私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

悩む力

2008-11-04 19:51:14 | たまに読んだ本
悩むには時間がかかる。
(私にとっては、悩みイコール考えることなので、この後は悩みを考えると置き換えての文章)

巧遅より拙速といわれる今、時間のかかることは悪と単純に考えられることが多いと思う。
「あの人に頼むと悩んで(考えて)ばかりで先に進まない。」
「悩む(考える)のは後でいいからとりあえずアクションを起こしてください。」
こんな言葉から連想するのは、すべてマイナスな事ばかりだ。
企業では、何か事を起こした人の方が評価されるチャンスが沢山あると思う。
悩む(考える)という行為に罪悪感さえ覚えることが多い会社員の人も沢山いるに違いない。
私も一日のうち大半の時間を会社で過ごしているから、どうしても悩むことに関して罪悪感をどこかで感じてしまっていると思う。
悩みがないフリをしたり、考えたくても考えずに即決即断していることが沢山ある。
学生や社会人なりたての人向けの本なのかもしれないが、悩む(考える)ことに対する罪悪感を消し去るにはとても手助けになる本だと思う。

***
この本を読みながら、リストラされた時のことを思い出す。
十数年間続けて来た仕事なのに「お金を産まないスタッフ部門の仕事を正社員にさせていると銀行から思われるのは困るから、パートさんを頼むことになりました。次に行くところを探す方が大事でしょうから、引継ぎはせずにすぐに次のところを探してくださっていいですよ。」といわれた日。経歴に傷がついては困るだろうから、自己都合でね。と言われた事より、自分がしていたことが大したことでないとは分かっていても、「まぁパートさんを雇うから、心配しなくていいですよ。引継ぎはしないで。」と面と向かって言われるのはとても辛いことだった。
あの時は時間もあったから、このことでとても悩んだと思う。悩んだことが恥ずかしく、人にも余り話さず、思い出さないようにしてきたが、今思うと悩んでよかったと思う。
あの時、とても悩んだから、今はどんな辛いことがあっても、あの時と比べれば屁の河童!と思える図々しさも身に付いたし。


悩む力 (集英社新書 444C)
姜尚中
集英社

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