ヤンゴンの鉄道シーンにおける新風物のひとつとなった一部特別車編成(と申しますか、客レは全て特別車を連結するようになりました)。その特別車がボックスシートであれば、経済的に少々余裕のある客は喜んで特別車に駆け寄るようになっているわけですが、逆にもし来れば「チッ」と舌打ちしたくなるのがこちら、新型ロングシート特別車編成……。管見の限り、ラッシュ時は気分的余裕を得たい客が多少乗っていますが、日中は見事に超!ガラッガラ……。まぁとにかく気温が40度近くになる13~14時前後は、そもそも出歩く人も少なく、ボロボロの一般客車も空いていますので、そんな時間帯に無理に高い運賃を払う必要もない、ボロでも構わぬという判断が働くのかも知れません。
というわけで個人的には、何のかの言って新型ロングシート客車を一部特別車として連結する時代は過渡的なものでしかないと予想します。同じ特別車でもボックスシート車の方が気分的にはるかに快適であることから、ミンゲ工場でのボックスシート車新造がさらに進めば早晩置き換えられるものと思われますし、ロングシート車もこれはこれでさらに増備のうえ一気にボロ客車を置き換えるかたちで格下げした方がはるかに利用客にとって福音となるだろうからです。しかしそれ以前に、恐らくミャンマー国鉄は他のアジア大都市と同じように冷房車ばかりの都市鉄道を擁したいと思っているでしょうし、実際冷房車が歓迎されていることは真っ昼間に混雑するキハ181という事例でも実証済みかと思われますので、あくまでこんな過渡期の二等級制を続けたのち、一定の時点で環状線全列車を冷房車にしようと目論んでいるのかも知れません。
ま、以上はすべて、酷暑の中で倒れそうになりながら環状線客レを激写した一個人による脳内錯乱妄想ですので、決して真に受けられませんよう。それでも、全車冷房化は中長期的にみれば経済発展と共に十分あり得る話。問題は……その場合どのようにして冷房化するか、ということでしょうか。考えられる超!妄想オプションは以下の通り。
* これからJRE・JRCあたりで大量に余りそうなキハ40系列を片っ端からゲットする。(新型DCの新造計画を止めたJRHは当分キハ40系列も手放さないでしょう)
* 日本でのDCの出物は必ずしも多くなく、しかもゲットした分は地方路線に回したいことから、ヤンゴン環状線は思い切って電化し、日本で大量に余る電車を大量ゲット♪ そのついでに思い切ってあらゆる陸橋を嵩上げ大改造。資金は円借款。
* 電化まではせずとも、フィリピン国鉄の203系と同じ方法で、日本からゲットした中古電車にディーゼルエンジンを搭載。屋根上のクーラーはキハ181・38・40と同じく引っ込ませ、車内天井も大改造。
* 中古には頼らず、電化するにしてもしなくても新車DMUまたはEMUを入れる。その場合のメーカーは日本?ウリナラ?中国?ボンバル?西門子?
……最後のオプションを除けばいずれにせよフィリピン国鉄との車両争奪戦が避けられなさそうな悪寒がしますが、果たして……。電車の出物も、何処にどれだけあるのやら。とはいえ、こんな妄想をしている内が一番面白いのも確かです (笑)。