私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

ハーモニー 心をつなぐ歌

2011-02-06 19:29:12 | 映画鑑賞
韓国の女子刑務所にある女声合唱団がモデルになっているのだという。
刑務所内で出産したことで子どもを18ヶ月だけ刑務所内で育てることが出来る女性。
その女性と同室の女性達。

一緒の部屋で刑期を過ごす女性達だが、看守が彼女達を番号で呼ぶ時にここは刑務所だとやっと思い出す位、子どもがいるだけでなく彼女達の生活はまるで普通の共同生活と思えるほど明るいし、自由だ。
若い看守は子どもを育てる女性を「お姉さん!!」とまで呼び、刑期を過ごす彼女達を人生の先輩として尊敬している様子さえみせる。

勿論それは映画ならではの演出が多分にあるのだろうが、ドキュメンタリーではないのだ。そうやって見せる演出で彼女達の境遇が心にすっと入ってくるように作られているのは、やっぱり映画ならではのものだろう。
何故彼女達がここに入るようになったのか?というエピソードも彼女達の目線で作られているが、それも彼女達に感情移入しやすくするためのもの。

先生と呼ばれる女性を演じるのはナ・ムニ。
他の受刑者の回想シーンは皆自分達が演じているのに、先生と呼ばれる60代の女性の回想シーンだけは違う。時代も一昔前のものだと分る。
その部屋では彼女だけ着ているものが違う。
死刑囚でもう何年も服役していることが分るのだ。

彼女が一瞬の激情から罪を犯し、その罪のために家族からも見捨てられている事実。
しかし年長の彼女の物腰は刑務所の中とは思えないほど穏やかだし、優しいものであるのもまた事実。そのあまりの違いにはっとさせられる。
主人公は、キム・ユンジンが演じる合唱団を作るきっかけを作った子どもを育てる女性だが、合唱団の指導をするその60代の女性の穏やかな笑みに、涙を流さずにはいられない。

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キム・ユンジンは、東京国際映画祭の燃ゆる月の上映の際の舞台挨拶で見たことあり。
ワールドプレミアだという作品を彼女も舞台挨拶の後で客席で見ていた。
そばの席だったので、暗くなってからそっと座席についた彼女の姿が見えたのだ。


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