今や貴重な国鉄急行型電車の生き残りのひとつであるしなの鉄道169系は、朝夕の有料ライナー列車を中心として3連4本が細々と活躍してきたのは周知の通りです。しかし最近は、確かATS-Pを装備しない車両のJR区間への乗り入れが出来なくなったため一旦全車が運用を離脱、その後S51・S52編成のみ復活し、小諸~軽井沢間の折返し運用に細々と使われているようです。
こんな具合で169系の立場が大きく揺らいでいるしなの鉄道、個人的には長野周辺を訪れるたびに撮り貯めたいと思いつつも、ついつい8500系の入線や2000系の廃車が相次いだ長電、あるいは7200系の丸窓ラッピング化や1000系との交代劇がみられた上田電鉄を優先してしまい、しな鉄はごくたまに上田~屋代~長野間の移動のために乗るばかりで、気がついたらこのようなことに……(超滝汗)。しかし最近は長電も上田電鉄もほぼ落ち着いてきた (?) ことから、先週金曜日に長野に出張した際には、ついでにしなの鉄道を少々撮りたいと思いまして (長い時間粘ることが出来ないのは足の怪我ゆえの悲しさ T_T)、新幹線で午後1時過ぎに上田に到着。夜のお仕事 (爆) に備えて夕方4時過ぎに長野に着けば良い……ということで、とりあえず目ぼしい駅で途中下車し駅撮りに興じたのでした。
しなの鉄道の車両基地があり、したがって169系も寝ていそうな駅……としてパッと思いつくのは戸倉ですが、生憎戸倉駅すぐ脇の留置線にいたのは115系のみで、湘南色のS52編成はかつての採石場への引込線跡を活用したといわれる新設の留置線に……。留置線の手前には踏切があり、そこまで歩いて行こうと思えば出来なくもないものの、足取りが怪しいうえに山側に停車しているS52編成をうまく編成として撮影出来るわけではない雰囲気につきパス……。回復を期してまた改めて、としか言い様がありません (苦笑)。
いっぽう、115系の長野行きに乗車中、小諸方面へ走り去る169系が! というわけで、どうやらこの1本と湘南色S52編成は輪番で運用に入っていることが類推されます。では、残る2本は何処に……? その答えは、屋代に到着して即座に解決。S53・54編成が運用離脱車として側線に留置されていました……。
このうち、S53編成 (1枚目) は塗装がまだまだ美しく、ブラインドも下ろされておらず、必要に応じて何時でも動きそうな雰囲気。しかしS54編成 (2枚目) は、前回検査が平成20年8月と表記され、色も褪せ褪せで検査期限切れのような……。ブラインドも完全に下ろされ、如何にも廃車前提の休車という雰囲気……。
しなの鉄道は当分のあいだ、朝夕のライナーを115系で代替させるとのことですが、その「当分のあいだ」が過ぎた後、果たして169系に新たな保安機器が搭載されて完全復活するのでしょうか? それとも北陸新幹線の開通やJRE115系の廃車に合わせたしな鉄自身の新たな変化の可能性の中で、169系はこのまま細々とした晩年を過ごして廃車となって行くのでしょうか……? 中期経営計画でも平成25年には169系の置き換えを完了したい旨の意思表示がなされていますし、高価な保安機器を今さら169系に取り付けることはしない、という判断がなされるとしても不思議ではありません。うーむ、有限な趣味の時間をこれまでしな鉄には注ぐことが出来ず、後悔することしきりです。空いていてガンガン飛ばしてくれる169系「サンセット号」、もう一度乗りたいなぁ……(^^;