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ニューズウィーク電子版に、
「アメリカを「脱出」したいアメリカ人の割合が史上最高の5人に1人に急増 Record High Number of Americans Want to Leave: Poll」と言う興味深い記事が出ていた。
ギャラップが実施した新しい世論調査によると、アメリカを脱出して海外へ移住したいと考えるアメリカ人の数が過去最高に達した。
<アメリカを脱出したい理由について、「政治的な二極化」を挙げる専門家も。世界の移民の行き先としての人気も落ちている>と言うのである。
もちろん、カナダ人やアメリカ人の20%が、明日にでも荷物をまとめて国を出ようとしているというわけではないが、彼らが国を出たがっているという事実は注目に値する」
アメリカを去りたいという願望が、アメリカ人の間で何十年も上昇し続けている。2024年3月に発表されたモンマス大学のレポートによると、アメリカから脱出したいと願うアメリカ人の数は、1974年と比べて3倍になっており、アメリカ人の34%が「できることなら他の国に定住したい」と答えたとしている。
「移住願望を表明することと、実際に移住することの間には、常に大きな溝がある」。「移住は、人生において人が下しうる最も大きな決断のひとつだ。その決断からは、愛する人との別れ、転職や転居、新しい社会への適応、そして、多くの場合は言葉の問題など、数え切れないほどの変化が生まれる」と言うことにしてもである。
これらの世論調査は「自国内における人々の満足感を示すバロメーターのようなもの」であり、「アメリカを離れたいと言う人が増えているのは、政治的ニ極化が強まり、この国が間違った方向に進んでいることを感じているからだろう」と 言う。
もっと驚くべきは、ロイター電子版の即刻の報道、
「米国で海外移住への関心高まる、トランプ氏大統領選勝利に失望」である。
米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利したことで、海外移住への関心が米国内で急激に高まっている。
グーグルのデータによると、5日に米東海岸で投票が締め切られてから、 カナダ、オーストラリア、ニュージーランド3カ国への移住に関する検索がいずれも過去最高を記録したという。
エジソン・リサーチの出口調査によると、有権者の約4分の3が米国の民主主義が脅かされていると答えた。またトランプ氏の復帰によって、人種やジェンダー、教育、生殖に関する権利などの問題で、民主党と共和党の間で一段と分断が広がることを多くの人が懸念している。と言う。
かって、アメリカには、頻繁に出かけたり、2年間住んだことがあるが、随分昔の話で、何とも言えないが、アメリカ人の20%もの多くが外国に移り住みたいと考えているとは驚きである。
何故移住したいのか理由は定かではないが、私が気になったのは、政治的ニ極化の強まりやトランプ政治への不安だという見解である。
今回の大統領選挙で、アメリカ社会が、水と油の修復不可能な二極化によって真っ二つに分断されていることが、今まで以上にはっきりと露呈された。
アメリカの政治社会経済の病巣の殆どは、この政治的二極化に起因していると言っても間違いではなかろう。
ところが、今回の選挙で、トランプ大統領の返り咲きのみならず、上院下院とも共和党の過半数確保の勝利によって、共和党がトリプルレッドを達成して、アメリカの政治を取り巻く環境は、一気に共和党天下となってしまった。
ピーター・ベイカー曰く、「選挙公約に従えば、大統領職の権力をさらに強化し、「ディープステート」を屈服させ、両党とメディアの「反逆者」政敵を追い詰めることになるだろう。」
即刻、復讐劇が始まるのか、
殆ど白紙委任状を手にした独裁者を標榜するトランプの政治劇が開幕する。
これまで、カウンターベイリング・パワーが働いて、幾多のアメリカの難局を乗り越え歴史的危機を救ってきた。アメリカの良心、英知や良識が作動するのかどうか。
尤も、トランプの今後の4年間が吉と出るか凶と出るか全くわからない。
少なくとも、ハリス政権であったら、アメリカも世界も殆ど大きな変化を期待できなかったであろう。
その意味では、トランプ政権の推移次第では、大きく情勢は変わってくる可能性が高いが、とにかく、民主主義がどうなろうと、頭を打とうと、
アメリカは、行き着くところまで、突き進む以外に道がなかろう。