熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

梅雨空の下の月下美人・・・神の創造に感謝

2005年07月02日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   生暖かい雨に打たれて急に大きくなった月下美人の蕾が、反転して空を目指したかと思ったら、昨夜、優雅に花を開いた。
   釣り針の様に上に曲がっていた鼻先が、水平になり、遅い午後から少しずつ開き始めた。
   開くまではしっかり巻きついて花弁を守っていた紐のようなガクが少しづつ緩み始め、夕刻には半開きになり、少しずつ膨らんで深夜には満開になった。

   昨年は、何度か咲いてくれたが、12~3個の蕾を付けた蕾が、たった一日違いで、松本に、小澤征爾指揮サイトーキネンオーケストラのバルトークを聴きに行っている間に咲いてしまった。
   翌日帰ってきて、寂しそうに頭を垂れて萎んでいる花を見て、美しい晴れ姿を愛でてやれなかったことが申し訳なくて手を合わせて詫びた。

   月下美人は、枝につけた蕾は、必ず同じ日同じ時間に、皆一斉に咲き始めて、深夜に満開になり夜中咲き続けて朝には萎んでしまう。
   儚いホンの数時間の命であるが、実に優雅で美しい。

   江尻光一先生は、庭に,男の城・温室を作って花を育てて、月の美しい夜に、月明かりの温室の中で月下美人漬けの酒を味わってみては如何かと仰っていた。
   邪道かもしれないが、今夜、ボルドーのフルボディ赤ワインに浸して飲んでみようと思っている。
   真紅の薔薇の花びらをサンドイッチに挟んで、ダージリンをすすりながら美味しそうに食べていた英人夫妻のことを思い出した。
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