團菊祭五月大歌舞伎は、菊之助の長男尾上丑之助襲名初舞台公演で話題を呼んでいる。
私が観たのは夜の部で、プログラムは、
令和慶祝 鶴寿千歳、
絵本牛若丸、
京鹿子娘道成寺、
曽我綉俠御所染 御所五郎蔵
「絵本牛若丸」が、その初舞台公演で、
この作品は、昭和59年の六代目尾上丑之助(現 菊之助)初舞台披露のため、村上元三によって書き下ろされた作品で、時を経て、今回、新丑之助が牛若丸となって、源氏の再興を夢見て旅立つ舞台である。ポスターのように、中央でしっかりと足を踏ん張って、六韜三略虎の巻を手に持つ牛若丸は、頼もしい立ち姿を見せて、祖父の両人とも人間国宝と言う歌舞伎界最高峰の菊五郎と吉右衛門、そして父の菊之助をはじめとした多くの俳優らが舞台に登場し、丑之助の歌舞伎俳優としての門出を華やかに祝う。と言う趣向である。
牛若丸と弁慶のイラストは、宮崎駿監督による絵で、意匠の原画はロビーに展示されていたとかだが、見過ごしたけれど、
祝幕には、この宮崎駿監督の意匠を背景に、鞍馬山と京の都、そして音羽屋の家紋が描かれていた。


両祖父の菊五郎の鬼次郎、吉右衛門の鬼一法眼と一緒に舞台中央にせり上がって夜叉王義経の丑之助が登場、劇中で、父の菊之助が加わって、口上になって「宜しくお願いします」と挨拶する丑之助に盛大な拍手と「音羽屋!」の掛け声、攻め来る平家の侍に「ちょこざいな。牛若丸の手並みを見よ!」と言い放って、派手な立廻りを披露して薙ぎ倒して、奥州へと旅立つべく、菊之助の弁慶に肩車されながら花道を去って行く。
30分一寸の短いご祝儀舞台だが、時蔵、雀右衛門、海老蔵、松緑、左團次など人気役者が登場して、華を添える。
随分、前に、文楽で、鶴澤寛太郎の披露口上で、初代吉田玉男が、サラブレッドと言う表現で披露していたが、この表現はともかくとして、伝統継承の最たる日本古典芸能の家が総ての梨園としての歌舞伎界での七代目丑之助の恵まれた境遇は、素晴らしい未来を予言しているようで、非常にエポックメイキングな舞台であったような気がしている。
次は、女方舞踊の大曲、「京鹿子娘道成寺」で、これを美しくて格調の高い華麗な舞台として見せて魅せるのは、玉三郎と菊之助以外にはいないであろう。
その菊之助の白拍子花子が、衣装を取り換え引き換えて、引抜きで衣裳を替えて日本芸術の極致を披露し、優美で美しい踊りで観客を魅了、
ラストシーンで、鐘の上によじ登って見せる執念の化身として蛇体に姿を変えた花子の妖艶な美しさ、
私は、歌舞伎や能の衣装の凄さ美しさに、途轍もない日本文化の美意識と美的感覚の極致を実感して感激し続けている。
夜の部の團菊愛祭と銘打って演じられた夜の部で、團菊らしき舞台は、丑之助披露公演とこの菊之助「京鹿子娘道成寺」。
昼の部の海老蔵の「勧進帳」や菊五郎の「め組の喧嘩」の方が、團菊祭と言えたのであろう。
「令和慶祝 鶴寿千歳」と 「曽我綉俠御所染 御所五郎蔵」も、興味深い舞台で楽しませてもらった。
私が観たのは夜の部で、プログラムは、
令和慶祝 鶴寿千歳、
絵本牛若丸、
京鹿子娘道成寺、
曽我綉俠御所染 御所五郎蔵
「絵本牛若丸」が、その初舞台公演で、
この作品は、昭和59年の六代目尾上丑之助(現 菊之助)初舞台披露のため、村上元三によって書き下ろされた作品で、時を経て、今回、新丑之助が牛若丸となって、源氏の再興を夢見て旅立つ舞台である。ポスターのように、中央でしっかりと足を踏ん張って、六韜三略虎の巻を手に持つ牛若丸は、頼もしい立ち姿を見せて、祖父の両人とも人間国宝と言う歌舞伎界最高峰の菊五郎と吉右衛門、そして父の菊之助をはじめとした多くの俳優らが舞台に登場し、丑之助の歌舞伎俳優としての門出を華やかに祝う。と言う趣向である。
牛若丸と弁慶のイラストは、宮崎駿監督による絵で、意匠の原画はロビーに展示されていたとかだが、見過ごしたけれど、
祝幕には、この宮崎駿監督の意匠を背景に、鞍馬山と京の都、そして音羽屋の家紋が描かれていた。


両祖父の菊五郎の鬼次郎、吉右衛門の鬼一法眼と一緒に舞台中央にせり上がって夜叉王義経の丑之助が登場、劇中で、父の菊之助が加わって、口上になって「宜しくお願いします」と挨拶する丑之助に盛大な拍手と「音羽屋!」の掛け声、攻め来る平家の侍に「ちょこざいな。牛若丸の手並みを見よ!」と言い放って、派手な立廻りを披露して薙ぎ倒して、奥州へと旅立つべく、菊之助の弁慶に肩車されながら花道を去って行く。
30分一寸の短いご祝儀舞台だが、時蔵、雀右衛門、海老蔵、松緑、左團次など人気役者が登場して、華を添える。
随分、前に、文楽で、鶴澤寛太郎の披露口上で、初代吉田玉男が、サラブレッドと言う表現で披露していたが、この表現はともかくとして、伝統継承の最たる日本古典芸能の家が総ての梨園としての歌舞伎界での七代目丑之助の恵まれた境遇は、素晴らしい未来を予言しているようで、非常にエポックメイキングな舞台であったような気がしている。
次は、女方舞踊の大曲、「京鹿子娘道成寺」で、これを美しくて格調の高い華麗な舞台として見せて魅せるのは、玉三郎と菊之助以外にはいないであろう。
その菊之助の白拍子花子が、衣装を取り換え引き換えて、引抜きで衣裳を替えて日本芸術の極致を披露し、優美で美しい踊りで観客を魅了、
ラストシーンで、鐘の上によじ登って見せる執念の化身として蛇体に姿を変えた花子の妖艶な美しさ、
私は、歌舞伎や能の衣装の凄さ美しさに、途轍もない日本文化の美意識と美的感覚の極致を実感して感激し続けている。
夜の部の團菊愛祭と銘打って演じられた夜の部で、團菊らしき舞台は、丑之助披露公演とこの菊之助「京鹿子娘道成寺」。
昼の部の海老蔵の「勧進帳」や菊五郎の「め組の喧嘩」の方が、團菊祭と言えたのであろう。
「令和慶祝 鶴寿千歳」と 「曽我綉俠御所染 御所五郎蔵」も、興味深い舞台で楽しませてもらった。