熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

文化三昧ミラノ・ロンドン旅・・・17 大英博物館、ミイラと歌舞伎の特別展

2005年08月02日 | 欧州紀行(文化三昧ミラノ・ロンドン旅)
   ロンドンに行った時には必ず、大英博物館に行く。
   子供の頃から、あのパルテノンに憧れて、壮大な叙事詩絵巻・エルギンマーブルのフリーズを見たかったのである。
   結局、ギリシャのパルテノンの方を先に見てしまったが、しかし、はじめて見たときのあのフリーズの輝きは圧倒的であった。
   昔、興銀の代表者交代パーティが、この大英博物館で行われたが、挨拶をした後は、ずっとこのギリシャ室に居たように思う。殆ど人の居ない部屋でのギリシャの神々との対話は、正に至福の瞬間であった。

   今回は、コベントガーデンのマチネーが迫っていたので、小一時間しか余裕がなかったが、ミイラと歌舞伎の特別展を見て、エジプト室等を訪れて帰ってしまった。

   私が帰国してから、大きく改装されて、シンプルになり見やすくなった。
   正面入って通り抜けると中庭に出て、もうその正面が壮大な図書館。昔は、何か奥の方にある暗い感じがして、マルクスが通って資本論を書いていたと言われればサモアリナンと言った感じの雰囲気であったが、今は、オープンで明るく気持ちが良い。
   あのマルクスだが、ソーホーに「クオバディス」と言うイタリアレストランがあって、その上階にマルクス一家が住んでいた屋根裏部屋があり、私は、良くイタリアンを食べに出かけて、この部屋を訪ねた。
   マル経は反対だったが、偉大な業績には違いなく、大英博物館からの帰り道、マルクスの歩いた道を辿りながらレストランに行った事があるが、何か産業革命後の喧騒なイギリス社会が見えるような気がして楽しかった。

   図書館外構の外の螺旋階段を登ると特別展示室があって、ここで「MUMMY : THE INSIDE STORY」が開かれている。
   3000年前のカルナックの神官Nesperennubの、まだ開いたことのないミイラを、CTスキャンにかけて、資料収集分析して、ユニークなバーチャル・ミイラに変換して、実際の顔や身体を再現し、当時の古代エジプト人の生や死の世界を解き明かそうとする試みである。
   会場には、例の立体めがねを付けて入るのであるが、特別スクリーンには、まさに臨場感溢れるミイラの内部や古代エジプトの世界が展開されるのである。

   「KABUKI HEROES on the Osaka stage 1780-1830」は、日本館で行われていた。
   錦絵や版画、古書などを中心に歌舞伎の世界を紹介する展示会で、Rikan(璃寛)と Shikan(芝翫)とのライバル対決を軸に当時の大阪歌舞伎を再現しているのであるが、歌舞伎ファンの私にも専門的で分からない世界で、恥ずかしい思いをしながら見ていた。
   場外に年末に坂田藤十郎を襲名する中村鴈治郎の華麗な舞台写真がディスプレイされていたが、来月初旬に鴈治郎の実演があるようである。

   エジプトやアッシリヤの彫刻などを小走りで見て大英博物館を出たが、1週間もロンドンに居ながら、今回は、観劇に時間を取られて、その後は、ナショナルギャラリーを楽しむのがやっとであった。


   
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