地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

初秋のソウル鉄三昧 (9) ELムグンファ

2007-11-01 08:08:26 | 韓国の鉄道


 これまでの韓国ネタはディーゼル機関による動力集中式列車を中心にご紹介して来ましたが、ここにきて韓国の在来線を急速に席巻しつつある (?) のが電気機関車です。もともと韓国の電化路線は、首都圏電鉄を除けばもっぱら山岳部を中心に石炭・セメントを運ぶ産業路線に限られ、おフランス風ゲンコツスタイルの貨物用ELの天下となっていたわけですが (日本が残したEF15の標準軌版・デロイ&デロニは全車北朝鮮のものとなり消息不明)、ここに来てKTXが在来線にも直通する関係上、大動脈である京釜線・湖南線を中心として、平坦な路線での電化も急速に進みつつあります。恐らく、北朝鮮との戦争の可能性も低くなっていることから、老朽化しつつあるDL牽引列車の置き換えをELや電車で行っても良いだろうという判断もあるのでしょう。
 そこで、つい最近まではもっぱらDLが牽引していた京釜線のムグンファも、にわかにELの天下となりつつあるような気配が漂っておりました……。



 今回観察したところでは、基本的に京釜線内オンリーのムグンファと、湖南 (ホナム) 線の光州 (クワンジュ)・木浦 (モッポ) へ向かうムグンファは、最新のドイツ風スタイルのELによる牽引に置き換えられ、アメロコ風DLの轟音がうそのように軽快に走り去っておりました。いっぽう、全羅 (チョルラ) 線の麗水 (ヨス) および長項 (チャンハン) 線へと向かうムグンファは電化工事が完成していないためDL牽引ですが、とくに長項線は電化のあかつきには日立製電車の世界になるとも伝えられますので、ソウル近辺の京釜線複々線区間でDL牽引ムグンファの勇姿を目にしたいと思う方はお早めにどうぞ……。
 でもまぁ、EL牽引のムグンファにはそれなりの濃いぃ楽しみ方もあります。それは……既にお気づきの方もおられると思いますが、車両と電化設備の超ごた混ぜぶり! かつて日本の技術支援のもとで交流電化が始まった関係で日本風の架線柱が林立する中を、ドイツ風の機関車が、これまた日本の新幹線風の車体を持つ電源車、そして日本の電車特急風の車体に私鉄風の分散クーラーを載っけたムグンファ客車を牽引するわけですから、これはもう鉄道ビビンバ状態 (^^;)。韓国国鉄はこれから一層電化が進むはずですが、こういう何でもあり状態もいつまでも続いて欲しい……と思うのでした (^_^;;)。
 韓国のカマシリーズは取りあえず完結。次回以降は電車編です~。