最近ベラルーシの大統領選挙をめぐってマスコミ報道があります。その中でロシアとの関係が注目されています。わたくしは2012年ベラルーシを旅しました。その時わたくしはロシアとの関係について興味を持ち2012年6月19日にその件に関してこのブログに書きました。それを今回再録します。マスコミでもあまり報道されていないことなので参考になるかと思います。
今回の訪問国は1991年のソ連邦崩壊後に独立した国々ですが、同じように独立したバルト3国とは違って親ロシア的です。その中でも一番親ロシア的とされるベラルーシから。
ベラルーシの首都ミンクスのガイドはベロニカさんでした(写真)。あなたは家庭では何語で話しますかと尋ねました。もちろんロシア語で、98%の人がロシア語を話すという返答でした。この場合98%の人がロシア語を解するという意味か、98%の人の日常言語がロシア語であるという意味なのかはわかりませんでしたが、彼女のニュアンスでは後者の意味のようでした。
服部倫卓氏は「不思議の国ベラルーシ ナショナリズムから遠く離れて」で次のように書かれています。
「ベラルーシでは、ロシア語かベラルーシ語かという二者択一の枠に収まりきれない面がある。その最たる例は、『トラシャンカ』と呼ばれるロシア語とベラルーシ語のチャンポン言葉が蔓延していることである。つまり、ロシア語を話そうとしているのにベラルーシ語の単語や発音が混じってしまったり、ロシア語の影響を強く受けたベラルーシ語をしゃべったと言ったことが起きる」(p137)。
また2009年の国勢調査によれば母語をベラルーシ語と答えた人が53%、ロシア語と答えた人が41%です。ちなみに、民族構成ではベラルーシ人が84%、ロシア人が8%となっています。(「ウクライナ・ベラルーシ・モルドバ経済図説」p19)何がなんだかよくわかりませんね。
次に質問したのは「ロシアとの統合を望みますか」でした。その質問はあまり意味がなく現実はすでに統合されていると同じであり私の夫もロシア人ですと言うのが彼女の答えでした。(この場合のロシア人はベラルーシ国籍を持つロシア人か、ロシア国籍のロシア人かはよくわからない。多分彼女にとってそんなことはあまり意味のないことかも)
服部氏は「ベラルーシ民族・国民としての独自のアイデンティティが充分に確立されていないことをうかがわせるデータは枚挙にいとまがない」(p165)と述べられています。
それを制度的にうかがわせるような文書を発見?しました。次ページへ。
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