今年初めての観劇は、国立能楽堂の定例公演。
プログラムは、次の通りで、初春を祝う目出度い曲である。
能 老松 紅梅天女イロエノ働キ 金春 安明(金春流)
狂言 大黒連歌 大藏 吉次郎(大蔵流)
「老松」は、北野天満宮を信仰する都の梅津某(ワキ/高井松男)が、天神の霊夢を受けて筑紫の安楽寺にやってきて、紅梅殿(飛梅)と老松の神が、松と梅の目出度い故事を語り、もてなしの舞を舞い、君に長寿を授けるとの神託を告げて御代を祝す。
普通は、後場では、老松伸(後シテ)だけが登場するようだが、今回は、金春流で、紅梅天女イロエノ働キと言う小書きが付いているので、後ツレ紅梅殿(本田光洋)が登場する。
天女姿の後ツレが、先に出て常座に立ち、後シテは、一の松で、「如何に紅梅殿」と声をかける。
「真ノ序ノ舞」は、天女姿の後ツレが、荘重で優雅な舞を舞う。
その後、後シテが、イロエで舞台を厳かに回る。
詞章を見るまで知らなかったのだが、この能の最後に、日本の国歌君が代の一節「千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」が登場する。
実際は、「古今和歌集巻七賀歌巻頭歌、題しらず、読人しらず」の、
”我が君は 千代にやちよに さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで”が元の文章のようだが、何となく親しみを感じて聞いていた。
後シテは、「千代に八千代に、さざれ石の」と謡いながら、扇をかざして目付柱に向かって舞い、地謡が後を繋ぐのだが、老松神は、正に、神のいでたちであるから、実に荘重で厳かである。
面白いのは、この能で、北野天神、菅原道真が、登場するのは、アイ狂言で、アイが故事来歴を説明するところで登場するだけで、梅と松の故事来歴と目出度さを称える能となっており、道真にまつわる松と梅を正面から題材にせずに目出度さを寿ぐとした世阿弥の思い入れであろうか。
シテの金春安明宗家の神々しいまでに神聖を帯びた舞い姿、後ツレの本田光洋師優雅な序ノ舞。
私にとっては、素晴らしい観劇はじめの日であった。
狂言・大蔵流「大黒連歌」は、シテ/大黒天の大蔵吉次郎が、派手な衣装で登場し、大黒天の由来を一くさり、
お囃子と地謡を伴った祝祭仕立ての楽しい狂言であった。
プログラムは、次の通りで、初春を祝う目出度い曲である。
能 老松 紅梅天女イロエノ働キ 金春 安明(金春流)
狂言 大黒連歌 大藏 吉次郎(大蔵流)
「老松」は、北野天満宮を信仰する都の梅津某(ワキ/高井松男)が、天神の霊夢を受けて筑紫の安楽寺にやってきて、紅梅殿(飛梅)と老松の神が、松と梅の目出度い故事を語り、もてなしの舞を舞い、君に長寿を授けるとの神託を告げて御代を祝す。
普通は、後場では、老松伸(後シテ)だけが登場するようだが、今回は、金春流で、紅梅天女イロエノ働キと言う小書きが付いているので、後ツレ紅梅殿(本田光洋)が登場する。
天女姿の後ツレが、先に出て常座に立ち、後シテは、一の松で、「如何に紅梅殿」と声をかける。
「真ノ序ノ舞」は、天女姿の後ツレが、荘重で優雅な舞を舞う。
その後、後シテが、イロエで舞台を厳かに回る。
詞章を見るまで知らなかったのだが、この能の最後に、日本の国歌君が代の一節「千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」が登場する。
実際は、「古今和歌集巻七賀歌巻頭歌、題しらず、読人しらず」の、
”我が君は 千代にやちよに さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで”が元の文章のようだが、何となく親しみを感じて聞いていた。
後シテは、「千代に八千代に、さざれ石の」と謡いながら、扇をかざして目付柱に向かって舞い、地謡が後を繋ぐのだが、老松神は、正に、神のいでたちであるから、実に荘重で厳かである。
面白いのは、この能で、北野天神、菅原道真が、登場するのは、アイ狂言で、アイが故事来歴を説明するところで登場するだけで、梅と松の故事来歴と目出度さを称える能となっており、道真にまつわる松と梅を正面から題材にせずに目出度さを寿ぐとした世阿弥の思い入れであろうか。
シテの金春安明宗家の神々しいまでに神聖を帯びた舞い姿、後ツレの本田光洋師優雅な序ノ舞。
私にとっては、素晴らしい観劇はじめの日であった。
狂言・大蔵流「大黒連歌」は、シテ/大黒天の大蔵吉次郎が、派手な衣装で登場し、大黒天の由来を一くさり、
お囃子と地謡を伴った祝祭仕立ての楽しい狂言であった。
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