熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

文化三昧ミラノ・ロンドン旅・・・13  タワー・ブリッジを前にシティで憩う

2005年07月29日 | 欧州紀行(文化三昧ミラノ・ロンドン旅)
   グローブ座が跳ねてから、夜のオペラ「アンナ・ボレーナ」まで少し時間がある。どこか観光するためには時間が不足する。
   シティに行けば、気の利いたパブやレストランがあるので、そこらで時間を潰そうと思って、サザーク橋を渡って対岸に出た。
   ピントナー・ホール側に立って対岸を臨むと、黒い屋根を頂いた3階建てのグローブ座が見え、その後ろに、高い煙突を持った重要文化財の旧火力発電所を改装したテート・モダン美術館が見える。
   その前から、対岸のシティに向けた新しいモダンな歩道橋が架かっている。
   このあたりからタワー・ブリッジ近辺にかけて、ミレニアム前後に再開発されて、相当様相が変わっている。

   以前からあったのかどうか知らないが、テームズ河の北の岸辺に沿って細い歩道があったので、何処まで続いているのか、サザーク橋の下から、ロンドン塔に向かって歩くことにした。
   繁華な金融街の裏庭とは思えないほど喧騒から程遠い道で、左手には、テームズ河がとうとうと流れていて、歩くにつれて、タワー・ブリッジが近づいてくる。
 
   河中に係留されている巨大な戦艦が、HMSベルファスト号で、1938年の建造で第二次世界大戦に参戦した。
   その後ろに、超モダンな大きなガラス張りの建物が建っている。後で知ったのだが、ノーマン・フォスター設計によるシティの新市庁舎で2002年に竣工したと言う。

   ところで、この歩道は、オールド・ビリングゲート・フィッシュ・マーケットと税関の建物の裏を通ってタワー・ミレニアム・ピアの前で切れている。
   途中、シティのバンカーに混じって、岸辺のベンチで小休止していたが、中々気の利いた歩道である。横を、綺麗なキャリアウーマンが、都心に向かって通り過ぎていった。

   ぴあを回り込むと、もうそこは、ロンドン塔の入り口である。
   おもちゃの人形の様な制服を着たガードの前を通り過ぎて岸辺に出た。
   目の前には、タワー・ブリッジが迫り、左手には、ロンドン塔の城壁が広がっている。
   ロンドンにしては少し暑いが、珍しくも気持ちの良い快晴の素晴らしい天気である。
   私はここでしばらく時間を過ごそうと思って、側の屋台でサンドイッチとコーヒーを買って岸辺のベンチに居を構えた。

   大きな船が近づいたのであろう。タワー・ブリッジの下の橋桁が、左右に分かれて少しづつ上がり始めた。
   ピーポ・ピーポのパトカーのサイレンの音で、この日が、テロの翌日であることを思い出した。

(追)写真・タワーブリッジの右手に、戦艦と新市庁舎。
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