熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

台風を押しての町内会日帰りバスツアー

2010年10月30日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   季節外れの台風が、急に日本に接近してきて、曇り時々雨の天気予報が、一挙に、大雨大嵐に変わってしまった。
   1日ずれると思っていた台風が、速度を速めて、随分前から私が責任者として準備していた町内会日帰りバスツアーの当日、目的地の三浦半島に最も接近すると言うのである。
   NHKなどの天気予報では、10月30日は夜にかけて、関東地方を襲うので、極力外出を控えるようにと、何度も繰り返して警告をしていた。、
   
   当初の予定は、千葉から館山道を木更津を経て、その先の富津金谷港からフェリーで久里浜港に渡り、城ケ島を経て油壷でマグロ料理の昼食をとる。その後、三崎港で海産物の買い物をして、キリン横浜ビアビレッジ見学後、アクアラインで海ほたるに出て帰途に就く。と言うものであった。
   しかし、台風接近であれば、たとえフェリーが運航していても、海路を取るのは避けなければならない。前日午後早くに、銚子地方気象台に電話で聞いても、当然のこととして至って冷たい返事が返ってきた。

   前日29日の午後の段階で、台風が来るのが分かっていて、町内会のバスツアー、それも、参加者の相当数が老人であるバスツアーを実施することが、果たして適切なのかどうか、と言う私なりの疑問が湧いてきた。
   所謂、ビジネスでは、このような不測の事態が起こった場合の危機管理の問題でもあるのだが、危険を避けるために、どのような手段を取るのが最も適切かと言う意思決定である。
   選択肢はいくらか考えられるが、諸般の事情で、中止なり、延期するするのは無理だとは分かっていたのだが、念のために、エージェントに、そのためには、キャンセル料がいくらかかるのか照会してみた。
   キャンセル料が安ければ、多少の犠牲を払ってでも、次には台風が来るようなことはないであろうから、1週間なり2週間なり、延期して見てはどうかと思ったのである。

   しかし、前日の事でもあり、すべて準備が整っているので、キャンセル料は、昼食の方は80%、バスの方は50%と言うことで、これでは、殆ど経費が飛んでしまって、延期して再開することなどは不可能であることが分かった。
   一方的な中止については、参加希望者がいる限り不可能であるし、とにかく、キャンセルや延期と言う選択肢が取れなくなったので、旅程などを再考しなおして、秋晴れモードから台風モードにスケジュールを切り替えて実施する以外に方法がないこと言う結論に達した。
   29日の夜までには、NHKテレビなどの台風警告放送を見て不安になった参加予定者からいくらか担当者に電話が架かってきたようだが、フェリーの使用は止める旨伝えたら安心したと言うような答えがあったようで、キャンセルは、お年寄りのご夫婦2組を含めて7人で、思ったより少なく、殆どの人が、台風下でのバス旅行を容認していると言う感触を得た。
   前日夜の時点で、参加予定者は、128人。
   エージェントにも、スケジュール変更など旅程などを台風対応の安全モードに切り替えるよう指示し、バス旅行担当の役員の人たちにも、万全を期すようにお願いして、バスツアーを予定通り実施することにした。
   (尤も、このような交渉、延期キャンセル、旅程調整等々は、一切、町内会の役員・担当者と十分な連絡協議を行った上で進めてきている。しかし、事故や危険を一切避けて、出来るだけ当初の計画通りに楽しんで貰うべくツアーを進めると言う二律背反する選択と決断を瞬時に下さねばならないので、結局、方向付けは、時間的な制約もあり、私自身が先導する以外にはないと思って行動した。)

   30日朝7時前、傘を差しながら思い思いの行楽スタイルで参集してきた人々が、3台のバスに分乗し始めたのだが、特に変わった様子もなかったので、台風の状況次第で、旅程を変更したり、場合によっては、早く切り上げて帰途に就くとか、臨機応変に対応することにして、出発した。
   当然、新趣向であったフェリーやアクアライン経由の海ほたるなどは、キャンセルして、安全な高速道路を経て横横道経由での油壷・三崎行きとなった。
   台風対応モードのバスツアーに変更することを参加者に説明して了解を頂いた。

   結局、全日雨降りで、多少風が強かったので、殆どバスの中か室内での行動ではあったが、京急油壺マリンパークでの水族館とイルカショー、京急油壷観潮荘での昼食・温泉入浴、三崎漁港での海産物の買い物、キリン横浜ビアビレッジ見学・試飲と言ったスケジュールを熟して、雨に濡れた素晴らしい横浜と東京の夜景を眺めながら帰途に就いた。
   途中、三崎漁港(口絵写真)で、バスから降りて市場まで歩く間、傘を飛ばされないように注意しなければならなかったくらいで、殆どバスをドア・ツー・ドアにして移動したので、台風の影響は殆ど受けなかったし感じなかった。
   帰って来て、7時のNHKニュースを見て、台風が、今一番関東に接近していると言って大嵐の映像を放映していたが、外では暴風雨が吹き荒れていると言う感じは全くなかった。
   秋晴れの美しい海を見られなかったのは、残念だったが、思ったより台風による風雨が激しくなかったので、それが幸いして、台風下で強行した町内会バスツアーだったが、無事に、どうにか当初の旅程に近い形で実施できたので、ほっとしている。

   海外にいた時には、旅行保険をかけてキャンセルの場合に備えていたが、たとえ掛けていても、この程度の天候悪化では当然下りないでろうから、障害保険以外は殆ど無意味なのであろうが、私自身は、折角楽しみにして来たのに、台風が心配でキャンセルせざるを得なかった人たちに、納められた旅行費用を全額返したいと思っているので、どの程度に費用に穴が開くかが問題であり、多少意識の中にはあった。
   
   このバスツアーもそうで、町内会の色々なイヴェントは、町内会の親睦やコミュニケーションを豊かにして、出来るだけ町内の活動や雰囲気を活性化して、みなさんが、町内でのコミュニティ生活に喜びと誇りを持って暮らせるように貢献するのが目的であるから、補助金も出しており、これらのイヴェントが沢山の参加者によって成功すればするほど、予算を食うのだが、輪番制なので仕方なく(?)回って来る町内会の役員のみなさんたちが、ボランティア精神どころか、時には必死になって取り組まれている姿を見ていると、この町も捨てたものではないなあと思うことが多い。

   来年、新春早々、町内会で餅つき大会を予定しているが、町内会館の庭を利用して、在来型の日本の風習通りに、マキを炊いて蒸籠を蒸して、石臼で餅を搗くなどは当然のこととして、子供たちにも焼き芋などを焼いて貰っうなど趣向を凝らして雰囲気を盛り上げて楽しみたいと思っている。
コメント (1)
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