
「電車運行維持のために、ぬれ煎餅を買って下さい!」という銚子電鉄公式HPの緊急告知が全国に衝撃を与えて以来、早いもので約1年。その間には、鉄道趣味界には限らない本当にさまざまな動きがありました。とくに、ぬれ煎餅の爆発的な売れ行きやサポーターズクラブの募金、そして何よりも乗客数の急増などを通じて、銚子電鉄は奇跡的なほどの勢いで国土交通省からの改善命令をクリアし、一日も運行本数を減らすことなく銚子近郊の気軽な足として走り続けています。
そんな銚子電鉄、個人的には危機発覚の直後と今年2月に立て続けに訪れたのですが、その後は他の路線ばかり巡っていたため少々ご無沙汰になってしまいました (^^;)。そこで、その間の変化が大きかった分、具体的にどれだけ違いを感じられるだろうか……と思いまして、危機と再生1周年を期に久々に訪れてみました。
最近銚子を訪れる際の定番となっている、成田10:40発の銚子行き (113系 ^o^) にまったりと揺られること約1時間20分。銚子で下車後は醤油の香りが漂う方向にフラフラと歩くこと数分で仲ノ町駅に到着します。そこで待ち構えていたのは……何と、ラムネ色のツートンカラーに塗り直されたばかりのデハ702!!

非ワンマンのデハ702は日常的には予備車的存在であり、今年の2月に仲ノ町を訪れた際も、ゴリラHMを剥がした部分以外は色褪せた車体がそこはかとなく痛々しい雰囲気を漂わせ、所在なげに佇んでいました。しかし、その後は何よりも団体客の急増によって、この車両にも幸運の女神が舞い降りたようで、土日を中心とした増結運用に動員される機会が増えたようです。そしてめでたく検査費用が確保され、このようなピカピカな姿に! (*^^*)
しかも……薄い小豆色+ベージュの旧塗装よりもさらに昔の旧塗装であるラムネ色のツートンカラーが復活したのは、何と言っても狂喜に値します \(^O^)/。この塗装は、たしか1970年前後までの記録として、雑誌などで見たことがあるだけですが、褪色した写真の奥に広がる旧型電車たちや古き良き沿線風景の組み合わせを頭の中でレタッチしながら (^^;)、「潮風めぐる街をゆく、ラムネ色の銚子電鉄……これほどしっくりくる光景を一度見てみたかった」と何度も思ったものです。
じつは、昨年の経営危機を期に、ゴリラHM時代とともにある現塗装に恋々とする必要がなくなったことから、もしやするとこの旧旧塗装を復活させてくれるかも……と、甘い期待を抱いていたのですが、デハ801と701は結局現塗装 (ただし虚飾なし ^o^) を踏襲しましたので、内心ガッカリ。しかし、桃太○電鉄ラッピングのデハ1001は、ベースとして青塗装をまといましたので、「もしや今後は青基調になるのか……?」と期待していたところ、果たせるかな、目出度く702号がラムネ色に! 恐らく、団体用増結車として用いられることが多いことから、誤乗防止も兼ねているのかも知れませんが、何はともあれ訪問の楽しみも増えたというものです! 次に訪れる際には、土曜休日の混雑を覚悟してでも、パン上げ走行の勇姿を見てみたいものです。
※1枚目の撮影にあたっては入場券を購入し、許可を得ております。