ユダヤ系の食べ物に、マッツォ(マッツァ。英語だとMatza もしくは matzah)というものがあります。
種無しパンと翻訳されることもあり、どんなものだろうなーと思っていました。
ようやく実物を見ることができました。
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それがこちら。 |
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とても薄べったいです。 |
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イタリアで売られているものなので、Pane Azzimoというイタリア語の名称になっています。 |
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原材料は、小麦粉と水、のみ。 |
ユダヤ文化圏では、過ぎ越しの祝いの際には発酵した小麦粉食品を摂ることは禁じられているため、マッツォをパンとしてそのまま食べたり、小麦粉の代用として素材として使ったりするようです。
過ぎ越しの祝い Passover(Wikipediaより):
イスラエル人は、エジプトに避難したヨセフの時代以降の長い期間の間に、奴隷として虐げられるようになっていた。
神は、当時80歳になっていたモーセを民の指導者に任命して約束の地へと向かわせようとするが、ファラオがこれを妨害しようとする。
そこで神は、エジプトに対して十の災いを臨ませる。その十番目の災いは、人間から家畜に至るまで、エジプトの「すべての初子を撃つ」というものであった。
神は、生け贄の仔羊の血で戸口に印をつけていない家には、その災いを臨ませることをモーセに伝える。
つまり、この名称は、戸口に印のあった家にはその災厄が臨まなかった(過ぎ越された)ことに由来する。
過越祭パスオーバーは春のお祭りで、年によって移動するが、3月末から4月はじめの7日間。
何故発酵させたパンを食べないかというと・・
・イスラエル人がエジプトから脱出するときパンを発酵させ膨らませる時間がなかったため、無発酵のパンを食べざるを得なかったが、その時の多忙を偲ぶため。
・無発酵で水と粉だけから作られているパンは貧民のパンであり、これを食べることで奢りをいましめ、謙虚さを思い起こさせるため。
・発酵は、腐敗の象徴でもあるため
・(wikipedia Matzo(英語)には何かいろいろい書いてありますが、宗教用語がいっぱいで意味がよく分かりません)
小麦粉を練って、適当に焼けばマッツォになるのかというと、そうではないようです。
■■マッツァ
■材料
過ぎ越し祭の際、マッツォにする以外の食べ方は禁じられているもの:
小麦、スペルト小麦(spelt)、大麦、ライ麦、そして、エンバク又は二条大麦(翻訳により解釈が異なるとか)の粉
水
(過ぎ越し祭用のものは塩も入らないが、塩、油、卵を入れたりチョコでコーティングしたりする場合もある)
■作り方
(1)粉と水を混ぜる。
(2)極薄くのばし、焼く前に細かい穴をたくさんあけて気泡をつぶす。
(3)18分以内にオーブンに入れて焼く。
(小麦粉は、水とあわせて18分経つと天然の酵母で膨らみはじめると考えられているため)
粉を練って、しばらくねかせてから伸ばして焼くチャパティは、過ぎ越し祭用にはNGという訳です。
しかも。
厳格なユダヤ教の家庭では、過ぎ越し祭の前には、徹底的に掃除をするのだとか。
キッチンテーブルのひび割れにいるかもしれない酵母菌さえも、認めないようです。
普段パンをこねたりするのに使う道具は、過ぎ越し祭の期間中はしまっておくそうです。
ほほーう。そこまで徹底して・・・・。
(春の大掃除というのは、冬の間にたまった埃を払うという実利もありそうです)
で、このクラッカーの味ですが・・・
塩も油も入っていないので、当然のことながらとてもあっさり。
発酵していないけれども、パリパリと薄く軽く食べやすいです。
私は、味がないものを沢山食べるのが好きなので、とても好みのクラッカーでした。
ナビスコのプレミアムというクラッカーがありますが、塩辛い具をトッピングするには、クラッカーに味がつきすぎているように思っていました。
こういった味なしのクラッカーがあったら、しょっちゅう買うのになあ。
減塩療法が必要な人にも、よさそうだな、と思いました。
■マッツォ関連品
・マッツォ・ミール / マッツァー粉
マッツォーを砕いてフレーク状もしくは粉状にしたもの。
パン粉のような位置づけで、つなぎにしたり、フライの衣にしたりする。
過ぎ越し祭期間中は、生の小麦粉は使えないため、クッキーやケーキもこれで作る。
(天然酵母殺菌済みということですね)
・マッツォ・ボール(のスープ)
砕いたマッツォと場合によっては野菜少々を練り混ぜて作ったお団子。
スープに入れて食べることが多い(日本でいうところのすいとん風?)。
(1週間もの間、カリカリしたクラッカーばかりでは飽きてしまうので?)マッツォの別の食べ方としてポピュラーなもののようです。
スープに入れたりしてます。
クラッカーの代わりに使ったり。。。
お団子にするというのは知りませんでした。
竹細工の六つ目編みのような建物、すばらしいですね。
赤い砂岩のシュトラスブールのカテドラルも、迫力です。
そちらだとマッツォは結構一般的なのでしょうね。一年中ありますか?
何にでもあわせやすくて美味しいクラッカーですよね。
お団子は、ソーダ水で練ってふんわり仕上げたりするようです。でも、割とおなかにたまる系にみえました。
やっぱり今度作ってみよう~。
塩味か味なしのおやつ好きなんです。
味がないものって、口が食べ飽きないのでいっぱい食べられてしまうところが問題です。
極薄く小麦粉生地を伸ばして、それを焼くのですよね、きっと。パスタマシンで伸ばすといいのかしらん。
でもよく考えるとソ連時代に構成国家だった国々にはこの透けて見える小麦粉料理がいっぱいあるからこの書き方で通じちゃうんでしょうね。
今度試してみたいと思います。笑
レシピアップ、楽しみにしています!
どこで購入できるのか、わかりません...
教えていただけないでしょうか?
このマッツォですが、お友達の海外みやげとして頂いたものなのです。
日本で買ったことはないのですが、調べてみると、東京の広尾にあるシナゴーグ(ユダヤ教会)の売店で買えるようですよ。
http://
www.geocities.jp/tomochingko/passover.html
こちらのサイトによると、一箱800円だそうです。