今回のミラノは、実質1日と半日しか自由時間がなかったので、行く所は極めて限られてしまった。夜は、スカラ座でロッシーニのチェネレントータ(シンデレラ)を鑑賞することになっていたので、日中は、ミュージアムと教会等を周ることにした。
メール依頼のミスで、サンタ・マリア・デッレグラーチェ教会のダヴィンチの「最後の晩餐」見学はフイになったので、ミュージアムは、アンブロージアーナ絵画館とブレラ美術館に絞ることにした。
これまで、このアンブロジアーナだけは行く機会がなかった。
ホテルからドウオモを左に見て路地を入ればすぐの所にある。1609年にボロメオ枢機卿によって建てられた建物で、古くから図書館として一般に開放されていて、今も併設されていてレオナルド等の貴重な古文書類が多く保存されていると言う。
古風な普通の建物だが、中に入ると可なり広くて、ローマ風の彫像や人物像等をあしらった緑の豊かな広い中庭があり、廻りを回廊と部屋が取り巻いており静かな空間を作っている。
ここで、私の記憶にあった懐かしい絵画に何点かに出会えた。ダヴィンチの「ムジコ」、ティチアーノの「マグダラのマリア」そして、プレディスの「夫人像」である。
世界にホンの僅かしか残っていないレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画、これまでにどれほど観たであろうか、今回、ロンドンのナショナルギャラリーでもダヴィンチを見るが、小品ながら、この楽譜を持った青年像は実に精密に描かれていてまるで写真のようであり、ほんの数センチまで近づいて見ると絵の具のひび割れが幽かに見える。
この絵画、ワシントンのと同じくらいの実に小さな絵だが、長い間憧れていた絵なので嬉しくて、随分長い間絵の前に立っていた。
プレディスの絵は、左横向きの精密な美しい夫人像で、マグダラのマリアは、長い髪で胸を押さえた官能的な裸像、雰囲気は全く違うが、素晴らしい女性を描いている。
絵画でビックリしたのは、カラヴァッジョの「フルーツバスケット」で、実に鮮やかで美しい静物画で、マスカット風の葡萄の粉を吹いた輝きなど絵画とは思えないほど真に迫っており、良く見るカラヴァッジョの劇的な人物像と全く違う。この絵は、この美術館の至宝、人が前に居たので後回しにしようと思って絵から離れようとしたら、係員が、「カラヴァッジョ、カラヴァッジョ」と言って見ろと催促する。
もう一つ感激したのは、薄暗い大きな部屋の奥に幽かに浮かび上がってきたラファエロの「アテネの学堂」の下絵。良く見ると、あの懐かしいバチカン宮殿にある壮大な壁画の下絵である。
ダヴィンチを模したプラトンも、ミケランジェロを模したアリストテレスも上段中央に確固として描かれている、極彩色ではなく、黒のモノトーンだが、凄い迫力である。
部屋の真ん中にイスがあって、見入っている人も居る。私は、長い間、そこに座って、バチカンの壁画を思い出しながら観ていた。
メール依頼のミスで、サンタ・マリア・デッレグラーチェ教会のダヴィンチの「最後の晩餐」見学はフイになったので、ミュージアムは、アンブロージアーナ絵画館とブレラ美術館に絞ることにした。
これまで、このアンブロジアーナだけは行く機会がなかった。
ホテルからドウオモを左に見て路地を入ればすぐの所にある。1609年にボロメオ枢機卿によって建てられた建物で、古くから図書館として一般に開放されていて、今も併設されていてレオナルド等の貴重な古文書類が多く保存されていると言う。
古風な普通の建物だが、中に入ると可なり広くて、ローマ風の彫像や人物像等をあしらった緑の豊かな広い中庭があり、廻りを回廊と部屋が取り巻いており静かな空間を作っている。
ここで、私の記憶にあった懐かしい絵画に何点かに出会えた。ダヴィンチの「ムジコ」、ティチアーノの「マグダラのマリア」そして、プレディスの「夫人像」である。
世界にホンの僅かしか残っていないレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画、これまでにどれほど観たであろうか、今回、ロンドンのナショナルギャラリーでもダヴィンチを見るが、小品ながら、この楽譜を持った青年像は実に精密に描かれていてまるで写真のようであり、ほんの数センチまで近づいて見ると絵の具のひび割れが幽かに見える。
この絵画、ワシントンのと同じくらいの実に小さな絵だが、長い間憧れていた絵なので嬉しくて、随分長い間絵の前に立っていた。
プレディスの絵は、左横向きの精密な美しい夫人像で、マグダラのマリアは、長い髪で胸を押さえた官能的な裸像、雰囲気は全く違うが、素晴らしい女性を描いている。
絵画でビックリしたのは、カラヴァッジョの「フルーツバスケット」で、実に鮮やかで美しい静物画で、マスカット風の葡萄の粉を吹いた輝きなど絵画とは思えないほど真に迫っており、良く見るカラヴァッジョの劇的な人物像と全く違う。この絵は、この美術館の至宝、人が前に居たので後回しにしようと思って絵から離れようとしたら、係員が、「カラヴァッジョ、カラヴァッジョ」と言って見ろと催促する。
もう一つ感激したのは、薄暗い大きな部屋の奥に幽かに浮かび上がってきたラファエロの「アテネの学堂」の下絵。良く見ると、あの懐かしいバチカン宮殿にある壮大な壁画の下絵である。
ダヴィンチを模したプラトンも、ミケランジェロを模したアリストテレスも上段中央に確固として描かれている、極彩色ではなく、黒のモノトーンだが、凄い迫力である。
部屋の真ん中にイスがあって、見入っている人も居る。私は、長い間、そこに座って、バチカンの壁画を思い出しながら観ていた。