熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

文化三昧ミラノ・ロンドン旅・・・8 ミラノの教会は面白くないのか

2005年07月23日 | 欧州紀行(文化三昧ミラノ・ロンドン旅)
   ミラノで真っ先に出かけるのは、やはり、ドゥオモ広場であり、大聖堂ドゥオモである。
   最近何度行っても、壮大な正面ファサードは、修復工事用の覆いがかけられていて写真の被写体にもならない。私の持っている写真は、もう何十年も前に撮った写真で、色あせてしまっている。
   
   この壮大なゴチック様式の建物だが、バチカンは勿論、パリのノートルダムやケルンのドーム、ロンドンのセントポールやルーアンの大聖堂、等々と比べても、魅力に乏しい。
   ミシュランのグリーン本を見ても、星が付いているのは、屋上からの見学と宝物展示くらいであるが、私は、何度も行きながらこの両方とも果たしていない。
   偉大な宝物や芸術品は、いくら貴重であっても、元の位置に安置されているのを仰ぎ見るのが最高だと思っており、奈良や京都で仏像や彫刻、絵画等が宝物館に展示されているのにはあまり興味がない。
   例えばパルテノン神殿のファサードだが、大英博物館のものより、コピーでもあの現地の神殿に付いているものの方が良いと思っている。

   今回は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」をミスったので、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会を諦めた。ホテルのマネージャーの話では、この夏一杯予約で満杯だと言う。
   一昨年、十二分に魅せて貰ったので満足せねばならないかもしれない。

   今回は、是非、ミラノ司教・聖アンブロージョが4世紀末に建設したミラノ最古の教会「サンタンブロージョ教会」を訪ねて見ようと思った。古い教会は、歴史の蓄積が凝縮されていて実に味わい深い。
   ダ・ヴィンチの教会から歩いても、ほんの10分ほど、近づくと、重厚な濃い土色の建物の奥に、右側に9世紀の、左側に少し高い12世紀の鐘楼が見える。
   このバシリカは、重厚な柱頭を持つすっきりとした柱に囲まれたアトリウムを持つ11-2世紀のロンバルジャ・ロマネスク様式の建物、中庭を横切ると正面ファサードは、グラツィエ教会と同じ様な将棋の駒形だが、威圧感が凄い。

   正面に12世紀のビザンチン・ロマネスク様式の素晴らしい説教壇が現れ、ドームの壁画が美しい。
   大地の香りがする重厚なバシリカには一寸違和感を感じるが、9世紀カロリンガ時代と言われる黄金で装飾された祭壇が光り輝いている。
   奥に回ると、サン・ヴィトレ・チャペルがあり、そのドーム状の天井に燻し銀の様な輝きを見せる金色のモザイク画が見える。5世紀の作だと言う。
   頂上の肖像はキリストであろうか、3面の壁には聖人の肖像、四隅の頭注には異様な邪鬼が描かれている。
   私は、しばらくの間、このモザイク画を眺めていた。

   今回のミラノ滞在中、出かけたのは、このほかに、古い貴族の邸宅を展示館に変えたバガッティ・ヴァルセッキ博物館だけで、時間があれば、レオナルド・ダ・ヴィンチ縁のスフォルツェスコ城にも行きたいと思った。
   それに、もう一日あれば、タクシーを飛ばしてでも、セルトーサ・ディ・パヴィアに行きたかった。あの教会はイタリアで一番美しいかもしれない、廃墟のようなバックヤードも含めて実に素晴らしくて、随分前だが、空港への時間ぎりぎりまであそこに居た。
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くちなしの花

2005年07月23日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   10日ほど留守をしてイギリスから帰って来た時も、咲き続けて待っていてくれた八重のくちなし。
   真っ白なふんわりとした優雅な姿で、庭一杯甘い香りを漂わせてくれている。

   一重の実なりくちなしは、花が終わって実を付け始めた。
   秋には、オレンジ色に色ずきロケット状の実を沢山付けてくれる。

   花の少なくなった庭には、ひっそりと咲く露草と比べて、真っ白なくちなしが眩しい。
   
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