京急の小島新田駅前に機関区を構える神奈臨・川崎地区の路線として、石油タキの頻繁 (?) 運転で賑わう浮島線、そして化成品輸送と甲種車両輸送が行われるマニアックな千鳥線があり、ごく一部の貨物ファンのあいだではつとに注目を集めている (?) ところですが、これら2線とは別に、千鳥町と扇町 (JR鶴見線) の間にある埋立地・水江町に向かう水江線が存在します。しかし……現在貨物扱いが全くなく、平日に限り1日1回だけレール磨き単機が往復するのみとなっている水江線が話題に上ることはほとんどないのが実情。レール磨き単機は、その性格上運休することも珍しくなく、沿線の工場に用があるわけでもないのにリスクを冒して水江線を訪ねようというファンは恐らくごく少数でしょう。
とはいえ、水江線はかつて神奈臨の前身だった日本○管の専用線時代以来盛んな輸送量を誇っていた路線であり、神奈臨・川崎地区の列車番号も水江線が100番台、千鳥線が200番台、浮島線が300番台となっています (単に地図上の左から番号を割り振っただけかも知れませんが ^^;)。そして1980年代までは、奥多摩からの石灰石を満載した列車が○管工場へと頻繁運転していたとか……。はぁ~そんな当時にもっと京浜工業地帯の貨物列車に注目するべきでしたが、如何せん当時は僅かな小遣いを釣掛式電車のために使う中学・高校生でしたので、今さらどうしようもありません。たま~に水江線の単機を撮りに訪れるたび、かつての盛業ぶりをしのばせる広い鉄道用地を眺めながら、空しい思いを募らせるばかりでありました。
し・かーし! そんな水江線もごくたまに、単機ではなく貨車を数車率いた列車が入線することもあるようです。ネットで僅かに見られる入線シーンを眺めるにつけ、ふだん全く荷扱いがない水江線にわざわざ貨車を入れるということは、終点手前の機回し線を利用した連結・解結訓練を含むハンドル訓練であると想定されるわけで……。そんな最高にレアな光景に憧れを抱きつつも、たぶんこのエリアの工場に出入りする用務客やドライバーのみが目にし得る極めて撮影難度の高い世界なのだろうと諦めていました。ところが先月、お世話になっているとある方から「最近タキ連結編成が走っているらしい」という超貴重な情報が!
そこで、川崎近くに出かけたついでに久々に水江町行きバスの客となり、終点近くで下車してみますと……たしかにレールの削られ具合は単機が毎日1回入線する場合よりも多めに削られているではありませんか! とはいえ、正確な運転時刻は分からず、行き当たりばったりの都合で呆気なく運休になっても全くおかしくありません。それでも、運休を恐れていてはマイナー系貨物撮影なんてやっていられないのも事実。これはまさにギャンブル……。行き交うトラックが発する濃厚な排気ガスや工場からの異臭と闘いつつ、じっと忍耐のひとときが続きます (爆)。そこで待つこと数十分……ついに……ホイッスルが鳴ったぁぁぁぁっ!! \(^O^)/ 出目金17号機様とJOTタキ43000の悠然とした走り、そしていつもよりも時間をかけて行われる機回しの模様をとにかくひたすら連写しまくりながら、あぁ……来て良かった♪という喜びに浸ったのでした (爆)。
それにしても水江線……手前にスペースがある分、浮島線や千鳥線と比べると全然撮りやすく、しかもバックはデンジャラスなプラント群や植樹を入れることが可能……というわけで、何とか将来の定期列車復活を期待したいところです。現在は「環境にやさしい鉄道貨物輸送」の看板が空しく立つのみですが……(とはいえ、多くの工場が川崎貨物駅を利用しているのも確かでしょうから、水江線を使って特定の品目をまとめて輸送する需要が今後沿線企業に生まれるかどうかですね)。
何はともあれ、情報をお送り頂いた方にこの場を借りて御礼申し上げます!!