
祝!ジョコウィ・インドネシア新大統領(クリーンな改革志向)就任……ということで、ジャカルタからバンテン州に日帰りで出掛けた際の画像の続きです。
前回ご紹介した超腰高な通勤客車は、その姿を見ただけでも即座に驚異の極悪乗り心地を思い出して戦慄が走るものですが、今回のランカスへのミニ・エクスカーションでは、それを上回る超極悪な風貌の客車を激写 (?) しました。それがこちら……超腰高通勤客車を流用した乗車禁止客車「Aling Aling」です!
インドネシア鉄道では、数年前に発生した列車同士の衝突事故で機関車の次位の客車が大きく破損し、多数の死傷者が出たことへの反省から、機関車の次位の客車は乗車禁止とする措置を採っています (但しスカブミ線など、本数が少なく速度もトロい路線ではこの措置は採られず)。そこで、電源車や荷物車が連結されない側の編成端には、冷房改造工事から外れた2・3等車が連結されているのを眼にしますが、これが要するに「Aling Aling」になります。その意味をGoogle翻訳にかけると「ファサード」ということで、仮の先頭・外郭のような位置づけなのでしょう。

そんなAling Aling、中には余剰3等車の窓を塞いで急行荷物列車と同じ緑色に塗った存在もありますが、一応大きな荷物用扉が新設されていますので、その気になれば荷物車として使う気満々 (実際荷物を載せている場合も?) かと思われます。しかし……ランカスで目撃した車両はスゴかった! DC改造超腰高通勤客車の全ての窓を塞ぎ、扉も1ヵ所を残して溶接で埋め、荷物車に転用するつもりも全くなく、ただ単にAling Aling専用と割り切っているという……。その証拠に、側面には「Kereta Aling Aling / Tidak untuk penumpang」 (アリンアリン車。旅客のためのものではありません) というステッカーが! そのくせ、車番には荷物車を指すB (Balang)ではなくK3 (K=Kerasで3等車の意) とあり、あくまで3等車扱いという図太さ……。これほど通気性ゼロな客車を眼にすれば、どれほど百戦錬磨なインドネシア人利用客も絶対に乗ろうとは思わないでしょうが、敢えて我慢乗車大会にチャレンジしようという強者募集中……(んなわけない ^^;)。
でもまぁ、客車鈍行の運用減により、こんなシロモノも多分いち早く廃車となってしまうのでしょうか? 否、既にAling Aling化改造済みということで、他の路線の優等列車などに転用されるとしたら結構スゴいかも……。