日経夕刊に、米国リーダーズダイジェストが、破産法11条の適用申請すると言う記事が掲載されていた。
忘れてしまっていたのだが、リーダーズダイジェストは、もう40年以上も前のことになるが、私が高校生の頃から大学生の頃まで読んでいた雑誌である。
アメリカのベストセラー主体だが、簡略に要約されたダイジェスト版が集められており、要領良く読める便利な月刊誌で、異国情緒を味わうのに格好の情報源でもあった。
それに、他にも単行本や、レコードなどを出していて、金文字で名前を書いた案内書を送って来たり、手を変え品を変えて色々なダイレクトメールを送り込むなど、販売手法は、正に、アメリカ型で面白かったのを覚えている。
この本の中に埋め込まれていたジョーク集が、実に面白かったのが印象的だが、私が、初めて、クラシック音楽全集のレコードを買ったのもこの会社からでもあり、それなりに付き合っていたのであろう。
私自身は、大学生になってから購読を止めてしまったが、その後、海外に出かけて、商店の店頭に、色々な国の翻訳版が出ているのを見て懐かしかった。
さて、この雑誌だが、アメリカでは最大の発行部数を誇る総合雑誌のようだが、日本では、20年以上も前に廃刊になっていると聞いている。
アメリカのRDA社は、ローコスト・ホーム・メインテナンスやガーデニングなどの出版物を出したり、有数のレシペ・サイトAllRecipes.comを運営しているようで、リップルウッドが買収して再建を図ったようだが、出版業界の不況と広告収入の激減で、成り行かなくなったらしい。
結局、インターネットとグーグルによって、メディアや出版業界を取り巻く環境が様変わりなってしまった結果による、紙媒体からの活字離れ、広告離れの犠牲と言うことであろうか。
こんなにインターネットが便利になって、世界中の新聞なり雑誌なり、あるいは、高度な学術論文など、あらゆる種類の情報なりドキュメントなどに、フリーにアクセス出来るのであるから、紙媒体の情報源たる新聞、雑誌、書籍などと言ったものの需要が激減するのは当然である。
まして、広告に至っては、殆どタダ同然の僅かな課金で、無尽蔵の広告を、確実に、興味と感心のある潜在的顧客に届けてくれるグーグルが、破竹の勢いで快進撃しているのであるから、既に、勝負は付いてしまっている。
特に、雑誌については、余程、ユニークで特別な付加価値がない限り、読者の雑誌離れは、益々加速しているようだが、それよりも、読者の減少以上に、広告の減少の方が打撃が大きいであろう。
私の記憶では、タダで読者に最初に本を配布したのは、40年以上も昔のリクルート本(企業から広告料を取って出版し学生にタダで配布した)だったと思うが、広告としてのコストパーフォーマンスを考えれば、雑誌よりも、今流行の無料配布本の方が、遥かに有効であろうと思う。
また、誰でもが、グーグルや多くのインターネットのサイトから、既存の雑誌以上の情報やコンテンツを、フリーに取得し読める環境になっている以上、お金を出してまで、雑誌を読もうとする人は、益々、減少して行くであろうと思われる。
グーグルが、いくら素晴らしい価値があり貴重であっても、情報やコンテンツでは、一切金を取らない、と言うタダ文化を定着させてしまった以上、雑誌も書籍も新聞も、根本的に、その将来像を考え直さなければならなくなっているのである。
先に紹介したジェフ・ジャービスが、「グーグル的思考」の中で、12歳から25歳の若者は、いずれ新聞を読まなくなり、2040年を最後に、アメリカの新聞は発行されなくなると言う調査結果が出ているので、新聞業界は、印刷機を停止させる前に、どのように活路を見出すべきか、今から考えておく方が良いと言っている。
出版業界は、現在踏襲しているビジネス・モデルから脱却して、イノベーションを志向しない限り沈没間違いなしで、遅かれ早かれ、リーダーズダイジェストと同じ運命に遭遇するであろうと言うことかも知れない。
(追って、この口絵写真は、某書店の勝間和代コーナーで、本文とは関係ない。要するに、読者を掴む魅力的なコンテンツを提供できない紙媒体は消えて行かざるを得ないと言うことである。)
忘れてしまっていたのだが、リーダーズダイジェストは、もう40年以上も前のことになるが、私が高校生の頃から大学生の頃まで読んでいた雑誌である。
アメリカのベストセラー主体だが、簡略に要約されたダイジェスト版が集められており、要領良く読める便利な月刊誌で、異国情緒を味わうのに格好の情報源でもあった。
それに、他にも単行本や、レコードなどを出していて、金文字で名前を書いた案内書を送って来たり、手を変え品を変えて色々なダイレクトメールを送り込むなど、販売手法は、正に、アメリカ型で面白かったのを覚えている。
この本の中に埋め込まれていたジョーク集が、実に面白かったのが印象的だが、私が、初めて、クラシック音楽全集のレコードを買ったのもこの会社からでもあり、それなりに付き合っていたのであろう。
私自身は、大学生になってから購読を止めてしまったが、その後、海外に出かけて、商店の店頭に、色々な国の翻訳版が出ているのを見て懐かしかった。
さて、この雑誌だが、アメリカでは最大の発行部数を誇る総合雑誌のようだが、日本では、20年以上も前に廃刊になっていると聞いている。
アメリカのRDA社は、ローコスト・ホーム・メインテナンスやガーデニングなどの出版物を出したり、有数のレシペ・サイトAllRecipes.comを運営しているようで、リップルウッドが買収して再建を図ったようだが、出版業界の不況と広告収入の激減で、成り行かなくなったらしい。
結局、インターネットとグーグルによって、メディアや出版業界を取り巻く環境が様変わりなってしまった結果による、紙媒体からの活字離れ、広告離れの犠牲と言うことであろうか。
こんなにインターネットが便利になって、世界中の新聞なり雑誌なり、あるいは、高度な学術論文など、あらゆる種類の情報なりドキュメントなどに、フリーにアクセス出来るのであるから、紙媒体の情報源たる新聞、雑誌、書籍などと言ったものの需要が激減するのは当然である。
まして、広告に至っては、殆どタダ同然の僅かな課金で、無尽蔵の広告を、確実に、興味と感心のある潜在的顧客に届けてくれるグーグルが、破竹の勢いで快進撃しているのであるから、既に、勝負は付いてしまっている。
特に、雑誌については、余程、ユニークで特別な付加価値がない限り、読者の雑誌離れは、益々加速しているようだが、それよりも、読者の減少以上に、広告の減少の方が打撃が大きいであろう。
私の記憶では、タダで読者に最初に本を配布したのは、40年以上も昔のリクルート本(企業から広告料を取って出版し学生にタダで配布した)だったと思うが、広告としてのコストパーフォーマンスを考えれば、雑誌よりも、今流行の無料配布本の方が、遥かに有効であろうと思う。
また、誰でもが、グーグルや多くのインターネットのサイトから、既存の雑誌以上の情報やコンテンツを、フリーに取得し読める環境になっている以上、お金を出してまで、雑誌を読もうとする人は、益々、減少して行くであろうと思われる。
グーグルが、いくら素晴らしい価値があり貴重であっても、情報やコンテンツでは、一切金を取らない、と言うタダ文化を定着させてしまった以上、雑誌も書籍も新聞も、根本的に、その将来像を考え直さなければならなくなっているのである。
先に紹介したジェフ・ジャービスが、「グーグル的思考」の中で、12歳から25歳の若者は、いずれ新聞を読まなくなり、2040年を最後に、アメリカの新聞は発行されなくなると言う調査結果が出ているので、新聞業界は、印刷機を停止させる前に、どのように活路を見出すべきか、今から考えておく方が良いと言っている。
出版業界は、現在踏襲しているビジネス・モデルから脱却して、イノベーションを志向しない限り沈没間違いなしで、遅かれ早かれ、リーダーズダイジェストと同じ運命に遭遇するであろうと言うことかも知れない。
(追って、この口絵写真は、某書店の勝間和代コーナーで、本文とは関係ない。要するに、読者を掴む魅力的なコンテンツを提供できない紙媒体は消えて行かざるを得ないと言うことである。)