熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

初春の上海・江南紀行(5)蘇州:山塘街と白居易の運河

2017年01月19日 | 初春の上海・江南紀行
   白居易が、9世紀、長官時代に、蘇州城の閶門と虎丘を結ぶ運河の開削に伴って、建設したと言われている唐時代からの古い商店街が、山塘街である。
   賑やかな商店街が、運河と並行して運河沿いに広がっていて、町並み保存でリノベイトされた木造、白壁、黒い瓦の古い民家がずらりとひしめきあっていて、八百屋、果物屋、お惣菜屋など、庶民生活に直結した店も多くて、典型的なアクティブな中国人の町である。
  欧米人観光客にも人気とかで、結構外人観光客も多くて、結構賑わっているのだが、豊かになった中国人の観光客が非常に増えているのに、中国経済の活力を感じた。

   蘇州有情によると、”唐以降、山塘街は物資の集積する街となり、清の乾隆年間に描かれた「姑蘇繁華図巻」には「中華第一街」と称された繁栄の様が見てとれる。多くの文人墨客にも愛され、曹雪斤は「紅楼夢」の中で山塘街を「俗世間で一、二を競う風流にして富貴な土地」と紹介。乾隆皇帝は、1792年太后の70歳の祝いに北京の皇家庭園「颐和園」の北に山塘街を模して、蘇州街を建造している。”と言う。
   
   
   
   
   
   
   
   
   

   街路に沿って、商店が並んでいて、高級店も一般店舗も、そして、商売の種類も、雑多に入り組んでいて、個々に勝手に商売をしていると言った感じで面白い。
   しかし、かなり、立派な店構えの商店が多く、趣味には合いにくいが、興味深い品物が並んでいる。
   10年ほど前に、上海などを訪れた時に比べると、商品の質なり、商店のつくりなども、随分よくなってきているのが良く分かる
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   

   蘇州で、やはり、旅情を誘うのは、運河の種類が違うので、比較は難しいのだが、水の都ヴェニスにも似た運河沿いのエキゾチックな風景である。
   尤も、ヴェニスの場合には、運河沿いに正面玄関があるのだが、蘇州の場合には、街路側が玄関で、船着き場のある民家は殆どなく、料亭くらいであろうか。
   表の商店街の街並みとは違った、シックな雰囲気が何とも言えない感慨を呼び起こして、橋の上から眺めていても飽きない。
   日本でもそうだと思うが、都会などで、小さな川に面した住宅が如何に好まれるか、ロンドンに、ほんの僅かな面積しかないのだが、この蘇州のように川面の住宅地帯がリトル・ヴェニスと呼ばれて高級住宅地になっている。

   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   夜、蘇州運河ナイトクルーズに参加して、白居易が開削した運河の中から、夜の蘇州の風景を楽しんだ。
   ぼんやりと輝く雪洞の光を見ていると、”蘇州夜曲”のメロディが聞こえてくるような気がして、不思議である。
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
コメント
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