熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

梅雨時に咲き始めるツユクサ

2014年06月13日 | 花鳥風月・日本の文化風物・日本の旅紀行
   千葉のわが庭に、無造作に伸びあがって、傍若無人に咲き乱れていたツユクサなのだが、この鎌倉の新しい庭には、ひっそりと咲いている。
   庭の雑草で、抜かずにそのままの状態で成長するにまかせていた雑草は、このツユクサとスミレであったが、梅雨時から夏にかけて咲く、このツユクサの澄んだブルーが好きで、花が開くごとに、何となく、懐かしさを感じていた。

   この花は、非常に特殊なかたちをしていて、花が萎むと舟のような袋に種が残る。
   花弁は3枚あって、2枚は、ミッキーマウスの耳のように左右に広がるブルーだが、蕊を支えるように下に咲く花弁は、小さくて真白である。
   私は見たことがないのだが、ウィキペディアには、白いツユクサの写真が載っている。

   朝咲いた綺麗な花が、きらきら光りながら転げ落ちる朝露のように昼には萎んでしまう。
   この連想から「露草」と名付けられたというのだが、万葉集には、「月草」の表記が多いと言う。
   また、この花の色素で描いた絵は水に浸すとさっと消えてしまうので、友禅染めなどの描染の下絵用の染料として用いられてきたと言うのも面白い。

   先日、明月院にあじさいを見に行った時に、閉門時間の3時半を過ぎていたので、裏庭の菖蒲園に入れなかった。
   菖蒲も、ツユクサのように一日だけの花で、翌日の開門のために、その日に咲いた花がら摘みをするため作業に時間を取るので、早く閉園するのだと言っていた。
   草花を美しく咲かせるためには、適切な花がら摘みが非常に大切だが、ツユクサの場合には、花が小さいし、次から次に咲き続けるので、その心配はない。
   月下美人もそうで、朝顔など、夏の花に多いようだが、一日だけの花が結構多く、花の命は短いのである。

   このツユクサは、わが庭には、まだ、数株しかないので、今年はこのままにして、夏の終わりに株分けしようと思っている。
   
   
コメント
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