地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第三ヤンゴン熱鉄記 (26) 代用客車な貨車

2015-09-04 00:00:00 | ミャンマーの鉄道


 ミャンマー国鉄は最近、壊れた日本中古RBEを完全なるトレーラー=RBTに改造しつつあり、とくに私が昨年・一昨年の訪問時に撮影したキハ58・47・ちほく・松浦などが、壊れたのち完全に廃棄されるわけではなくRBTとして復帰したのは誠に目出度い限りです(先日デビューした第二陣の模様は、『西船junctionどっと混む』様の「ミャンマーの鉄道トピックス」にて速報されています)。このことは、ミャンマー国鉄の気動車には多少余裕が出て、壊れたものはもう復活させなくても良いという判断に結びついた反面、良好なアコモの車両は引き続き全体として少ないため、サービス改善のため壊れたRBEを活用することを意味するわけで、国鉄全体としてはまだまだ十分な数の客車を揃え切れていないと言えるのではないかと思われます。



 というわけで、ヤンゴンに出入りする長距離列車ですら、客車は不足しているのかも知れず……さすがに急行列車は全て客車で組成されていますが、例えばバゴー~ヤンゴン間の混合列車(その超珍ドコな編成ぶりはいずれアップします)では、貨車も客扱い用として連結されている状況です。その場合、客扱い用であることを示すため、貨車自体が客車と同じ色(鈍行中心で運用される青茶塗装)に塗られ、車内には簡素なベンチが設置されています。如何にも古い雰囲気の車両はGBHDT 11000形、カクッとしたデザインの車両はGBHDT 40000形で、有蓋貨車の車番をそのまま踏襲しているようです。
 客扱いする貨車といえば、1990年代の中国では春節特別輸送期にしばしば見かけ、大きな駅で優等列車に道を譲るため長時間停車しているのを見かけた際には、その凄惨な雰囲気に絶句したものです。しかしミャンマーの客車代用貨車の場合は、小ぶりなうえに塗装も客車と合わせてあること、そして乗客が荒っぽい雰囲気ではないことから、それほど凄惨な印象ではないのも事実。それでも、こうしてヤンゴンにRBE改造RBTが投入され、余剰となった客車がこの種の客車代用貨車を置き換えることになろうかと思われますので、乗ってみたい方(いるのか? ^^;)はお急ぎを……。
 ちなみに、今回アップした画像は、ピィ本線のチミダイン駅(ヤンゴンとインセインの中間)に留置されていた車両です。ヤンゴン~インセイン~ハローガ間で鉄活動したことがある方にはお馴染み(?)のチミダイン~ピィ鈍行は、混合列車ながらもアッパークラスを組み込んだ、ややランクが高い列車であり、この種の代用客車は使用していませんので、何故チミダイン駅にこうしてゴロゴロ放置してあるのかナゾなのですが……。もしかして、チミダインを早朝発車して夜遅くに戻って来るタラウォー鈍行がこの車両を使用しているのでしょうか??