音楽の都ウィーンですから、一度は音楽鑑賞に行きたいと思っていました。
ダンナサマは大のクラシックファン。前回はオペラ座で「トスカ」を見たのでした。今回はできれば楽友協会ホールで何かを。
調べてみたら、こんなものがありました。
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演目
楽友協会ホールだけれど演奏するのはウィーンフィルでなくてウィーン放送交響楽団(ラジオシンフォニーオーケストラ)。指揮はドミトリー・キタエンコ(当初は35歳の若手指揮者キリル・ペトレンコの予定が交替に)。そしてチェリストのミーシャ・マイスキーも。
演目は「ちょっとFujikaには難しいかも」とダンナサマに言われた現代音楽の古典(?)だとか。
うーむ。
私は音楽全般に疎くて、かろうじて好きなのがバッハなどのバロック音楽。しかも楽器が少ないほど好きで(一番好きなのはチェンバロ)、沢山の音があるオーケストラはちょっと苦手。オーケストラで現代音楽となると、確かに私には理解不能かも~。
でもいいや、とりあえずホールの雰囲気を3次元で楽しめますからね。
到着した翌日、勇んで切符を買いに。
ここで私が大チョンボ(今回の旅行は本当に失敗が多かった)。
ホ○○君もウィーンに滞在していたので、彼もきっとコンサートに行くだろうとつい3枚切符を買ってしまったのでした。けれど確認したらその日はどこか別の町に移動してしまうとか。そして切符は払い戻しできない・・・・。
ダンナサマの知り合いみんなに声をかけてもらったのだけれど、誰一人、タダであげる、といってももらってくれる人もいません。自分のミスだけれどイライラしてきます。
そこではっと思い出したのが宿のオーナー。オーナーの奥さんは音楽家だし音楽学校の教授だから、音楽好きで時間のある知り合いが一人位ならいるかもしれません。結局オーナーに1枚もらってもらいました。
さてさて演奏会当日。
あまりに歩きすぎて、全身、特に足腰が痛みます。おしゃれ服とおしゃれ靴に宿で着替えたものの、あまりの痛さに3歩歩まず。
結局上はおしゃれ服だけど靴はショートブーツ(お買い物用)、という組み合わせで出かけて行き、現地で履き替えました。
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2007/4/19 楽友協会ホール外観
コートを着ている場合、クロークで預ける必要があります(有料)。おそらく座席が狭いので、ふかふかしたコートがあると着席のじゃまになるからではないかしら。
ドレスの女性は、どうしても上に何か着ることになりますから、小銭を用意しておくといいかも。
いざ有名なホールへ!
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ホール内部
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天井
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パイプオルガン
あちこちが、というかどこもかしこも金色に輝く華麗で優美なホールです。そして驚いたのが大きさ。というか小ささ。ウィーンフィルの本拠地だし、世界に名の知れた楽友協会大ホールだというのにとてもこぢんまりしています。そういえばオペラ座の時も意外と小さいな、と思ったのでした。
私が行ったことのあった日本のホールは、厚生年金大ホールなどいわば現代建築ばかり。そういうところは観客収容数が桁違いなのですね。こちらのホールは中学校の体育館に椅子を並べたような小ささです。
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舞台が広げられています
ステージも小さめで、今回などは座席を一部取り外し、台を追加してステージを広くしてありました。RSOは大所帯なのかな。
我々の席はParterre, Reihe32, Platz5,6という番号で、1階正面席(平なところにある席)最後部真ん中付近。別の観点からみると、立ち見席のすぐ前。後ろは結構にぎやかでした(演奏中、ごとーん、と音がして、恐らく誰か倒れてしまったよう)。
前には柱が1本あって、ちょっと視界の邪魔に。
選べるのであれば31列あたりがベストポジションではないかしら。
プレゼントした隣の席に誰か来るだろうか(もしかしたら来ないかも)とわくわくしていたら、なんと若くてハンサムなお兄さんがやってきました!
休憩時間などにちょっとお話したところ、彼はピアニストのよう。時によっては一日中ピアノを弾いているし、ベッドサイドには楽譜がおいてあるとか。いつも考えるのは音楽のことばかりで、夢の中でもピアノを弾くのだそうです。
すごい!ほんもののピアニストとお話できるなんて。
どんな手なのか気になって仕方ありませんでした。でも、意外と普通の、小さめの手。手の大きさは彼よりもダンナサマや私の方が大きいくらいです。
住まいの隣人とうまくいかないこともあるとか。
練習の音が気になるのかしら?と聞いたら、どうも音楽家のライフスタイル自体気にくわないようだとか。意外ですね。音楽の都なだけに、市民はみな音楽家のファンなのかと思っていました。私は自分が全くの音痴なだけに、楽器が演奏できる人は無条件で尊敬してしまいます。
この若きピアニストは、ダニエル・シューベルトさんというお名前。作曲家のシューベルトと同じ名字ですね。
一緒に写真を撮らせてもらいました。
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若きピアニスト Daniel Schubert氏と
ピアノの練習で忙しくて髪を切るひまもないのかな、とか思ったけれど実は大違い。写真を、と言ったら、「ちょっと待って!」と鏡を探して髪を整えているのです。スタイリッシュな方だったのでした。私なんて鏡をみたらなるべく眼をそらすようにしてしまうのに・・・・。
何十ユーロ損したかと思ったけれど、本物のピアニストとお話できてよかったです。
そのうち日本に演奏会に来たりしないかな~。
そうそう、この日の演奏会ですが、えーと、やはり私にはちょっと難しい音楽もありましたが、それでも美しい演奏を楽しめました。
ダンナサマによると、抑制の利いたよい演奏だったとか。ミーシャ・マイスキーのチェロも綺麗でした。休憩をはさんだ後半にはチェロが登場しなかったのが残念。
このあと再び靴を履き替えて歩いて宿に帰り、買ってあったワインとチーズとサラダで余韻を楽しみつつお夜食にしたのでした。
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