1970年代の末に鉄道図鑑をしゃぶるように眺めた世代にとって最も輝いて見えた私鉄車両のうち、近鉄ビスタカー3代目は徹底的な更新修繕を受けて現役でいるわけですが、名古屋ですぐに乗り換えることが可能な名鉄の大御所・パノラマカーはと言えば……周知の通り昨年の末を以て定期運用を終了 (T_T)。その後のパノラマカーの状況は、ネット各界を散歩して得られた大まかな把握をまとめてみますと、7011Fがたまに臨時・貸切運用で走る他はもっぱら豊明・布袋・猿投に疎開して留置されており、たまに機能保持のため軽く慣らし回送を行っている程度であるようです。7011Fは白帯車ですので、さまざまなイベントに駆り出されるのは当然の成り行きとして、布袋の7041Fと猿投の7043Fは一体何故すぐには解体されず留置されたままなのか……不可思議なものがあります。パノラマスーパー特別車4連をなるべく早く全車5000系とするべく、東名古屋港の解体場がいっぱいいっぱいな状態であるため、7000系の解体は後回しになっているだけなのか、それともいずれ7000系重連イベントをやるためなのか……。中京圏住民ではなく事情に疎いからこその妄想が脳裏をグルグルと駆けめぐっている状態です (汗)。
しかし、事情や背景はどうあれ、いずれ必ずパノラマカーが消える日が来るわけで、たとえ日程や人混み嫌いの関係でイベント走行を撮らないとしても、最も撮りやすい布袋に留置車がいる間に一度はその姿を拝みに行き、離脱後の最後の姿を記録しておきたい……という思いは日増しに強まる一方でした。そこで、去る18日の京都日帰り出張の折、天気予報が散々雨嵐だと脅しまくっていたことから、早朝の「のぞみ」で関西入りして出張撮り鉄に徹するのは止め、185系普通伊東行き→「こだま」名古屋行きという超ゴールデンまったりリレーで移動 (^O^)、名古屋で「のぞみ」に乗り換えるついでに (爆) いったん改札の外に出まして、布袋までとんぼ返りで往復してみることにしました。
新幹線から名鉄名古屋駅に向かいますと、ちょうど1000系一部特別車の快速特急到着~♪ 岩倉まであっと言う間で移動した後、西春で追い抜いた普通犬山行きに乗り換え、布袋に到着しました。すると目の前には無事7041Fが留置中……。突然何の前触れもなく廃車回送されておらず良かった……と思うと同時に、たとえ逆さ富士の行先表示板を外されてしまっても、パノラマカーはあくまでもパノラマカー! その圧倒的なオーラにすっかり感激しつつ、約20分間の滞在時間のあいだ、ひたすらシャッターを切りまくったのでした。しかも、ちょうどそのとき、恐らくパノラマカーが降らせたであろう涙の通り雨が……。あるいはそれは何らかの嫌がらせだったのかも知れませんが、いったんその雨が止んだ後、布袋から名古屋へ戻る途中で激しい風雨が襲い始めましたので、やはりこれはパノラマカーの涙雨であったと信じたい……です。
こんな感じで名古屋からの往復の所要は約1時間、改札を出たために余分に要する新幹線特急料金と名鉄運賃の和は約2000円ということで、端から見ると酔狂以外の何物でもありませんが、私としてはかねてからの願望をフラットな光線の下で果たせて大満足……。美味な駅きしめんを楽しんだ後、午後の京都での撮り鉄メニューへと移行したのでした……。