熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

CEATEC JAPAN 2009・・・3D映像技術の競争激化

2009年10月08日 | 経営・ビジネス
   CEATEC JAPAN 2009が幕張メッセでオープンしたので、朝から出かけた。
   初日、午前中は大したことはなかったが、午後から急に込み始めて大変な賑わいで、ハイテク製造業への関心の深さが良く分かる。

   私は、例年通り、コンファレンスの聴講主体で、合間を縫って展示会場を見ると言う方針で出かけた。
   展示会場の方は、科学・技術的な知識を持ち合わせていないので、殆ど、ホーム&パーソナルゾーンのコンシューマー・エレクトロニクスの会場ばかりを回っているのだが、年毎に、テーマが変わっていて面白い。
   今年は、殆どの企業は、3D製品に大変な力を入れていた。

   最初にソニーの3Dデモンストレーション・ルームに入ったが、実際の撮影用カメラを設置して室内の生物を実写しながら、プロジェクター画面に投影して説明していたので非常に良く分かった。
   ハイフレームレート単眼レンズ3Dカメラと称する新型カメラで、一つのレンズを通った光から左右画像を同時に分離する光学系カメラと言うことだが、一つのカメラで3D画像の動画を撮影出来るのである。
   例の玩具のようなプラスチック製のメガネをかけて画面を見るのは同じだが、昔のように赤と青の光で分離するのではないので、それ程苦痛にならずに、飛び出す立体感のある動画を楽しむことが出来る。
   人の目に限りなく近い毎秒240フレームの3Dと言う触れ込みで、画像に流れや乱れがないので見易い感じである。

   その後、シャープのブースに入って同じようにFULL HD 3D TV画像を見たが、こちらの方は、デモンストレーションが上手くて、水しぶきなどが目に飛び込んで来る感じで臨場感たっぷりである。
   ビデオカメラで撮影しておれば、水しぶきや水中の泡などレンズに当たる映像は当然目の中に入ってくる感じで映るし、地球から弾き出されて飛び上がって眼前で大口を開いて襲ってくる恐竜などはCG画像であるからいくらでも眼前までの画像として操作できるのだが、立体画像であることを強調するだけのソニーと違って、飛び出すことに主眼を置いた素人受けするシャープのデモは効果抜群で、PR戦術の差が出ていて面白い。
   その他の会社は、特別な3D映写室はなく、テレビ画面の前にメガネが置いてあって簡便に3D動画を楽しめる形式である。

   映画館では、3D放映が始まっているが、2~3時間なら多少不自由でもメガネをかけて、立体映画を楽しめるのは娯楽の幅が広がって良いであろう。
   将来、、実際のTVでも3D番組が普通に放映されることになるようだが、やはり、その為の装置のついたTV受像機が必要で、例のメガネもかける必要があるのだと言う。ソニーやパナソニックでは、10年にその為の3DTVの投入を表明している。
   私など、無理に立体映像を見たいとは思わないが、この3Dシステムが、果たして、一般家庭でも普及するのであろうか。

   TVとしては、東芝の明日のTVとして発表したCELLレグザのデモンストレーションの巨大な映像の前に人が集まっている。
   よく分からないが、Cell Broadband Engineを搭載した「Cell プラットフォーム」を世界で始めて採用した液晶テレビ「Cellレグザ」で、圧倒的な処理能力持つプロセッサを核とした超高画質・超音質および録画能力、ネットワーク能力を有する最高のエンターテインメント・マシーンだと言う。

   この東芝の技術は、コモディティ化してしまっているTVを一挙に新コンセプトのTVに変える破壊的イノベーションだと言う意気込みだが、もしそうなら実に素晴らしい。
   とにかく、どこの会社の展示を見ても、TV受像機の進歩発展は目を見張るばかりだが、そんなに技術を深追いして画像や音質を高めても意味があるのであろうかと思う。
   展示場の係員に尋ねたら、とにかく、他社よりも素晴らしい製品を開発して、差別化して競争に勝たなければならないのだと言う。
   正に、クリステンセンの説く持続的イノベーションの典型的なケースで、技術が消費者の要求・実需より遥かに先を行ってしまって、その付加価値を必要としていないのでその技術・質の向上に対して対価を支払わないと言う深刻な段階に至っている。

   さて、この口絵写真は、パナソニックのデジカメLUMIXの前で、スペイン・メディアの魅力的な女性レポーターが、コンパクト・モデルを紹介しているところである。
   沢山の外国メディアがTVカメラを持ち込んで撮影していたが、YAMAHAのSekai Cameraのブースの前で、本物そっくりの女の子のロボットが、「津軽海峡冬景色」を歌っているのを放列を敷いて撮っていたのが印象的であった。
コメント
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