熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

兼高かおる 、曽野綾子著「わたくしたちの旅のかたち 」その3

2017年10月06日 | 書評(ブックレビュー)・読書
   わたくしたちの「世界の旅」は、まだまだ続きますわね。と、四捨五入すれば、90歳のお姉さんたちは、元気な言葉で、この本を〆ている。
   シニア世代へのお勧めだといって、
   クルーズの旅、
   ツアーに参加する旅
   を挙げている。

   兼高さんは、若い時は旅は学びの場であったが、歳を取ったら、ただリラックスして楽しむ旅でもいいじゃないか。」と言う。
   船はエレベーターがあって階段を使わなくてもよいし、スタッフが総て面倒を見てくれるので、クルーズの旅は良いと、ハワイを往復する「飛鳥」の思い出を語る。
   曽野さんは、「クリスタル・セレニティ」の船旅を、語っている。
   
   横浜港に接岸中の飛鳥

   私は、まだ、このクルーズには参加した経験がないので、何とも言えないが、一度、フィンランドのヘルシンキから、バルチック海を、スウェーデンのストックホルムまで、豪華船で1泊して渡ったことがある。
   ロンドンにいた頃、夏の休暇での北欧の旅の途中である。
   巨大なフェリーを兼ねた客船で、多少は、クルーズ船に似た観光船であろう。
   全く、関係ないのだが、仕事で、マレーシアのセランゴールのサルタンの出迎えに、横浜港へ停船中のクイーンエリザベス二世号の中に入ったことがあるが、前の船だったので、随分古ぼけた船だなあと思ったことがある。

   経営者研修で一週間の飛鳥の船旅を経験した娘婿が、豪華船飛鳥の旅の経験を話してくれていたが、搭乗者の平均は71歳とかで、リピーターが多いのだと言う。
   日本人の預貯金の大半を所持している富裕層の老人たちの格好の娯楽だと言うことのようである。
   先日、国立劇場で、文楽を楽しむ飛鳥の旅のチラシを見たのだが、あの手この手で富裕な趣味人を取り込もうと言う戦術の一環であろうが、旅と合体した良質な豪華客船での船旅は、マーケティングとしても非常に当を得たセグメンテーションで、高齢社会であるから、益々、伸びるであろうと思う。

   私自身は、それほど、クルーズには興味はないが、あのプラトンが説いたアトランティスだと言われているサントリーニ島には、行きたいと思っているので、ギリシャから出帆して島々を巡る地中海クルーズには、行ければ行きたいとは思っている。

   さて、兼高さんは、出入国の手続きやホテルや車の手配、言葉の心配をするより、そういう事は添乗員に任せて、とにかく、旅をエンジョイする、シニア世代には、ツアーに参加するのが良いと薦めている。
   曽野さんは、ベルリン・フィルの演奏会を聴きたくてツアーに一人で申し込んだと言う。

   私は、一泊以上した外国は、仕事もプライベートも含めて、40ヵ国以上で、随分、外国を歩いているが、業務上、エージェントを使ったことはあるが、視察旅行やオフィシャルな旅以外は、殆ど、私自身で、スケジュールの作成から、旅の手配等一切をやってきた。
   1973年のヨーロッパ家族旅から初めて、クックの時刻表やミシュランのレッドとグリーンのガイドをはじめとして、主に、欧米の旅行ガイドや地図、解説書を頼りにして、インターネットが普及してからは、インターネットを駆使して、やってきたのだが、幸いにも、殆ど、問題らしきものが起こったことがない。

   元々、大学の受験科目でもあったので、世界史と世界地理には、非常に興味を持って勉強し続けて来たし、歴史遺産は勿論、絵画や彫刻、音楽や芝居など芸術鑑賞にも大いに関心があったので、人のお仕着せの旅のスケジュールでは満足できなかったと言うこともあると思う。

   このブログを書き始めたのは、2005年以降なので、旅のブログは、
   欧州紀行(文化三昧ミラノ・ロンドン旅)(31)
   ニューヨーク紀行(15)
   晩秋のロシア紀行(16)
   初春の上海・江南紀行(12)
   だけだが、欧州紀行とニューヨーク旅は、私の海外旅行の典型例で、オペラやシェイクスピア、博物館美術館巡りなどの文化旅である。

   ところが、最近のロシア旅と中国旅は、ツアーに参加した海外旅行であった。
   まず、ロシアは、何かルートがないと、個人旅行は難しく、頃合いのJALパックがあったので、それに乗った。
   私自身がやったのは、ロシア入国ビザの取得と、マリンスキー劇場とボリショイ劇場のチケットの手配だけ。
   中国旅行は、前にやった殆ど同じルートの個人旅行は、すべて自分で手配したのだが、今回は、同じなら安い方が良いと思って、完全にツアーに乗った。
   それに、この旅は、中国がどう変わったのか、それを知りたくて行った中国旅行だったので、ツアーの方が楽だと思ったのである。

   まだ、多少、自分の趣味嗜好を楽しみたいと言う思いが残っているので、アメリカやヨーロッパに旅をするのなら、旅行会社任せのツアーよりは、やはり、個人旅行になるであろう。
   ツアーに参加したとしても、オプションの多いツアーを選ぶか、個人の自由が利く旅を選ぶであろうと思う。
   今回のJALパックの番外のボリショイ劇場などの鑑賞は、先に予約を入れて既成事実を作ってしまったので、エージェントとしては、あまり、嬉しくないことなのであろうが、やはり、お仕着せスケジュールでは、旅行慣れした人間には、好みに合わないことが結構多いのである。
   しかし、あれも観たいこれも見たいと言うのは、貧乏根性の表れなのかもしれない、歳も歳だし、もう少し、大人(?)になって、兼高さんが仰るように、リラックスして旅をエンジョイすることだと、言う気持ちも分かっているつもりではある。
   
   
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 兼高かおる 、曽野綾子著「わ... | トップ | 鎌倉国宝館「国宝鶴岡八幡宮... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

書評(ブックレビュー)・読書」カテゴリの最新記事