地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第七ジャカルタ炎鉄録 (4) 名残のランカス鈍行

2015-09-02 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 今回のジャカルタ遠征でもいろいろな出来事や発見がありましたが、それを小出し・後回しにしていると、いつの間にかOut of Dateになってしまいがちです。そこで今回のレポートでは、重要な変化や個人的にフィーバーした車両から先にアップして行くことに致します。
 というわけで、各論の一発目は……電化区間のさらなる拡充について。
 昨年の205系大量購入、そして南武205系の大量待機により、既にKCJは車両運用面で十分余裕のある状態となりました (?)。そうなると次の段階として、現在電化工事中のブカシ線(ジャワ縦貫本線)ブカシ~チカラン間、及びスルポン=バンテン線のマジャ~ランカスビトゥン間で何時電車が走り始めるのか、ということに関心が移らずにはいられません。
 このうち前者につきましては、既にブカシ~タンブン間で工事が進み、この8月にでも電車運転区間をタンブンまで延長するとの話が伝わっておりましたが、結局滞在中には実現せず……。しかも、列車で見物に行こうと思っても、プルワカルタ鈍行の本数の少なさからボツ。タンブン付近まで行けば、ぼちぼち沿線に田園風景が増え始めますので、電車運行開始=本数増ののち、長距離客レが田園風景の中をジャンジャン飛ばす光景を撮りに行くのが楽しみなのですが……。



 これに対し、ランカスビトゥンまでの電化工事につきましては、昨年の訪問時にランカスまで鈍行で往復した話をアップした際にも言及しましたが、この時点では沿線にまばらに架線柱が立ち始めたばかりで、如何にも田舎の主要駅という雰囲気のランカスビトゥン駅をはじめ、工事完成はまだ当分先の話かな、と思っておりました。それでも、電車の増加とICカード化の進展から、電化よりも一足先にスルポン・バンテン線の客車鈍行がパルンパンジャンやティガラクサあたりで系統分断されるのは時間の問題と思い、ジャカルタ市内からランカスまで客車鈍行に乗る旅としては乗り納めのつもりでおりました。
 ところが蓋を開けてみれば、2015年8月に至っても依然として、アンケからランカスまで鈍行列車が1~2時間間隔で運行中~!
 というわけで、「真っ昼間は暑すぎるので撮り鉄せず乗り鉄して涼む!」という方針のもと、活動3日目の日中、ドゥリからランカスまで片道約2時間半の客車鈍行の旅を改めて楽しんでみることにしました。今度こそ恐らく乗り納めになるだろうと思いつつ……。
 そんなランカス鈍行、車両面や車内の雰囲気の点で昨年と大きな違いがありましたので、別記事にて備忘録を記すことにしますが、いっぽう線路・架線設備面では……客車鈍行ですと約30分近くを要し結構距離があるマジャ~ランカス間で、見たところ完全に電化工事が終わっている!! 線路はパルンパンジャン~マジャ間と異なり単線のままですが(パルン~マジャ間の複線供用を早くしろよぉ……列車が増えてダイヤ乱れの際には遅延が増幅しまくり -_-;)、とにもかくにも広漠たる峠越えの原野にひたすら真新しい架線柱が立ち、架線も張られ、カーブでその偉容を眺めると「スゲー!あっという間!」と腰を抜かします。
 そしてランカス駅に到着しますと……オランダ式のホーム屋根は架線と当たる部分が切り欠かれて(ボゴール駅と同じ要領)、低いホームのままながらもいつでも電車の入線OK!という風情ですし、4年前にメラク鈍行の車内から眺めたときには草ボウボウな中に非冷房ボロ客車がゴロゴロ放置されていたという客車だまりも、日本風の電化設備が覆い尽くしているだけで完全に近代化された別の空間という風情です! 電化開業のあかつきには、客車だまりに5編成、そして本線&副本線3線のうち1~2線を使い、計6~7編成を留置できることになり、現在既にデポックで顕在化している電車留置スペース不足の緩和に大いに資することになろうかと思われます。
 但し、駅の北東側にある機関区脇の客車留置スペースは、一応やはり架線が張られているものの、電車用になることはないでしょう。Rangkas JayaやKalimayaなどの優等列車は、今後も引き続き客レで運行されるはずですので……。
 画像につきまして……1枚目はすっかり架線が張られたランカスビトゥン駅構内。2枚目は橋上駅舎工事が進みつつあるマジャ駅。日本の鉄道もかつて、こんな感じで激しく変貌していったのでしょうか……。