オペラについて、キーンは、色々な視点から、思いのたけを語っていて面白い。
まず、東日本大震災の直後、あこがれの日本に帰化して日本人になったのだが、一番悲しかったことは、16歳の時からほぼ人生の大半に亘って維持してきたMETの定期会員の資格を手放さざるを得なかったことだと言う。
最初は一番安い天井桟敷に始まって、次第に上席に移って行ったと言うことで、最後の定席は、4階のドレスサークル席の一番前列の中央あたりだったと養子キーン誠巳が述べている。経験上、舞台全体を見渡すのに最適であり、また、最も聴きやすい席だと言うのである。
私は、一度だけ、カール・ベーム指揮の「ばらの騎士」の時に、このあたりの席で観たことがあるが、舞台まではかなり遠くて、METへは10回くらいは行っているが、千載一遇のチャンスだと思っていたので、何時も無理をして、中2階のグランドティア席か、出来るだけ平土間の前の方の席のチケットを取って観ていた。
東京での5万や6万もするMETやスカラ座、ロイヤル・オペラ、ウィーン国立歌劇場などのオペラ公演とは違って、学生や安サラリーマンの私にも、まだ、手が出せたのである。
キーンのニューヨークのMET離れを癒したのは、世界の映画館で、ハイビジョンでライブ中継されるLive in HD、すなわち、METライブビューイングで、勿論ナマの公演とは違うが、METのオペラを鮮明な大画面と臨場感あふれる音響で劇場サイズで楽しめる、これを幸運と言わずして何と言うか、と言っている。
私も、これには、全く同感で、数年前までは、世界のトップ・オペラ公演を観に東京へ出かけて行ったのだが、私の場合には、年金生活でもあって、最近では、このMETライブビューイングで満足している。
METで過ごした時間や思い出も十分であるし、ロイヤル・オペラなど4~50回は通ったし、ウィーンやミラノ、ロシア、チェコなどの思い出も含めて、ナマ公演とオペラ劇場の雰囲気や臨場感は、記憶の中に残っているので、それで良し、と慰めてはいる。
来週、METライブビューイングでは、ワーグナーの「ワルキューレ」が公演されるが、私は、ニューヨークと東京で、2回ドミンゴの舞台を観ており、前のMETライブビューイングでも楽しんだし、ロイヤルでもハイティンク指揮の舞台を観ているので、好きなオペラであり、楽しみにしている。
定期会員のメンバーチケットについては、日本でも同じだと思うが、良い席のチケットは、熱心なファンが抑えていて、中々取得困難である。
最初、取得したのは、フィラデルフィア管弦楽団で、この時は、留学でフィラデルフィアについて真っ先に訪れたのが本拠地のアカデミー・オブ・ミュージックで、幸い、シーズンの切り替え時期で、直前にキャンセルが出て2席取得でき、
次に、アムステルダムのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のチケットも、翌年の切り替え時期に、3シリーズを抑えることができた。
このフィラデルフィアやコンセルトヘボウの場合には、席数も限られているし、伝統ある古都という都市の性格もあろうと思うのだが、親子から孫へと継承されていて、市場にでることは少なくて、取得は非常に困難なのである。
オペラでは、ロンドンのロイヤル・オペラで、幸い良いメンバーチケットを取得でき、4年間維持して、それまで、スポットで四苦八苦しながら取得していたのから解放されてほっとした。
ロンドンは、正に世界の音楽市場の最たるもので、公演も多くて、ロンドン交響楽団のメンバーチケットの取得は非常に楽で、帰国時に更改しなかったら、どうするのだと電話が掛かってくるくらいであった。
いずれにしろ、定期会員で、シーズンの公演チケットを維持しておくと、ソールドアウト気味の特別な人気公演をミスることなくなく鑑賞できることで、かなり、割引があるので、1回や2回、行けなくても、それ程損にはならないと言うことである。
それに、会員券には含まれていない公演については、適当にチケットを手配すれば良いのである。
尤も、ロイヤル・オペラの場合、パバロッティやドミンゴの出る公演は、時には別枠となることもあったが、幸いメンバーには、プライオリティがあって、高価だったが取得できた。
帰国時に、このロイヤル・オペラの定期会員権を手放さざるを得なかったが、やはり、通い慣れて、オペラを楽しんでいたこの劇場、そして、色々の思い出のつまったコベントガーデンのレストランや商店や野外市、街頭パフォーマンス、ミュージカル劇場などなどの雑踏と独特の雰囲気から離れるのが、無性に寂しくなったのを覚えている。
その後、オペラハウスは、改装されてパブリックスペースが素晴らしく整備されて立派になったが、何回か訪れて楽しんでいた。
取得困難イギリスの永住権を持っていたので、イギリスに移り住んでも良いかなあ、と思っていた時期があったのである。
まず、東日本大震災の直後、あこがれの日本に帰化して日本人になったのだが、一番悲しかったことは、16歳の時からほぼ人生の大半に亘って維持してきたMETの定期会員の資格を手放さざるを得なかったことだと言う。
最初は一番安い天井桟敷に始まって、次第に上席に移って行ったと言うことで、最後の定席は、4階のドレスサークル席の一番前列の中央あたりだったと養子キーン誠巳が述べている。経験上、舞台全体を見渡すのに最適であり、また、最も聴きやすい席だと言うのである。
私は、一度だけ、カール・ベーム指揮の「ばらの騎士」の時に、このあたりの席で観たことがあるが、舞台まではかなり遠くて、METへは10回くらいは行っているが、千載一遇のチャンスだと思っていたので、何時も無理をして、中2階のグランドティア席か、出来るだけ平土間の前の方の席のチケットを取って観ていた。
東京での5万や6万もするMETやスカラ座、ロイヤル・オペラ、ウィーン国立歌劇場などのオペラ公演とは違って、学生や安サラリーマンの私にも、まだ、手が出せたのである。
キーンのニューヨークのMET離れを癒したのは、世界の映画館で、ハイビジョンでライブ中継されるLive in HD、すなわち、METライブビューイングで、勿論ナマの公演とは違うが、METのオペラを鮮明な大画面と臨場感あふれる音響で劇場サイズで楽しめる、これを幸運と言わずして何と言うか、と言っている。
私も、これには、全く同感で、数年前までは、世界のトップ・オペラ公演を観に東京へ出かけて行ったのだが、私の場合には、年金生活でもあって、最近では、このMETライブビューイングで満足している。
METで過ごした時間や思い出も十分であるし、ロイヤル・オペラなど4~50回は通ったし、ウィーンやミラノ、ロシア、チェコなどの思い出も含めて、ナマ公演とオペラ劇場の雰囲気や臨場感は、記憶の中に残っているので、それで良し、と慰めてはいる。
来週、METライブビューイングでは、ワーグナーの「ワルキューレ」が公演されるが、私は、ニューヨークと東京で、2回ドミンゴの舞台を観ており、前のMETライブビューイングでも楽しんだし、ロイヤルでもハイティンク指揮の舞台を観ているので、好きなオペラであり、楽しみにしている。
定期会員のメンバーチケットについては、日本でも同じだと思うが、良い席のチケットは、熱心なファンが抑えていて、中々取得困難である。
最初、取得したのは、フィラデルフィア管弦楽団で、この時は、留学でフィラデルフィアについて真っ先に訪れたのが本拠地のアカデミー・オブ・ミュージックで、幸い、シーズンの切り替え時期で、直前にキャンセルが出て2席取得でき、
次に、アムステルダムのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のチケットも、翌年の切り替え時期に、3シリーズを抑えることができた。
このフィラデルフィアやコンセルトヘボウの場合には、席数も限られているし、伝統ある古都という都市の性格もあろうと思うのだが、親子から孫へと継承されていて、市場にでることは少なくて、取得は非常に困難なのである。
オペラでは、ロンドンのロイヤル・オペラで、幸い良いメンバーチケットを取得でき、4年間維持して、それまで、スポットで四苦八苦しながら取得していたのから解放されてほっとした。
ロンドンは、正に世界の音楽市場の最たるもので、公演も多くて、ロンドン交響楽団のメンバーチケットの取得は非常に楽で、帰国時に更改しなかったら、どうするのだと電話が掛かってくるくらいであった。
いずれにしろ、定期会員で、シーズンの公演チケットを維持しておくと、ソールドアウト気味の特別な人気公演をミスることなくなく鑑賞できることで、かなり、割引があるので、1回や2回、行けなくても、それ程損にはならないと言うことである。
それに、会員券には含まれていない公演については、適当にチケットを手配すれば良いのである。
尤も、ロイヤル・オペラの場合、パバロッティやドミンゴの出る公演は、時には別枠となることもあったが、幸いメンバーには、プライオリティがあって、高価だったが取得できた。
帰国時に、このロイヤル・オペラの定期会員権を手放さざるを得なかったが、やはり、通い慣れて、オペラを楽しんでいたこの劇場、そして、色々の思い出のつまったコベントガーデンのレストランや商店や野外市、街頭パフォーマンス、ミュージカル劇場などなどの雑踏と独特の雰囲気から離れるのが、無性に寂しくなったのを覚えている。
その後、オペラハウスは、改装されてパブリックスペースが素晴らしく整備されて立派になったが、何回か訪れて楽しんでいた。
取得困難イギリスの永住権を持っていたので、イギリスに移り住んでも良いかなあ、と思っていた時期があったのである。