メタファーで考える 「教育とスポーツ」

昨日、学年の指導について担任二人で話し合いをしました。その際に出てきた話題が面白いものだったので紹介します。


子ども達の人間関係をもっと良くしていきたいと思っている私たちは、マインドマップを使って状況分析をしていきました。その際に使った方法は、ひとつひとつのブランチに出てきた言葉すべてに「なぜ?」という問いかけをくり返すというやり方です。例えば、「頑張り」と出てきたら「なぜ?」と自問し「自覚」と自答、さらに「なぜ?」と自問、「6年生」と自答。これをくり返すことで、問題の原因把握や解決方法にたどり着くことができます。

この作業の結果、我々二人はあることに気づきました。

学級経営(教育)には「攻め」と「守り」があるということです。

子ども達が起こす問題を未然に防いでいこうとする指導は「守り」の指導であり、子ども達のコンフォートゾーンを高いレベルに上げていって問題を起こすことなど考えなくなるように指導していくのが「攻め」の指導です。

サッカーにもディフェンスとオフェンスがあります。
「教師チーム」の相手は「強豪・子どもチーム」だとしましょう(笑)

子どもチームは様々な難題を教師チームに投げかけるという攻撃をしてきます。複雑な戦法を巧みに使って教師側ゴールエリアに攻め込み、ガンガンシュートを打ってきます。実力差があった場合は、子どもチームにシュートを決められて、0-10とか0-20で負けてしまうかもしれません。そして守ってばかりいるとチームは精神的にも肉体的にもスタミナが切れてしまうことでしょう。

ということで、組織的な最強の守りは必要ですが、起きた問題(相手の攻め)に対処していくディフェンス指導ばかりをしていると、そのうちに組織を崩されて負けてしまいますね。


そこで、たびたび反転攻勢に出なくてはならないのです。オフェンスです。

昨日、私たちが考えた「攻め」の指導とは何か?
これをプロ野球のバッターに喩えてみます。教師がバッター、子ども達がピッチャーです。

ピッチャー(子ども達)は1試合を完投するためにバッター(教師)が打てないボール(問題)をたくさん投げてきます。このボール球全部に手を出していたら三振してしまいます。見逃すことも必要なのです。よ~くボールを見極めなくてはなりません。ピッチャー(子ども達)が1試合100球投げてきたら、ど真ん中のストライクが2~3球はあるはずです。バッター(教師)は、このど真ん中ストライクを最高の集中力で、いつでもねらっていて打ちそこねないようにしましょう。
ど真ん中に投げてきたら「逆転満塁ホームラン」だ!
ドカ~ンと打っちゃおう!

では、その「ストライク」とは何でしょうか?

それは、子ども達の「良さ」です。

「4番バッター・先生」はときおり子ども達が見せる「ポジティブな良さ」という投球を最高の集中力でつかみ、思いっ切りホームランを打っちゃいましょう!

子ども達が前向きな行動・発言をした瞬間に、最高のタイミングで「褒める」こと。これがホームランです。ホームランを打つと必ず子ども達の歓声があがります。本当に歓声があがるんですよ、教室に。
それができた時には「ナイスバッティング!」と教師である自分自身まで褒めちゃいましょう。こうして個人コンフォートゾーンも集団コンフォートゾーンもグググ~ッと上げちゃうのです。


同僚は、
「うんうん、そうですね!『攻撃こそ最大の防御なり!』ですよね! よく分かりました!」
と納得。私も、
「守りは苦しいし疲れる、攻めは楽しいよね。この攻めと守りのバランス感覚を常に意識していこう。そしてストライクは必ずホームランを打っていこう。サッカーだったら少ないシュートチャンスを確実に決めていこう。」
とまとめました。


職員室内で、こんな話を大きな声でしているので、耳に入った新任のF先生も興味津々で話に参加してきました。
これが「井上流OJT」ってやつですよ!
斎藤喜博先生がご自分の学校でやっていたことですけどね。


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児玉光雄
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