
本日と明日は、小田急の海老名検車区にて毎年恒例の鉄道フェスタが開催されますが、展示車両のラインナップが最新鋭の千代田線直通車両軍団ということで、余り触手が動かずスルー決定 (^^;)。まぁそもそもこのイベント自体、ヲタの来襲に伴う混乱を最小限にとどめるため、最近は「ファミリー」に力点を置き、車両の周囲にも自由自在に立つことが可能となっており、まともに編成を撮影可能なのは開場直後と閉場間際のみとなっていることからして、お気に入りの車両が並ばない限りわざわざ重いカメラを持って出掛けなくても良いかな……と。まぁ、本厚木運用がなくなって久しいメトロの車両、しかも16000系が海老名に来るということ自体はネタとして面白いのかも知れませんが。
というわけで、キレイでカッコイイ最新型電車ばかりになったのを今ひとつ楽しめない哀れなオッサンとしましては、懐かしい電車を求めて彷徨うしかないわけで、先日少々野暮用で辻堂近辺を訪れたついでに、辻堂海浜公園にて保存されている2600形・クハ2658を激写して参りました!

今はなき小田急大型田の字窓車の元祖である2600形は、当初5連で登場したのちサハを組み込んで全編成6連化され、さらに1993~4年頃に小田原線各停の輸送力増強のため一部編成が8連化されたものですが、周知の通り2000年頃から3000形 (2代目) の増備により壊滅し、2670Fの復活旧塗装を最後に全廃されてはや10年……。「ヒュゥゥゥ~」という独特の起動音が好きだった私としましても、喪失感は半端なものではなかったのを思い出します。
そんな2600形は周知の通り、クハ2670が登場時塗装で喜多見の奥深く保存されていますが、一般向けの御開帳はごくまれに海老名イベントにて展示されるのみ。また、8連化に際して余剰となり、一足早く約20年前に廃車となったクハのうち、2657が某所の消防学校で保存されているとのことですが、これは対外非公開。こうした保存状況を考えますと、同じく約20年前の廃車組であるクハ2658が辻堂海浜公園の交通公園コーナーにて静態保存され、しかも相模湾が目の前という極悪な保存環境であるにもかかわらずたまに塗り直されて良好な状態を保っているのは、大いに有り難い話と言えましょう♪ とりわけ、4000・5000形は一両も現存しないという状況を踏まえれば、このクハ2658は「田の字窓&小田急顔&アイボリー青帯の小田急大型車を、いつでも気軽に訪ねて味わうことができる」唯一の車両ということになります……!
というわけで、周囲は親子連ればかりという環境の中でひたすら激写しまくる「大きなお友達」というトホホな姿を晒してしまいましたが (笑)、いや~本当に満足なひとときでした☆ 現状は、さすがに錆が浮きつつありますが、またいずれ丁寧に錆止め再塗装がなされ、末永く保存されることを願っております。
ここへの交通手段は、辻堂駅南口から「辻堂西海岸」行きで「交通公園前」下車となりますが、ツワモノは小田急の鵠沼海岸駅から西に3kmほど、海沿いのサイクリングロードを歩くことも出来ます。

嗚呼……田の字窓とデカい急行幕♪

モケットは5200あたりの廃車発生品となりましたが、車内は基本的に極めて良好な状態を保っています。思わず10分ほど和んでしまいました……。