ミャンマーの客車形式写真のうち、先日は有蓋貨車に簡素なベンチを設置しただけの余りにもムリヤリな代用客車をご紹介しましたが、さすがにミャンマー国鉄も「客車が足りない中、こればっかりではマズいな」と考えているためでしょうか、やや「デラックス」な車両としてSMBDT 45000形もあります。その具体的な有様はご覧の通り、無蓋貨車の鋼体はそのままに (?)、窓つきのやっつけな側面と屋根を乗っけたようなシロモノです。あるいは、無蓋貨車改造ではなく、最初から貨車レベルのショボさの簡素な客車として製造されたのかも知れません。まぁ要は、嵯峨野トロッコや井川線を激しく簡素にしたような発想と言えましょう。
基本的なスペックとしては、車内の中央に横長・背中合わせのベンチが設置されており、この点は先日ご紹介した有蓋貨車を用いた代用客車と同じですが、中にはボックスシートに改造された車両もあります (2枚目の45081)。トイレが車端部に設置されているのは、代用客車ではなく正式な客車であるという意思表示かと思われ、ドアの脇に「Ordinary Class」と記されているのがどことなく輝いて見えます (笑→ちなみに1990年代の中国に出現した代用客車列車=『臨棚』の場合、私は乗ったことがないので正確なことは分かりませんが、トイレの代わりにバケツ=「馬桶」が置かれていたとか。こんな列車も終点の大都会に近づくにつれて出稼ぎ農民で超満員になり、発狂者続出であったと側聞しますので、あ~、怖いもの見たさで乗らなくて良かった!)。
それはさておき、ヤンゴン界隈でこの手の代用客車が用いられているのはバゴー鈍行(及びタラウォー鈍行?)であるわけですが、一番お手軽にまったりと、沿線の雰囲気も含めて楽しむことが出来るのは、マンダレー近郊のマダヤ線であると言われます。嗚呼……そのうち乗ってみたい。また、地方の鈍行でもこの客車が使われているのを目にしますが、さすがに日本からの短期間鉄ヲタ訪問でこの客車を求めてド田舎まで行く奇特な方はいらっしゃらないでしょう。