きつねのはなし

20数年前の夏の暑い時期に京都に一泊旅行した時のことを思い出した。

大文字焼きが行われるというその日の昼間はとても暑く、伏見稲荷には誰1人いなかった。
暑い中、赤い鳥居がずっと続く先を見つめていると、吸い込まれそうなちょっとだけ嫌な気分になったことを覚えている。

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闇は街角にも、屋敷の片隅にも、心の中にもあるという、はっきりした結末もなく、なんとなく薄ら寒い話の数々。
同僚から勧められて読んだのだが、なんとも不思議な話だった。

勧めてくれた同僚は「横溝正史の雰囲気（映像）を現代の京都に置き換えた話を書きたかったのではないか？」という感想を持った様子。
確かにあの雰囲気を更にファンタジーっぽくしたものは全体に感じられたと思う。

きつねのはなし (新潮文庫) 森見 登美彦 新潮社 このアイテムの詳細を見る