ちょっと珍しいものを。
つけ爪? |
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このくらいの大きさ。 |
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この、色がついたところがとてもザラザラしていて、爪やすりに使うそうなのですが・・・。 |
正体は・・・・・・・・・
ピラルクのウロコ!
これがピラルク! |
子供の頃、開高健の『オーパ!』で読んだことがあった、あれか!
世界最大のウロコで、靴べらや爪ヤスリに使う、と書いてあり、「まさか靴べらサイズなんて・・・」と子供心に半信半疑でしたが、ほんと、大きいです。
何でまた靴べらに?とも思っていましたが、この絶妙なカーブ具合を見ると、成る程納得です。
(今回のものは、靴べらほどの大きさではないですが。乱獲の結果でしょうか・・)
ピラルクは世界最大の淡水魚のひとつ。
生息数が減ったいまでは保護動物に指定されているけれど、いまだに現地では食用にされることもあるそうです。
『オーパ!』では、確か釣り上げて試食していたような・・・?(それともやはり幻の魚だったのか)
どんな味なんだろう?
・・・・
調べてみると、タラに似た味だそうです。
もともとのアマゾン原住民には食されていなかったそうです。ところが西暦1500年頃にポルトガル人が植民地化して、ピラルクの味を発見したとか。
塩漬けのピラルクは、ポルトガル人(そして船乗り?)の好物の塩漬けタラ(棒ダラ)にそっくりなのだそうです。
棒鱈を好む嗜好がブラジル人に継承されてしまったのかどうか、ポルトガル植民地でなくなった今でも、ブラジルではかなり高価に取引されているとか。
祝い事の席で塩漬けピラルクが供されることがあるそうですが、おそらくその高価さから珍重されているのでは、と思います。
(京都で、えらくもったいぶって芋棒(サトイモと棒鱈の煮物)を出すようなものだろうか)
ピラルクは、独特の形状と神秘性から、熱烈なファンがいる魚のようです。
栃木県にある「なかがわ水遊園」は、ピラルクの飼育や各種イベントで有名なのだそうですが、
ついに、愛しさ余って「食べてみる」というイベントまでも、やったとか。
参加した方のブログを是非ご覧下さい!!
(片道5時間かけて行ったのだそうです)
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ところで、村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』に牧村拓という落ち目の作家が出てきます。
美少女ユキの父親で、もはや文学作品は書かず、冒険もののエッセイをたまに書きつつ辻堂で書生と暮らしている人。
これを読んで開高健を思い出したのは、私だけでしょうか。
(ちなみにMakimura Hiraku は Murakami Haruki のアナグラムなのだそうです)
■参考情報
(1)ピラルクの味についてのエッセイ (ヤマモトチヒロ氏HP)
(2)なかがわ水遊園
ピラルクを飼育し、各種イベントもやっている淡水水族館
(3)なかがわ水遊園でピラルクを食べた(ブログ記事)
なかがわ水遊園のイベントで、生のピラルク(おそらく食用の養殖もの)をソテーして食べたそうです。
(ピラルクLoveの方のようで、片道5時間かけてはるばる!)
肉部分はやはりくせのない白身で、鱈のよう。
むしろ特筆すべきだったのは皮で、(さすがにあの立派なウロコを支えているだけあって)ムチムチプリプリのコラーゲンの塊のようだったとか。
それにしても、日本ってすごいですね。
どこかのインターネットショップで、ピラルクのウロコが1枚1500円でした(大きさ不明)。
今となっては、「こんなもんいるかー!!」というほどでもない、結構な貴重品ですね。
輸入許可証は、買ったときにはついていたそうです(ということにしておいて下さいませ。何卒よろしく・・・)
相手はそれを「ピラルクーのウロコやないけ。こんなもんいるかー!!」と叫んで投げ返すシーンがありました。
どうしてそんなシーンがあったのか謎ですし、自分でもどうしてそんなことを覚えているのかわかりません。
私の中でピラルクーはそういう魚です。
それにしてもウロコ、カッコいいですね。
ピラルクのウロコは、ワシントン条約にひっかかるので、本来ですと輸入許可書が必要になります。