熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

庭のブルーベリー

2005年07月30日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   たわわに実を付けていたブルーベリーが色付き始めた。
   眼に良いと言うので、毎朝、レーズンパンに、たっぷりブルーベリー・ジャムをつけて食べているが、庭のブルーベリーは小鳥用である。
   日本では、ストローベリーがダントツの人気だが、ヨーロッパでは、ラズベッリー、ブルーベリーを筆頭に木苺の種類は数限りなく、ジャムが美味しい。
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文化三昧ミラノ・ロンドン旅・・・14  ロンドン塔での始めてのオペラ

2005年07月30日 | 欧州紀行(文化三昧ミラノ・ロンドン旅)
   今回、幸運に恵まれたのは、ロンドン塔で、始めて公演されたドニゼッティのオペラ「アンナ・ボレーナ」を鑑賞できたことである。
   毎年夏に、ロンドンのシティの歴史的な建物の中で開かれる「シティ音楽フェスティバル」には、在英中何度か出かけて、セント・ポール寺院でのベートーベン第九「合唱付き」、華麗なギルド・ホールでのグレニーの木琴、ロンドン塔内のセント・ピーター・アド・ヴィンキュラ教会での教会音楽等々思い出深いが、今回の様な大規模なオープンエアーでのプログラムは始めてである。

   この公演を知ったのは、フィルハーモニア管弦楽団の演奏会を聴きたくてパソコンで検索していたら、この「アンナ・ボレーナ」のオーケストラとしてピットに入ることが分かったのである。
   ロンドンでは、ロンドン響のシーズン・メンバー・チケットを買って通い続けていたが、カラヤンの薫陶を受けて育ったこのフィルハーモニア管も好きで良く出かけたので、迷うことなく7月8日のチケットを予約した。

   会場は、ロンドン塔の北西角の外壁と内壁の間の空濠に特設会場を設けたもので、アンが埋葬されているチャペルと観光客で溢れるジュエル・ハウスに接近した所で、アンナ・ボレーナ(アン・ブーリン)が処刑された処刑台が城壁の中のすぐ側にある。

   「アンナ・ボレーナ」は、あの大英帝国を世界一の大国にしたエリザベス1世の父王ヘンリー八世の第2妃アン・ブーリンの物語である。
   アンの侍女ジェーン・シーモアに心を移したヘンリーは、彼女と結婚する為に、アンの初恋の人ペルシとの絡みを利用して罪を着せて、裁判・処刑する。
   実際の舞台は、ウインザー城だが、アンは、最後にこのロンドン塔に幽閉され、処刑され、埋葬された。
   随分昔になるが、フィラデルフィアに居たとき、アメリカの名ソプラノ・ビバリー・シルスの「アンナ・ボレーナ」を聴く為に、ニューヨーク・シティ・オペラに出かけて、深夜過ぎに危険な夜道を帰ったのを思い出した。  

   この日、少し早く着いていたので、会場に行くと、広々とした会場・空濠全体がピクニック会場になっていて、人々が、思い思いにシートを敷いて俄か宴会場を設営して飲んだり食べたり談笑したり、賑やかに楽しんでいる。
   特設レストラン&カフェーも賑やかである。こんな所へ独りで来ることほど味気ないものはないし、そんな人は、まず私くらいであろうか。
   グラインドボーンと良く似ているが、こちらは、タキシードとイブニング・ドレスの正装を強制しているのでもっと正式で華麗な社交場になっているが、イギリス人は、野外でのオペラには、このようなピクニックが好きなのである。
   あのモネの「草上の晩餐」の雰囲気である。

   タイトルロール・アンナ・ボレーナを歌うのは、イングリッシュ・ナショナル・オペラ(ENO)のプリンシパル・ソプラノのハンナ・フランシス。憂いに満ちた、しかし、決然とした陰影のあるアンナを感動的に歌う。
   ヘンリー八世のチャールズ・ジョンストンを始め歌手の大半は、ENOやグラインドボーン、ウエールズ、スコットランド等のナショナル・オペラで活躍する若手歌手で、遥かに水準を越えている。
   アンナの恋敵ジェーンを演じるジニファー・ジョンストンは、弁護士資格を持つ逸材だが実に素晴らしい演技と歌唱で、ヘンリーとアンナとの間にたつ苦悩を噛み締めながら歌っていた。

   指揮のアレクサンダー・イングラムは、オーストラリアやヨーロッパで活躍するENOの指揮者。
   舞台は、金属製のジャイロスコープの様な上半分に付属したセットを畳み掛けたり回したりしながら舞台展開を図る斬新なもので、衣装は完全に当時のもので、シンプルだが機能的で面白い試みであった。

   残念だったのは、マイクの調整が悪くて、フィルハーモニアの華麗なサウンドが十分に楽しめなかったこと。
   シティの繁華な場所にありながら喧騒は気にならなかったが、やはり、ロンドン・テロの翌日の所為で、ピーポ・ピーポのパトカーのサイレンが、時々、野外コンサートであることを思い出させる。蜷川幸雄だったら喜ぶかもしれない。

   地下鉄が開通していたので、タワーヒルから乗り、ブラックフライヤーズで乗り換えて、ピカデリーサーカスまで帰った。客は少なかったが、地下鉄は普通に動いていた。
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