し上げると、日本政府の主張は1965年当時国際的に広く共有され、通用していた、しかしその後、国連憲章(人権関連条項)、世界人権宣言(正確に言えば法的効力はない)、国際人権規約をはじめとする国際人道法が国際的に承認されるに至って、日本政府の主張はもはや法的正当性を主張できなくなった、ということであります。
 すなわち、1960年代までの状況と21世紀の今日の状況を法的に根本的に分かつものは、第二次大戦後に普遍的価値として確立した個人の尊厳・基本的人権が、国際法上の法的権利としても確立したことです。特に、1967年に発効した国際人権規約(日本加盟:1978年。韓国加盟:1990年)は、国家による人権侵害に対して「効果的な救済措置を受けることを確保」することを定めました。よく知られているのは、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド及びアメリカが先住民族に対して行った謝罪、補償です。またアメリカは、第二次大戦中の日系アメリカ人に対する隔離政策に対して謝罪し、補償しています。
 植民地支配の責任を認め、補償を行ったケースとしては、2008年8月31日にイタリア(ベルルスコーニ首相)とリビア(カダフィ最高指導者)との間で締結された友好協力条約、いわゆる「ベンガジ条約」が重要です。イタリアはこの条約で、過去の植民地支配について謝罪するとともに、補償としてリビアのインフラ整備に50億ドルを投資することを約束しました。カダフィ政権が崩壊したために条約は中断されましたが、2008年7月8日に、国連が支援するリビア暫定政府のシアラ外相とイタリアのミラネシ外相との間で条約を復活することが合意されました。
 また、徴用工、すなわち強制労働の問題に関しては、ドイツが2000年7月に発足させた「記憶・責任・未来」基金の事例があります。8月12日付のハンギョレ・日本語ウェブ・サイトは韓国大統領府がこの事例について研究していると報道しました。「記憶・責任・未来」基金については、『日本大百科全書』(ニッポニカ)に要領を得た解説があります。
 安倍政権は徴用工、「従軍慰安婦」などの「請求権問題は日韓請求権協定ですべて解決済み」という主張にしがみついています。しかし、以上の国際的事例が明らかにしているのは、人権問題に関しては法律上の「不遡及原則」の適用は認められないということです。
 さらに重要な事実は、日本政府も日韓請求権協定にかかわる国会答弁において、個人の請求権は協定によって消滅することはないと認めていることです。しかも外務省は、日ソ共同宣言に関する国会答弁において、日本国民(シベリア抑留元日本兵)がソ連の国内法に従って請求権を行使することはできるとも明確に表明したことがあります。
 したがって、徴用工問題に即していえば、元徴用工(及びその遺族)は、日本の国内法に従って請求権を行使することができます。しかし、日本の最高裁判所が日本政府の主張を事実上追認する立場(「慰安婦」問題)に鑑みれば、これらの人々が韓国の国内法に基づいて韓国国内で、往時の日本政府の国策に協力して彼らに「強制労働」を強いた日本企業を相手取って賠償・補償を請求する裁判を起こすことももちろん当然かつ正当な権利行使というべきですし、被告である三菱重工業は韓国大法院の判決に従う法的な義務があるというべきです。
 安倍政権の重大な誤りは、世界的に過去の戦争責任及び植民地支配にかかわる重大な人権侵害に関する法的責任を認める大きな流れが確立しているのに、これに逆らい、法的権利として確立した個人の尊厳・基本的人権を認めない点にあります。安倍政権がかたくなな姿勢に固執するのは、日本の戦争・植民地支配の責任を認めた場合に天文学的数字の賠償・補償に応じなければならなくなることに対する抵抗があります。しかし、もっと重大で根本的な問題は、安倍首相を筆頭とする日本の右翼支配層(中心は「日本会議」)が日本の戦争責任・植民地支配責任を否定する歴史認識(聖戦論)に固執していることです。彼らの歴史認識にかかれば、神聖不可侵の天皇に直属する皇軍が従軍慰安婦調達、強制連行などに手を染めることはあり得ず、朝鮮半島の人々は自発的に慰安婦となり、日本内地で契約労働に従事した、とされてしまうのです。
 問題の本質は正にここにあります。だからこそ、この問題に関して「足して二で割る」式の妥協的解決は許されないゆえんがあります。私たちは、韓国に100%の理があり、日本に100%の非があること、日韓関係悪化の責任は100%安倍政権にあることを内外に明らかにしなければならないと思います。そして、今日の事態を作り出した「1965年日韓体制」を根本的に清算して、個人の尊厳・基本的人権の尊重を基調とする21世紀にふさわしい日韓関係の構築が求められていることを日韓両国民の共通認識に据える努力を行っていく必要があると確信します。
<日本の主体的条件の欠如>
 次に、「1965年日韓体制」を根本的に改めるために不可欠な日本側の主体的・国民的条件が欠けている問題についてお話しします。
 キム教授は、「「独立運動はできなかったが、不買運動はする」という韓国国民の正当な怒りが希望だ」と、日韓関係改善のための韓国側の主体的・国民的条件が存在することを指摘する一方、「韓日協定を絶対的準拠のように掲げ、韓国政府を批判し、日本政府を擁護する人々は、正しい歴史意識も、常識的な法感情も欠如した人々だ」と指摘して、日本側の主体的・国民的条件に重大な問題が伏在していることを示唆しています。私は、日本側の主体的・国民的条件の欠如の原因を考え、日本国民が日韓関係を改善する主体的担い手になるために何が必要かについて考えたいと思います。
 日本の内閣府は1978年以来、日本国民の韓国に対する親近感に関する世論調査を実施しています。全斗煥、盧泰愚、金泳三政権時代は「親しみを感じない」国民が概して多く、金大中、盧武鉉政権時代は概して「親しみを感じる」国民が多数派でした。李明博政権時代も「親しみを感じる」国民が多数派だったのですが、政権末期に浮上した歴史認識及び領土問題による日韓関係の急激な悪化を背景に逆転し、その状況が現在まで続いています。
 アメリカ、中国、ロシアなどに関しても同様の世論調査が行われています。これらを通じて言えることは、日本国民の相手国に対する感情は日本政府の当該相手国に対する政策によって大きく影響されるという傾向があることです。韓国に関しては、特に李明博政権末期から現在までにおいて、この傾向が当てはまります。
 日本国民の相手国に対する意識が政府の政策によって強く影響される原因として三つの要因の働きがあります。一つは、日本政治思想史の丸山眞男の指摘を借りるならば、政治意識としての「権力の偏重」(「お上」「上下」意識)、歴史意識としての「既成事実への屈服」(日本人特有の「現実」意識)、そして倫理意識としての「集団的帰属感」(俗に言う「長いものに巻かれろ」「赤信号みんなで渡れば怖くない」)が日本人一人ひとりの思想と行動を強く縛っているという問題です。以上の三つの意識に加え、私自身の言葉で恐縮ですが、国際認識における「天動説的国際観」という対外意識(日本的「中華意識」)についても考える必要があります。
韓国では、「光州事件」、「ろうそく革命」などの政治的実践を積み上げ、国民が「政治の変革の主体」として行動する主権者としての自覚・意識を我がものにしていると、私は理解しています。日本でも「安保闘争」などはありましたがいずれも夭折してしまいました。この夭折の原因については様々な説がありますが、私は以上の四つの意識が日本人の「個」の意識の成長を阻害し、「政治の変革の主体」として行動する主権者としての自覚・意識を育むことを妨げてきたと考えています。
 国民の相手国特にアジア諸国に対する意識が政府の政策によって強く影響を受ける二つ目の原因は、1950年代以後、政府・自民党が一貫して推進してきた、戦争責任そのものを否定する歴史認識に基づく「歴史教科書の書き換え」です。 私自身の体験を紹介します。1990年に外務省を辞めて大学教員となり、大学で「日本政治」の講義を担当した際、学生から講義の感想・疑問などのメモを回収して愕然としました。彼らのアジアに関する歴史認識が政府・自民党の思惑どおりに染め上げられていることを思い知らされたのです。当時の彼らは今や40歳代後半です。つまり、40歳代後半以下の年齢の日本国民の大多数は正しい歴史認識を今や備えていないのです。安倍政権が歴史問題に関して韓国(朝鮮、中国)と対立するとき、誤った歴史認識を教え込まれた彼らは安倍政権の行動を進んで支持してしまうのです。
 国民の相手国に対する意識が政府の政策によって強く影響を受ける三つ目の原因は日本のマス・メディアです。日本国民が自らの力でデモクラシーを獲得した歴史を持たないのと同じく、日本のマス・メディアも権力との闘いを通じて報道の自由を勝ち取った歴史を持ちません。私自身外務省勤務中に目撃したのですが、1970年代から権力との癒着、権力に対する迎合が進行し、次第に顕著となって今日に至っています。もともと主体性がない国民ですから、「大本営(安倍政権)発の情報」を垂れ流すマス・メディアにはほとんど無抵抗です。
 以上の三つの原因を踏まえると、「1965年日韓体制を清算し、21世紀にふさわしい日韓体制を構築する」という課題を実現すること、特に日本国内でこの課題を担う主体的・国民的条件を作り出すことの難しさが理解できると思います。
 ちなみに、以上の三つの原因は日朝関係にも当てはまります。というより、戦後のアジア冷戦構造のもとで一貫して「敵」として位置づけられてきた朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)に対する日本人の意識は、現在の日韓関係悪化のもとで安倍政権によってにわかに「敵扱い」されようとしている韓国に対する意識よりもはるかに根深いものがあります。日韓関係正常化のカギが「1965年日韓体制」の根本的改変にあるとすれば、日朝関係正常化のカギは「戦後アジア冷戦構造」の根本的改変にあると言わなければなりません。つまりそれは、日本国内でこの課題を担う主体的・国民的条件を作り出すだけでは足りず、アメリカのアジア政策を改めさせることなしには不可能だということでもあります。
 アメリカの問題に話を進める前に、日本国民が日韓関係(及び日朝関係)を改善する主体的担い手になるために何が必要かという問題について触れておきます。
 私の結論は、国民の認識を支配する四つの意識、すなわち政治意識、歴史意識、倫理意識そして対外意識を徹底的に清算する必要があり、それは日本全体の「開国」によってのみ可能になると考えています。日本人の意識の「開国」は、精神的な「開国」によって実現することが理想的ですが、物理的・強制的な「開国」の可能性も排除できません。
 精神的な「開国」とは、現在の日韓関係に即していえば、個人の尊厳・基本的人権を尊重する立場に立ち、100%の理を備える韓国の国民及び政府が、100%の非は個人の尊厳・基本的人権を踏みにじって恬として恥じない日本(安倍政権)にあることを徹底的に明らかにする粘り強い闘いが、私たち日本国民に巣くう根深い意識のあり方に関する問題意識を触発することによって可能となります。私が「足して二で割る」妥協的解決に韓国が簡単に応じないように期待するのはそのためです。
 その点では、8月12日に韓国元老知識人67人が発表した「韓日関係の平和的解決方法を求める声明」には賛成できません。なぜならば、この声明はキム教授が指摘した日韓関係の問題の原因が1965年協定にあることを踏まえておらず、金大中-小渕恵三共同宣言を出発点にしているからです。
 しかし、韓国の国民と政府がどんなに粘り強く闘ったとしても、日本国民が精神的な「開国」に至るかどうかについて、私は確信がありません。その場合に日本国民を待ち受けるのは物理的・強制的な「開国」しかありません。物理的・強制的「開国」とは1868年、1945年に匹敵する外圧に直面することです。この点で8月11日のワシントン・ポストに掲載されたブレジンスキー(Gregg A. Brazinsky)教授の文章は示唆的です。教授の韓国に関する分析部分には賛成できませんが、今回の日韓関係の悪化の原因は日本が過去の戦争・植民地支配で侵した恐るべき犯罪を承認しないこと、そして日本を占領・支配したアメリカがこの問題を重視しなかったことにあることを明快に指摘していること、そしてこの文章がアメリカの有力紙に掲載されたことは見逃せません。日本(安倍政権)が今後もかたくなな態度をとり続け、頼みとするアメリカからも見放されるとなれば、物理的・強制的な「開国」を強いられる可能性が現実となるかもしれません。日本人である私としてはそのような事態を見届けたくはありませんが。
<アメリカのアジア政策からの決別>
 ということで第三の問題、すなわち、アメリカのアジア政策がいわば「諸悪の根源」であり、これを改めさせるために、韓国、朝鮮、日本は何を為すべきかという問題について考えたいと思います。
 キム教授は、「これ以上米国に仲裁を乞うてはならない」と述べています。これは、日韓関係悪化に直面した文在寅政権が、対策の一環としてトランプ政権に働きかけを行ったことを念頭に置いたものと思われます。「それは、最良の場合でも冷戦的過去の秩序への回帰を生むだけ」とするキム教授の判断に、私は全面的に同感です。なぜならば、私たちは「冷戦秩序の崩壊を懸念するのではなく、脱冷戦の新たな北東アジアの秩序を模索しなければならない」(キム教授)からです。
 アジア冷戦構造・秩序の担い手であり、1965年日韓体制の陰の主役であるアメリカのアジア政策を改めさせるという課題を考える上では、まず、アメリカの伝統的対外政策にことごとく「楯を突く」トランプ政権の政策の本質を誤りなくとらえることが不可欠です。特に、トランプ政権はアジア冷戦構造・秩序を解体するという私たちの課題実現にとってプラス要因であるか、それともマイナス要因なのかという問題に答を出す必要があります。その上で、韓国、朝鮮、日本がそれぞれ、あるいは共同してアメリカのアジア政策を改めさせ、脱冷戦の新たな北東アジアの秩序を作り上げるために取り組むべき課題を考えます。
 政権就任後3年を経たトランプ政権の対外政策には、商売人的発想(損得勘定)に基づく「アメリカ第一主義」(①)、歴代政権が踏襲してきた政策に異を唱えなければ気が済まない小児病的偏執(②)、国際情勢認識不在の無原則なご都合主義(③)などの際だった特徴があります。パリ条約、INF条約、イラン核合意からの一方的脱退、軍事同盟戦略見直し、超強硬なレトリックを好むが軍事力行使には慎重、米中貿易交渉などには①、②、③すべてが絡んでいます。イスラエル・パレスチナ問題におけるイスラエルへの一方的肩入れは②と③、米ドルの国際金融支配を頼んだロシア、イラン、ヴェネズエラ等に対する制裁乱発は③の働きが大きいと言えます。
 トランプ政権の韓国及び日本に対する政策も①、②、③すべてが絡んでいます。このことをわきまえれば、伝統的な米韓協調体制のもとで南北関係改善を目指し、日韓関係の打開にアメリカの仲介を頼もうとした文在寅政権のアプローチも、日朝関係の膠着原因であるいわゆる「拉致問題」についてトランプ大統領の金正恩委員長に対する影響力行使に頼り、「接待外交」によってトランプ大統領が日本に対して手心を加えることを期待する安倍政権のアプローチも、すべて的外れであることが直ちに理解されます。
これに対して、トランプ政権(というよりトランプ大統領自身)の朝鮮に対する政策は②に大きく支配されているという突出した特徴があります。簡単に言えば、歴代政権が朝鮮の政権崩壊・交代を追求してきたから、トランプ大統領は金正恩政権の交代を追求せず、朝鮮の核・ミサイル放棄の見返りに最終的な米朝関係正常化(体制保証)に応じるということです。金正恩委員長はこの点を正確に判断したからこそ、文在寅大統領、安倍首相よりも的確な対米(というより対トランプ)アプローチを行っていると言えます。
 当面の問題は2020年のアメリカ大統領選挙です。トランプ大統領が再選されるか否かによってアメリカの政策が大きく影響される可能性があると広く言われています。しかし、トランプ政権のアジア政策は日本及び韓国との同盟を維持することに立脚している点では、歴代政権の政策と本質的に違うわけではありません。結論から言えば、「脱冷戦の新たな北東アジアの秩序を模索」する私たちとしては、2020年大統領選挙の結果に関係なく、アジア冷戦構造に組み込まれ、対米追随に甘んじてきたこれまでの米韓関係、米日関係そして韓日関係を見直し、アメリカに対してはパワー・ポリティックスに基づく冷戦的発想から決別することを明確に要求する方向に舵を切るべきです。
 2020年のアメリカ大統領選挙の結果如何は朝鮮にとっては重大な問題です。なぜならば、民主党が総じてトランプ大統領の朝鮮政策に対して批判的だからです。だからこそ金正恩委員長は、トランプ大統領在任中にできるだけ多くの既成事実を積み重ねておきたいところであり、米朝交渉に対するトランプ大統領の関心をつなぎ止めるために意を用いていると思われます。
 しかし、金正恩委員長がトランプ大統領と「心中」するつもりがないことは、4月12日の金正恩委員長の施政演説において明確にしています。中国の習近平主席(及びロシアのプーチン大統領)と会談を重ねた金正恩委員長は、朝鮮の独立確保と経済発展実現を含む朝鮮半島における平和と安定の実現のためには中国(及びロシア)の関与が不可欠であることを知悉しているはずです。
 アメリカからの自立を実現し、アメリカの冷戦政策見直しを要求する私たちもまた、国際的視野を広げることが求められています。特に、脱冷戦の新しい国際秩序を目指す私たちにとって重要なことは、習近平・中国の対外政策の根幹に座るのは、アメリカがしがみつくゼロ・サムのパワー・ポリティックス(アメリカ覇権体制)に代わるウィン・ウィンの脱パワー・ポリティックス(民主的国際秩序)であるという事実です。それは正にキム教授が提起した「脱冷戦の新たな北東アジアの秩序」の根幹に座る思想そのものです。
 日本では、1989年の天安門事件を契機として中国に対する国民の意識が悪化し、1982年の「歴史教科書検定問題」及び1992年の尖閣問題によってますますその傾向が強まっています。韓国人の中国に対する意識に関しては私はよく分かりません。ただし、THAADの韓国配備問題に関する朝鮮日報、中央日報及びハンギョレ三紙(日本語版ウェブ・サイト)の報道を読んでいたとき、韓国国内でも中国に対する批判的、消極的な見方が強いという印象を受けました。
 その一方、日本人のアメリカに対する見方は一貫して好意的です。トランプ政権が登場して若干下がりましたが、それでも好意的な見方が圧倒的です。韓国におけるアメリカに対する見方についてはよく分かりません。しかし、中国とアメリカとを比較すれば、日本と同じような傾向なのではないでしょうか。
 私が申し上げたいのは、韓国人も日本人も戦後冷戦構造の中で知らず識らずのうちにアメリカ、中国に対する固定的なイメージができあがってしまっており、そのイメージを事実に即して改めることは非常に難しいということです。しかし、この呪縛から自らを解放し、パワー・ポリティックスにしがみつくアメリカとの関係を批判的に総括するとともに、脱パワー・ポリティックスの新しい国際秩序を提唱する中国を直視し、その中国との協力の可能性を視野に入れる真新しいパラダイムを我がものにしない限り、私たちが「脱冷戦の新たな北東アジアの秩序」形成の主体的担い手になることは難しいと思います。私たちにとってある意味実に幸運なのは、世界第二位の超大国となった中国が私たちと同じ理念を共有し、実践しつつあることです。
 朝鮮も、私たちとは異なる発想に立っているにはせよ、中国との関係を重視する姿勢を鮮明にしています。それは客観的に韓国、朝鮮そして日本の外交の接点を増やし、それぞれの二国間関係に好循環をもたらし、ひいては北東アジアにおける新秩序形成につながる契機となる可能性を秘めています。そうした北東アジアにおける大きなうねりはアメリカに対して対外政策の見直しを迫るはずです。韓国と日本がアメリカのアジア政策から決別するカギは中国にある。それが私の最後に申し上げたいことです。

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背後に岸信介が暗躍した日韓請求権協定

2019-09-03 | 朝鮮半島

日本は戦後20年経って韓国と、日韓請求権協定(財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)もしくは日韓請求権並びに経済協力協定を締結した。安倍晋三はことある度に、この日韓請求権協定で戦後は終結しているとする根拠に挙げている。
一つは北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が加わっていないこと、もう一つはこの協定の本質は韓国を日本が経済援助するというものである。戦後処理の側面を持つが、およそ戦後賠償といわれるようなものではなかった。

この協定に従い日本は韓国に対し、無償協力3億米ドル、有償協力2億米ドル、民間産業借款3億米ドルの経済協力支援を行った。当時の韓国の国家予算は3.5億米ドル程度で日本の外貨準備額は18億米ドルであったことから、その金額は膨大であったといえる。韓国は、この日本からの経済協力金を原資として、国内のダムや高速道路を整備し、「漢江の奇跡」を成し遂げた。 ということになっている。
しかし実態は、日本で行われている公共事業そのものであった。受注業者が決められ、使用機材も決められているのである。
例えばソウルの地下鉄は、韓国では戦犯企業とされている三菱と丸紅が窓口になっている。8000万円以上は金利4%を負担させられている。国会質問で車両186台が収められているが、日本では一車両3500万円が6500万円で納入されている。
地下鉄の上乗せ料金は、時の韓国政府への賄賂として還元していたことも解っている。
この構図はw他紙の知る日本の農業支援と全く同じ構図である。農家を支援する名目で事業が行われても、事業形態も内容の業者も決められた枠の中でしか動かない。個別に購入する製品の金額のほぼ3割から5割も高い定価の中でしか事業は動かない。その結果。企業も農家も時の与党を支援することになる。現代の日本の公共事業と全く同じ構図が、日韓請求権協定で行われてたのである。
何よりも驚かされるのは、事業推進に当たっての判断は、日韓協力委員会が決定するというのである。日韓協力委員会の委員長が、A級戦犯で昭和の妖怪といわれた、安倍晋三の敬愛する祖父岸信介である。安倍晋三がこの協定を、金科玉条のように掲げ国連で演説する理由がここにある。
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日本の消費税の軽減税率は政治的取引の結果によるもので国民のことを考えたものではない

2019-09-02 | 消費増税

消費税があと一月で10%になる。自民党は、生活必需品の一部を2%上げないことで、公明党の懐柔策とした。ほとんど意味がない。生活必需品などに限るなら、5%以下にしなければ効果的でなく、たった2%低くして8%も掛けるなら意味などない。
日本の消費税は、ヨーロッパなど世界各地で行われている付加価値税とは似て非なるものである。ましてや生活必需品の、食料や医療や教育などを一律にかけておきながら、ただ据え置くだけという愚策では現場が混乱するだけである。同じ商品を消費者の対応で変えなければならない。おまけにキャッシュレスにすると優遇されたり、激変緩和策がいくつもあって複雑を極める。
公明党が自民党のコバンザメでいてくれることが保障されるなら、この程度の混乱はお安いことであるかもしれないが、現場は大変である。

日本の消費増税は、与党の極めて政治的な目的のために使われてきたことがはっきりしてきた。この10年で消費税は13.1%も増えたが、法人税と所得税はそれぞれ6.1%減らしている。消費増税は企業と高収入者への減税の穴埋めにあてがわれた。格差社会への道を開いたともいえる。
おまけに社会福祉に使われるなど全くのでたらめで、現実として防衛予算にあてがわれ、財政規律の緩和などどこ吹く風である。国家の謝金は増える一方である。
日本の消費税率はまだ安いと与党は言い続けるが、付加価値税の目的がものによって変えるという課税の意味を、日本の消費税は全く理解していない。山本太郎が掲げる消費税ゼロはそうした矛盾を突いたものであったから、多くの支持を得られたのであろう。
今回の消費増税は日本経済に決定的な打撃を与えることになる。このことは誰もが指摘していることである。
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制裁を続けたところで日韓に明るい未来など生まれるわけなどない

2019-09-01 | 国際・政治
悪化する日韓関係について、関係修復を求める集会が昨日(31日)東京で開かれた。
7月に研究者や弁護士らが「韓国は『敵』なのか」と題する声明を発表したが、日本の韓国向け輸出規制の撤回を求め「両国関係がこじれるだけで、日本が得るものはまったくない。解決には冷静で合理的な対話以外にない」と訴えていた。
集会では、岡本厚岩波書店社長が「日韓関係は報復の泥沼に入り、収拾がつかなくなっている。圧力で相手が屈するとの考え方には、相手への想像力が著しく欠けている」と指摘した。
これは両国にいえることで、これでは接点も何もない。相手国が不条理だと言い続けるのは、根拠があるかに他ならない。
とりわけ日本と朝鮮半島とは、2000年を超す深い歴史的関係にあり、文化的にはのみならず、民族的に最も近い関係にある。とりわけ地理的な関係は動かすこともできない。対立したところで両国にメリットなどない。
呼びつけた外交官に「無礼だ」とまるで上下関係にあるように切り捨て、相手国の言い分を認めないのは、およそ外交姿勢としてはあってならないことといえる。
南北朝鮮は、政治的に不安定なのである。北は強権の独裁国家であり、国民の人権など存在しないばかりか、食料と情報を取り上げてしまっている。南は常時不安定な政治体制の中で、権力者は退くと一族郎党の悪行によって法廷へ引き出される。

太平洋戦争で日本は、公式には320万人の国民が亡くなられた。その終戦から5年も経たずに、東西冷戦の戦いの場になった。韓国民は383万人が死亡し、米中の兵士が15万人づつ亡くなっている。たった3年ほどで、400万人があの狭い国土で亡くなっている。
やっと日本御植民地政策から解放された直後の戦争である。この戦争はまだ集結していない。この戦争の責任は朝鮮人にはない。東西の大国にある。メリカと中国それにソ連に責任があるが、日本にも責任はある。
その後の政治体制が、分断国家という極めて大きな政治的要素を背景に、常時戦時体制の中で培われて今日がある。河野太郎のように、見下して怒鳴るのは痛快ではあろうが、国家を代表して他国と話し合う姿勢などではない。
こうした歴史的背景を全く考慮しないばかりか、戦前の日本統治正当性をいまだに主張し、皇国史観を披瀝展開する安倍晋三一派に韓国も北緒戦も馴染まないのは当然である。
韓国が制裁によって日本の主張を理解し従うようになることなどありえない。むしろより一層対立の溝が深まるばかりである。メディアには、韓国嫌いの評論家や元官僚が韓国の落ち度ばかりを並び立てる。韓国は落としどころを間違ったし、外交姿勢に問題はあろうが、だからといって制裁を続けることん、両国の軽い未来などないのである。
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羅臼港

春誓い羅臼港